2015年6月26日金曜日

日常会話の「または」と論理学でいう「または」(OR)って、ちょっと違う。

日常会話の「または」と論理学でいう「または」(OR)って、ちょっと違います。

日常会話の「PまたはQ」は、通常、PかQかどちらか一方のみという意味ですよね。
でも論理学の「PまたはQ」は、「Pが成り立つ」「Qが成りつ」「PもQも成りたつ」の3つのケースがあります。つまり、「P∧Q」も含みます。

冒頭で、ちょっと違うと書きましたが、日常会話の「PまたはQ」が常にPかQかの「どちらか一方のみ」で使われるわけではありません。


「この記事を読めるのは、スマホまたはPCを持っている人だ」というときには、
  1. スマホのみを持っている
  2. PCのみを持っている
  3. スマホもPCも両方持っている
の3つに区分できますからね。

つまり、日本語の「または」というのは「どちらか一方」という意味だけではないけれど、そういう使いかたをすることがとても多い、ということなんですよね。

論理学では、「どちらか一方のみ」をきっちり表現することができます。「排他的論理和」(排他的または)と言って、「XOR」の記号を使います。この場合、「PもQも成りたつ」場合を除きます。 

2015年6月24日水曜日

人の話の大半を忘れてしまう根本原因は記憶力ではない

人は会話の内容を、1週間後には25%くらいしか記憶していないという実験があります。そもそも、会話の直後でも半分くらいしか頭に入ってないそうです。

[余談]これはエビングハウスの忘却曲線のことではありません。忘却曲線は正確には、“時間の経過とともに記憶した内容をどんどん忘れていく” ということを示しているのではなく、“もう一度記憶するのに要する時間” を示しています。

話を戻しますと、職場で日々交わされている会話、朝礼での訓示、上司から部下への方針説明等々は、その場でも半分くらいしか頭に入っていない。そして頭に入っていたことの大半は、1週間後には忘れ去られているということです。

厳しい現実ですね。

これは記憶力の問題ではなく、ほとんどリスニングの能力(話を聞き取る能力)だそうです。

人の話の半分しか頭に入っていない大きな原因は、相手が喋る速度と聞き手が思考する速度の違い(大きな違いです!)。

思考の速度は速いゆえに、話を聞いている間に全く関係のない他のことを考える余地があるのです。どうしても生じてしまうこの<余地>に、思考が脇道に逸れているか、思考を有効に使っているか。その違いだそうです。

相手の話を聞きながら、「本当は何が言いたいのだろう?」「根拠は何だろう?」「話の先行きはどこだろう?」「この話はこの人が以前したどの話と関連があるのだろう?」と思考していれば、相手の話の多くがその場で頭に入ります。逆に、違うことを考えていれば頭に入らない。

また、聞いている時の感情も重要だそうです。感情はフィルターになりがちで、ときに情報を拒絶、遮断してしまいますから。

人に話を聞かせてもらう(取材)仕事をしているので、この記事を非常に興味深く読みました。「なるほどそうだったのか」という納得感もあります。

また、以前に受けたトレーニングのことを思い出しました。
そのトレーニングでは、話し手役と聞き手役の1対1で会話のロープレを行いました。横で聞いているメンバーはしっかり聞き取っていたエピソードを、話し手に対面している聞き手役が聞き落しているということはけっこうあるのです。その会話の逐語録を作成すると、聞き手役をやっていた自分が、たくさんの聞き漏らしをしていることを確認できます。

人の話を聞くということは、かなりエネルギーを要するものです。

2015年6月3日水曜日

何が再来店動機になっているのだろう?

マクドナルドが導入した顧客満足度アンケート・アプリ「KODO」が気になります。
どのくらいの人が回答してるのでしょう? そして、どんな改善のヒントが集まりつつあるのでしょう?

ボクはどちらかというと、肯定的に見ています。

来なくなってしまったユーザーの声を拾うことはできませんし、「もう二度と来ない!」と憤ってる人がこんなにたくさんの質問に丁寧に回答(択一式ですが)するとも思えません。

でも、再来店意向のあるユーザーは、何に価値を感じているのかということは見えてきます。
自分たちが提供しているものの中で、「価値がある」と消費者が認めているのは何なのか? サービス提供者は意外と、この点を計測しないまま勘によって、「これがウケてる」と思い込んでることがあるのでは?と思います。

2015年5月31日日曜日

出張中の読書

1ヶ月近くかかってやっと『Who Moved My Cheese?』を読み終えた。ほとんどは先日のベトナム出張の機内や現地で読んでいました。

しかし、あと残り20%くらいのところで(kindle版なので残量表示がある)、他の本を読みだしたりて中断していたんです。

印象深かった言葉はいろいろありますが、
“Old Beliefs Do Not Lead You To New Cheese.”
はシンプルで本質的だなと思います。

別の場面の
“Repeating the same behavior will just get you the same results.”
という言葉も、同じことを言っていると思います。と、書いてるくせに添えている写真が別の言葉(笑

もちろんこれ、日本語版を何度か読んだことがあって、書架にはなぜか同じものが2冊あります。というわけて、ストーリーをなんとなく覚えていたから読み通すことができたんです。

ちなみに、献本していただいた『ムチャぶりで人を育てる23のコツ』は、先週の福岡、京都出張の移動時間の読書にちょうどよかった。所要時間3時間半ぴったり。

2015年5月28日木曜日

どうやったらできるのか?と考えることが大事

失敗談を書きましょう。


ある仕事を請けて、それを第三者に実行してもらいました。要するに、マネージャーとして実務者に仕事を振ったわけです。

「これは素晴らしい!」というほどのアウトプットではなかったけど、実務担当者の過去の仕事は信頼できるものでしたし、「こんなもんだろう」と思いました。元々の素材は変えようがないし、様々な制約の中でやってることですから。

しかし、クライアントは、その仕事のアウトプットが不満だと言うのです。

納品したアウトプットに満足してないという話を聞いてすぐ、自分は現地に足を運んで状況を確かめました。
「クライアントが要望してたことは、できるんだろうか、できないんだろうか?」
ボクもそれなりの経験がありますから、難易度の判断ができます。で、「これは厳しい制約だな〜」と思いました。社に戻り、その方面に詳しい先輩社員に意見を求めました。

皆、口を揃えて、「それは無理だろ。そうするしかなかったと思う」と、実務をやった人に同情的な意見。
「やっぱりそうですよね」と、ボクも納得。

しかし、クライアントは納得していない(怒っているわけではないし、クレームをつけているわけでもない)。

こちらも気分がすっきりしないので、忙しいクライアントに無理をお願いして、現場に一緒に行ってもらえないかと頼みました。オフィスじなくて、現地で意見交換すれば、次につながる何かの発見があるかもしれないし。

そして現地で落ち合いました。そこでクライアントから見せられたのです、ボクも会社の人たちも「不可能」と思っていたアウトプットを。別の業者さんが、問題のあったワンポイントだけを依頼され、やり直したのです。

え、何これ? 

我が目を疑いました。

で、その場で必死に考えました。

「どうしたらこんなことができるんだろう?」

お分かりですよね。
最初にボクが一人で現地調査に来たときは、「できるかな? できないかな?」と考えてました。二度目は、「どうしたらできるんだろう?」と考えました。

この違いはすごく大きいのです。

そして数十秒で、「もしかしたら、できるかも」と思い至ったのです。もちろん、まだ半信半疑。

クライアントから、あるデーを提供してもらって、会社に戻ってそれを解析してみて、自分が集めた素材を加工して…。

できましたね。

この仕事を担当してくれた人も、会社の先輩も、そして自分も、「無理!」って思ってたことは、無理なことじゃなかったんです。できなかったのは、我々の知恵が足りなかったからなんです。

というわけで、「こういうケースでも対処法はある」ということを、社内の関係者にレクチャーするための資料を作りました。