2016年10月28日金曜日

#業績向上のために何に取り組むか?

かつて勢いを誇っていた某法人さんの稼働の落ち方がヒドイという話を聞いていました。頭どりによる着席客数を調べている会社のデータにも表れています。

ところが、粗利はそんなに落ちてない。利益は確保できている。この状況、業界の方なら何を意味しているかわかりますよね?

すでに、お客さんが減っていく負のスパイラルに突入しているのかもしれません。

短期的な視点に立って行動すれば、目の前のお客様から、以前よりも多く利益をいただこうとする。すると、将来の利益をもたらしてくれる、再来店意向者が減っていく。

しかし、機械がどれだけ稼働したかというデータと頭どりによる着席数データだけでは、ユニークな客数がどれだけ減っているのかはわかりません。


客数が減っているのは間違いないでしょうが…
[1] 来店頻度が落ちた顧客(今でもたまには来る)がどれだけいるのか?
[2] 離反してしまった顧客(ある一定期間来ていない)がどれだけいるのか?
[3] 新台導入や新たな広告の導入によって、普段来ていないお客さんがどれだけ来店しているのか?これらによる集客の力がかつてと比べてどうなって(低下)いるのか?
…がわからない。

ユニークな客数がわからないと、
[4] 一人当たりの遊技時間がどのような分布になっているのか?
もわからない。
一人当たり遊技時間について言えば、勝ってる人は長く滞在するでしょうが、すぐに予算を使い果たした人は長く滞在しないでしょう。ですから、全体平均の時間よりも、分布と絶対数(ユニークな客数)の両方の変化を見る必要あります。


これらがわからないということは、重要な課題がわからないのと同じで、
[1] 既存客の来店頻度を上げる(離反者を出さないことを含む)
[2] 新規客を増やす(スリープ客に再来店してもらう、離反者に再来店してもらうことを含む)
[3] 客単価を上げる
のどれに取り組むのかが曖昧なままです。

「すべて大事だ!」というのは間違いではないと思いますが、来店履歴のデータがないと、施策の効果測定ができないと思うのです。



ユニークな客数がわかると...


逆に言えば、ユニークな客数がわかれば、上記3のアウトカム(=目的変数、KGI)を設定し、自店の様々な施策を数値化した説明変数との分析により、「何がどのKGIにどれだけ効果があったのか」を推計できます。

もちろん、誤差はあるでしょうが、
◇何を優先して頑張ればいいのか?
◇取り組み量の割にKGIに結びつかない施策は何か?
についての、合理的な指標の一つになるはずです。


もし、「長年の勘」がうまく機能しているのであれば、こんな分析・推計をする必要はないでしょうが。

なぜ、くどくど「ユニークな客数が分かれば...」といったことを書くのかというと、それをかなりの精度で把握する方法があり、 すでにテスト導入して分析に着手している法人さんがあるからです。

2016年10月26日水曜日

#これからの人間の働き方

本日の日経流通新聞の一面。昨年、ハウステンボスにオープンした、ロボットが接客業務を行う「変なホテル」が好調という記事。

業界最高水準の収益とのこと。

すごい挑戦だと思ったけど、いきなりこんな結果がでるとは。凄い。

一方で気になるのは『機械との競争』。人間の従業員は開業時から1年間で3分の1に減った。これからの人間はどういう仕事をすればいいのか、考えるざるをえない。

いまの小・中学生が社会人になる頃には、今ある多くの職種が消滅しているだろう。

#不審人物を検知する画像解析ソフト

人の表情をこんなに高い精度で読み取れるとは、すごい技術だ!  表情は筋肉が動いて作り出しているわけで、動作もそう。これを、「振動」と考え、分析しまくったらパターンが見つかった。その中から、「攻撃的」「緊張」「平静」「疲労倦怠」などの状態への合致度を算出する。リアルタイムで!

店内に入ってきた不審人物を検知できます。ボストンマラソン大会の爆破犯が映ってる街頭監視カメラ映像がありますが、見事に検知します。

開発したのはロシアの企業で、当然ながら軍事目的。それが空港やショッピングモール、イベント会場など不特定多数の人が出入るする場所へと広まっています。

2016-10-21に東京ビッグサイトで見つけた。

2016年10月22日土曜日

#消費者は総合点で判断する

企業・店舗は日夜、「いかに他店と差別化するか」に知恵を絞っているはずだ。だが、使用可能な経営資源は限られている。「どの部分で差別化するか」を考える上で参考になる考え方をご紹介します。

「こういう人々に来てもらいたい、買ってもらいたい」と想定している顧客の頭の中に、自店の独自の位置づけを築き、競合店とは違う独自のイメージを植えつけ、その価値を認めてもらい、優位な立場を確立するにはどうすればいいのか。

フレッド・クロフォードとライアン・マシューズは、ビジネスの要素を、「商品」「サービス」「価格」「アクセス」「経験価値」の5つに分類し様々な企業を評価した。その結果、優れた企業はこの5つのいずれか1つの要素で消費者が企業・店を心から信頼しよそで買うことを拒絶するほどの高いレベル(=市場を支配できるレベル)を実現し、他の1つの要素でその企業・店に好感を持つ「差別化」に成功し、残り3つの要素で「業界の標準(平均点)」を保ち受容されているという法則を発見した。彼らはこの法則を理論化し「ファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略」(5 Way Positioning Strategy)と名付けました。5つの要素のどれとどれを突出させるかという組み合わせ方が、その企業の戦略なのです。

例えば、ノースウエスト航空とサウスウエスト航空はともにデトロイト-シカゴ間を飛びます。便数とアクセスで勝るノースウエストに対し、サウスウエストは「経験価値」で市場支配レベルを、「価格」で差別化レベルを体現し、総合的に勝利を収めています。


Point
  • あらゆるビジネス(取引)は「商品」「サービス」「価格」「アクセス」「経験価値」の要素に分解できる。
  • 消費者が判断するのはこれらの『総合点』である。
  • 優れた企業は、この5つのうちの1つの要素で市場において圧倒的な地位にあり、別の1つの要素では他社より優位な立場にあり、他の3つは標準レベルにある(決して標準レベルを下回らない)。
  • 自社が商品やサービスを提供したい顧客は、何を価値と感じるか。自社にできることは何か。それらを分析し、効果的に市場支配や差別化が図れる要素をこの5つの中から選択し、それを際立たせていく。それこそが、企業・店舗の戦略である。


そもそも自社の社員はどう捉えているのか?


この考え方はパチンコホールのような業態にも当てはまるはずです。
ここでいう「商品」とは、取引の対象となる有形の商品および、役務や体験の提供といった無形の商品(通常、サービスと呼ばれる)も含む。パチンコホールが提供している「期待感を伴う遊技体験」も「商品」です。
次の「サービス」は、有形・無形の商品の提供方法を指す。ユーザー体験に付加価値をつける気配りやその表現方法です。
「アクセス」は立地などの物理的なものだけではく、店内の商品の探しやすさ、清潔さなども含む。
「経験価値」とは、商品を購入したりサービスを受けたりした結果、顧客が抱く感情や気分を指します。

ファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略の核となるメッセージは、消費者が判断するのは『総合点』ということと、5つの要素の中の2つでどれほど成功を収めていても、残り3つの要素の1つでも業界標準を下回ってはいけないということ。ユーザーが求める最低水準を見誤ってはいけないのです。例えば、いくら接客が素晴らしくても、その他の要素(機械、設備、出玉)が最低水準を下回っていたら、お客は来ない。その逆もしかり。

もしも、ビジネスをこの5つの要素で捉えることに興味をもったのでしたら、ぜひ、会議で試していただきたい簡単なことがあります。経営幹部や店長、現場の社員たちに、自社の各店舗が、5つのうちのどの要素で<市場支配的レベル>にあり、どの要素で競合と<差別化に成功しているレベル>にあり、他の3つのうちどれが直接の競合たちのレベルに達していないのか、を書き出してもらうのです。
各部門や各階層でこの認識にズレがあるということは、企業が顧客に提案しているつもりの価値が、顧客に十分に届けられない運営がされているという可能性があります。

留意点を付加するならば、自社の「市場」や「商品」の定義が変われば、競合の定義が変わるということ。仮に、自社・自店の商品の本質を「リラックスして寛げる体験」と定義したら、同業他社(パチンコホール)でなくスターバックスやコメダ珈琲が競合となってくるでしょう。

この「ファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略」は、フィリップ・コトラーが2000年代前半に、「新しく興味深い理論」と紹介してから知られるようになった。また、星野リゾートの星野佳路社長が自著の中で、クロフォードとマシューズの著書を「経営をするうえで教科書としてきた」と紹介しています。



2016年10月14日金曜日

#不登校の子どもを支援する奨学金制度創設

内閣府は2013年に、15歳から39歳のうち、引きこもっている人は全国でおよそ70万人と推計しました。全国各地の民生委員の報告で「無業者」とカウントされている40歳以上の人も含めれば、引きこもりはゆうに100万人を超えるという専門家もいます。15歳未満の不登校児童・生徒はこの推計のカウント外ですので、実態はさらに多いのです。
成人で引きこもっている人の半数近くが、小中学校時代に引きこもっていたという調査結果があることから、子どもの時期に<引きこもらなくてもいい環境>を整備することが重要といえます。
小中高生は、何らかの事情で不登校になってしまうと、自宅以外に居場所がないのです。ですから、不登校の子どもが安心して個を尊重される、フリースクールのような居場所の拡充が必要です。

フリースクールに通うには入会金、月会費など家庭の負担が増えます。しかし、小中学校に籍を置く子どもがフリースクールに通うう場合、保護者の負担を軽減する国及び地方自治体からの公費助成制度はないのが実情です。ですから、不登校で家に引きこもっている子どもがフリースクールの入会を希望しても、経済的理由で断念する家庭が少なくないのです。特にシングルの家庭では、子どもが引きこもり精神的に不安定な状態だと、働きに出ることがままならなくなり、貧困に陥りかねません。

三重県では、不登校の子どもが置かれた状況を知った三重県遊技業協同組合が、フリースクール「三重シューレ」(三重県津市)に入会を希望する子どもを対象にした、給付型の奨学金制度を創設しました。特定のフリースクールに通う子どもを対象とした、返済を要しない奨学金制度は全国初。9月27日に三重県庁で記者会見を行った後、大手新聞社やNHKの取材が相次いでいることからも、注目の高さがうかがえます。

三重シューレは2003年に県内初のフリースクールとして開設され、現在は小・中・高生、計21人が県内各地から通っています。三重県遊技業協同組合は、県内で営業しているパチンコ・パチスロホールが業界の健全化と発展を目的に昭和36年8月に県知事から認可を受け設立した団体です。

三重県遊協の権田清理事長は、「不登校の子どもが、学校以外の場で安心して育つことのできる場所・環境を整えることは社会の責任。フリースクールに経済的理由で入会できないことは、社会の緊急の課題であることを痛感している」とコメントしています。

学校が合わない子どもを学校に連れ戻そうという、現在の義務教育機関の考え方は実情に合っていません。不登校の子どもにも、家庭の他に、学校の代わりになる安心できる居場所が必要です。不登校の子どもの3分の1が「いじめ」がきっかけだそうです。そういった子どもたちに給付型奨学金という形の支援が広がることを願っています。

[参考]
▼金のハートの奨学金(給付型)募集のしおり
http://mienoko.com/img_archive/shiori.pdf
▼フリースクールに通うための「金のハートの奨学金」創設
http://www.sanyukyo.jp/news/20160927.html

2016年10月1日土曜日

#日本って「小さな国」じゃないんです。

国の本当の大きさが比較できる地図サイトがちょっと話題になってますね。
我々が普段目にする地図は、そもそも球体である地球を1枚の平面に広げているので、面積を正確に比較するには向いていないんですよね。
みかんの皮をむいて、なるべく平らになるよう並べると、こんな具合です。
 

皮がつながってる中心部分(胴回りが一番長い)が赤道だとしましょう。マジックで描いた線は、展開すると、とぎれとぎれになりますよね。皮と皮の間にはスキマができてます。

でも、我々が普段目にする地図はこんなスキマはありません。つまり、極に近い部分ほど、拡大されているわけです。海が広く描かれていたり島が大きく描かれていたり。 
平面の地図では、アメリカ、カナダが実際よりも大きく見え、赤道に近いアフリカ大陸が相対的に小さく見えています。地球儀で見ると、アフリカ大陸ってもっ と大きいですよ。

地図は、離れた地点、とくに緯度が異なる場所の面積を比較するのに不向きなのは、こういう理由です。地球儀の方がだんぜん、わかりやすい。でも、よほど大きな地球儀でもないかぎり、目視では違いが分かりにくい。

異なる場所にある国どうしの大きさを比較できる「The True Size Of …」というサイトは、平面の地図では、赤道から遠いほど、実際より大きく描かれていることを計算に入れて、各国をマウスでつまんで移動する際に、拡大縮小をしてくれるのです。どういうことかというと、赤道から離れた場所にある国をつまんで赤道近くに移動すると、小さく表示されます。逆に、赤道近くにある国をつまんで、上(北)のほうに移動していくと、大きく表示されていきます。
このサイトのすごいとことろは、国の形そのものも変形する点です。日本は南北に長いため、そもそも正確な形で描かれていません。赤道に近い九州よりも、北海道が実際以上に大きく見えているんです。
もし日本が南半球にあったら、九州と北海道の見え方はこんなふうに変わります(↓)。右側が南半球にあったらバージョンの世界地図における日本の形です。北海道が少し小さくなり、九州が大きくなっているのが分かりますか?


日本がヨーロッパに位置したら?


ちょっと手間はかかるけど、地球儀的な比較は、Googl Earthでもできます。Google EarthはGoogle Mapと違って、<地球儀>です。画面の中で地球を回転させると、国の形が変わりますね。ある国を画面の真ん中にある状態(真上から見下ろしているもしく は真正面から見ている)ときに最も大きく見えます。その状態で見ればかなり正確に比較できます。インドネシア(カリマンタン島、スマトラ島、ジャワ島)も赤道上にあるので、地図で見るよりも地球儀で見ると大きいですよ(↓)。

先述のように、日本が縦長であることは、他の国と比較するときに不便です。そもそも面積の大きい北海道が、より大きく見えているからです。そこで、日本列島を傾けて(北海道が大きく見える影響も小さくなる)、ヨーロッパに移動してみました(↓)。
ベルリン~マドリード間の距離と、網走~鹿児島間の距離って、だいたい同じです(ベルリン~マドリード間のほうが30キロくらい長い)。

日本は「小さな国」というイメージが刷り込まれてるかもしれませんが、イタリアよりも、ドイツよりも日本の面積の方が広いんです。スペインよりは小さいですが。


面積の順位は
  • フランス 643,800 km²
  • スペイン 506,000 km²
  • 日本 378,000 km²
  • ドイツ 357,200 km²
  • ポーランド 312,700 km²
  • イタリア 301,300 km²
  • イギリス 243,600 km² 

といった感じです。