2013年10月31日木曜日

日本人の従業員満足は高い?低い?

12月号では、「従業員満足」をテーマにした特集記事の制作を進めています。昨年自分が取材に行ったサウスウエスト航空の記事を読み直したり、社内報(従業員サーベイの結果が詳しく報告されている)を読み直したり...。

そんな本日、こんな数字が目に止まりました。
「13%」
何だと思います?


意欲があり積極的に仕事に取り組む従業員の割合、わずか13%だそうです。

これはギャラップ社が189カ国2500万人を調査した結果で、日経新聞が紹介しています。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK3002I_Q3A031C1000000/

国別に見ると意外にも東アジアは総じて意欲が低く、日本ですら積極的に仕事に取り組んでいる従業員はわずか7%。69%は意欲がなく、24%は仕事が嫌いだった。


ギャラップ社は、仕事に意欲的に取り組むようにするために必要な12の条件を提示しています。

1 職場で自分が何を期待されているか知っている
2 仕事を間違いなくこなすための材料や道具をもっている
3 職場で、毎日、自分が最も得意なことをする機会がある
4 この1週間に、職場で良い仕事をしたとして認知されたり称賛を受けたりした
5 上司やその他、職場のだれかが、自分のことを一人の人として気にかけてくれているようだ
6 私が進歩していくのを励ましてくれる人が職場にいる
7 職場で、自分の意見をくんでくれる
8 会社の使命や目的が、自分の仕事は大切だと感じさせてくれる
9 同僚たちは質の高い仕事をしようと努力している
10 職場に仲の良い友人がいる
11 過去6カ月の間に、私の仕事が進歩したと職場のだれかに言われた
12 昨年、仕事で学び成長する機会があった

上の項目は、個人的に、非常に納得感高いです。

[参照]ギャラップ社のレポート
http://www.gallup.com/strategicconsulting/164735/state-global-workplace.aspx

2013年10月1日火曜日

適材適所で組織のパフォーマンスは高められる

適材適所で組織のパフォーマンスは上げられます。

能力開発、新たな技能の習得、新たな人材の獲得だって、もちろん有効だし必要です。
でも、現有戦力でも、役割(配置)の見直しだけでも、パフォーマンスは高められます。ただ、会社組織って、野球やサッカーなどのチームスポーツほど、特性に応じた役割の研究がされていないように思います。

先日、前職(マーケティングリサーチ)の上司と久しぶりに会いました。夏前にたまたまの案件が重なり、通常のやりかたでは絶対にこなせない、かといって外注を使って利益率は下げたくない、という状況だったそうです。
で、元上司は通常は1人のリサーチャーが一気通貫して行っている作業(設計~実査~分析~レポート作成)を分割して、分業させたのです。徹底して「誰に担当させたらトータルで短時間で仕上げられるか」を考えたのです。

結果的に、年次が上のベテランに地味で裏方的な部分を担ってもらい(機械的な作業が誰よりも速い)、一見華やかなレポート作成やプレゼンを若手に担ってもらいました(表現力が豊か)。
もちろん、「非常事態だから特別に、こういう分業体制で臨んで乗り切りたい」と状況を説明して。

分業にはデメリットもあるのです。
第一に、上流工程の、クライアントの課題抽出~リサーチの設計を担当した人間が、そのリサーチプロジェクトをもっとも理解しているわけです。すべてのプロセスが重要なので、もっとも理解しているリサーチャーが通してやったほうが、品質はよい(と期待できる)。
第二に、あまり細かく分業してしまうと、その部分の「作業」になりがちで、工程すべてを見通す視点がなくなりがちで、育成という観点からよろしくない。

でも、通常のシフトではできないことを、この「適材適所」シフトで乗り切ったわけです。

この会社では、「ひとつの案件はひとりで担当させる」という方針に近いですが、実は、通常から細かな分業を行っているリサーチ会社もあります。テーマや調査手法によって、得意不得意がでてきますから、ある程度の経験を越えたら、得意な領域に特化していくのもよくあることです。

本人がそれを極めたいと思えば、そこに特化していける。逆に、幅広く携わりたいと思えば、そういう選択もできるのが理想ですね。

本人にとってもっとも苦痛なのが、他に特性を発揮できることがあるにもかかわらず、意思に反してそうではない仕事に配置されることでしょう。それでは単なる労働力です。

【追記】
あ、そうそう。結構重要なこと2点。
(1)このチームには、こういう「得意領域を集中して担当してもらう」という分業ができるだけの、人材の多様性があった。
(2)この元上司が、各人の「得意領域」をちゃんと把握していた。