うつ病は、「几帳面な性格人」がなりやすい。そんなふうな先入観、ありませんか?
実はボクもなんとなく、「几帳面な性格人」や「人のことをすごく配慮するようなタイプの人」が、うつになりやすいのではないかと思っていました。
某キャリアカウンセラー団体のテキストには以下のような記述もあります。
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うつ病では、体質、性格、幼少期の出来事、ストレス、社会的支援の有無が発症に関係すると考えられています。性格では、「人との争いを避けるような性格」、「几帳面な性格」~。
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ところが、うつ病の発症のしやすさと、人の性格を関連付けてとらえているのは、日本だけのようです。つまり、世界の常識ではないのです。これはちょっとした驚きでした。
『うつ病の常識はほんとうか』(著=冨高辰一郎)には以下のように書かれています。
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米国の代表的な精神医学の教科書である『カプラン臨床精神医学テキスト』には、うつ病の病前性格について次のように書かれている。
うつ病にかかりやすい性格の特徴や型を一つに限ることはできない。
(略)
また世界中の医学生向けの精神医学の教科書である『オックスフォード精神医学』では、「単極性うつ病性障害が単独の人格のタイプと関連することは見出されていない」とシンプルに書かれている。
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「うつ病は几帳面で他者配慮性のある人がなる」という学説を提唱したのは、ドイツの精神科医テレンバッハで、このような性格特徴をメランコリー親和型性格と名付けました。しかし現代のドイツでは、うつ病の病前性格として、この概念を強調しなくなっているそうです。
もし「うつ病は几帳面で他者配慮性のある人がなる」が根拠のないことであったら...。その思いこみにもとづいて日々の判断をしてしまうと、本来ケアが必要とされている同僚・部下のサインを見落とすことにつながりかねませんよね。
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