2015年12月25日金曜日

#仕事のスピードを上げるには?

早くに立ち上がった仕事なのに、日々発生する「緊急」の仕事に追われていて、仕事を進めることを先送りにしていたら、ついにデッドラインが目の前に迫ってきた...。という経験、ありません?

同僚の一人が、まさにそういう状況にいるとしましょう。

で、彼はいま「最高速度」で仕事に取り掛かっています(自称)。当然のことですね。

しかし、いくら必死になろうと、「最高速度」がそうそう速くなるわけがないんです。いや、もしかしたら、こういうプレッシャーのもとで、革新的な仕事術を生み出すということもありますけど。

さて彼はいま「速度」をなんとかしようと頑張っているわけですが、こんな状況に陥った原因は、「速度」にあるわけではありません。その仕事を休止している時間(他の仕事をやっていた)が長く、取り掛かりが「遅い」ということ。

要するに、“Fast”よりも、“Early” が大事ということです。

早く取り掛かること。
休憩や他のコトのために目の前の仕事から離れたら、 早く戻ってくること。

残念ながら、いまさら「最高速度」を出しても、プラスの評価はもらえないんです。せいぜいが傷を小さくできるくらい。
どんなにスピードが出るマシンでも止まっていたら進めない。

2015年12月24日木曜日

#人工知能に奪われていく仕事

工場では比較的単純な作業を速く大量にこなすロボットが活躍していますが、どんどん繊細な作業へと活躍の場を広げています。その背景にあるのは、人工知能(AI)の進化です。そして9割の経営者が人工知能の活用に意欲的だからです。

人工知能が人間の仕事の一部を担っていくのは生産・物流・建設などの現場にとどまらず、オフィスでの知的労働の分野にも広がっていきそうです。

5W1H+補足説明といった程度の新聞記事は、人工知能が生成できるようなるでしょうね。ライターを本業にして生活できる人はごく少数になるだろうと思います。

2015年12月13日日曜日

#同世代の同僚とボーナス格差広がる

12月11日の日本経済新聞に様々な企業のこの冬のボーナスを調査記事が載っていた。その中で目を引いたのが、「同世代間格差広がる」という囲み記事。
同年代の大卒社員のボーナス(特別賞与を含む)支給額の最大格差を企業アンケートで調べたもの。343社から回答を得ています。

時系列のグラフを見ると一目瞭然ですが、同年代間でのボーナス支給額の格差が年々広がっています。そして2015年は、最大格差が「9割以上」ある企業が31.1%(前年比5.6ポイント増)もありました。

最大格差が「9割以上」とはどういうことかというと、最低額の人を1としたときに最高額の人が1.9以上ということ。例えば、最低額の社員が30万円だとしたら、最高額の社員は57万円以上です。※「差」が9割ということは、「倍率」でいうと1.9倍ということです。

では、最大格差が「5割以上」の企業がどれくらいあるかというと、49.8%、ほぼ半数です。最低額の社員が30万円だとしたら、最高額の社員は45万円以上ということ。半数の会社で、このくらいの格差がついているのです。

今後、支給格差を「拡大する」と答えた企業の割合は15.7%。残りの84%は「変わらない」もしくは「わからない」との回答で、格差を「縮小する」と回答した企業はゼロだったそうです。※この質問への回答企業数は439社。

社内のボーナス格差はこれからも拡大していくということです。


かつてのゆきすぎた成果主義への反省から、給与体系において業績連動の部分を減らしてきたものの、ハイパフォーマーには報酬で報いなければモチベーションが保てないし、流出してしまう可能性もある。

ボーナス支給額が拡大するということは、ある面では健全なことなのかもしれません。

2015年12月10日木曜日

#従業員の借金問題は会社のリスク

数日前、北陸某県のパチンコホール脇の景品交換所で強盗未遂がありました。交換所の女性従業員に刃物を突き付けて「金を出せ」と脅したものの、従業員が「金はない」と答えると何も取らずに逃走。

2日後に警察が強盗未遂の疑いで逮捕したのは、別のパチンコホールに勤務する男。「借金があり金に困っていた」と供述しているそうです。

「借金があり…」というのは個人の問題です。

しかし、同僚は肩身の狭い思いをしているでしょう。上司、経営者はとても残念に思っていることでしょう。

「防ぐことはできなかったんだろうか?」「相談してくれれば...」と思っているかもしれません。

個人のプライベートに職場がどこまで関与するかは、非常に難しい問題だと思います。とはいえ、世間は「勤務時間外にやったことだから」と割り切って見てくれないでしょう。

お金に困っていると、反社会勢力から付け込まれる「弱点」にもなりかねません。

つまり、従業員の借金問題は会社にとってリスクなんです。

苦境に陥らないためのお金の知識、借金問題を解消するための知識など、お金に関するリテラシーについて学ぶ機会も、会社が提供せざるをえないのが現実のように思います。

本来は、家庭や高校がきっちり教えておあげるべきことだと思いますが。

#遺産「争族」を回避する

遺産をめぐって相続人に争いが生じるーー。これは資産の大きさに関係ないそうです。
「うち(の親)にはたいした資産はないから相続トラブルなんて関係ない」
なんてことは言えないそうです。

代表的な例が、主要な資産が「自宅」など分割できない(しにくい)不動産の場合。かつ、兄弟姉妹の誰かが、親が住んでいた家を相続したい(住みたい)と望んでいる場合。

相続財産が4000万円で、兄弟(姉妹)2人で分けようとなったとき、その内訳が評価額3000万円の自宅とその他の財産(預金など)1000万円だったとします。 

故人である親が住んでいた自宅を兄(姉)が相続し、かつ、財産を公平に分けようとしたら、兄(姉)は自分が所有する財産から1000万円を弟(妹)に与えればよいのです。

これを「代償分割」といいます。この例で兄(姉)が弟(妹)に渡す財産を「代償交付財産」といいます。

争族問題になるのは、「1000万円ものお金は用意できない!」という場合。

このお金をなかなか受け取れないほうは、「いつになったら払ってくれるのか」「公平に分けることにしたのに、これじゃあ不公平じゃないか!」と不満を募らせるわけです。

こんなことを避けるには、代償交付金の準備が必要です。

「わかっちゃいるけど、そんなお金を貯められるわけがない」

ですよね。貯めておくのは容易ではないですよね。

こんな遺産分割対策のための生命保険の使い方があることを知っていると、トラブルを避けられるかもしれませんね。

[追記]
前提として、生前に親(被相続人)がこういう事態を避ける対策をすることです。
上記の遺産分割対策=代償交付金の準備に有効な生命保険の使い方は、子が契約者(保険料負担)になること。
その保険料は親から子への毎年の現金贈与で。※年間110万円の贈与税の基礎控除があります。
子が契約者になると、受け取る死亡保険金には相続税がかかりません。※一時所得となります。
受け取った死亡保険金を、代償交付金の財源に充てるというわけです。

2015年12月8日火曜日

#能力開発は労働者の自己責任

職業能力開発促進法という法律があります。その一部が今年9月に改正されました。施行は来年(2016年)4月1日。
まず、この法律の基本理念が改正されました。

改正された理念はこうです。

第3条の3
労働者は、職業生活設計を行い、その職業生活設計に即して自発的な職業能力の開発 及び向上に努めるものとする。

「職業生活設計」という言葉も聞き慣れないかもしれませんが、これは平成13年の法改正で以下のように定義されました。

この法律において「職業生活設計」とは、労働者が、自らその長期にわたる職業生活における職業に関する目的を定めるとともに、その目的の実現を図るため、その適性、職業経験その他の実情に応じ、職業の選択、職業能力の開発及び向上のための取組その他の事項について自ら計画することをいう。

上記基本理念は、要するに、我々労働者に、「自分のキャリアプランは自分で考えて、それに必要な能力開発を自分でしなさい」と言っているのです。

ここに、「国に頼られても面倒見切れませんよ。会社に頼るという気持ちも捨てたほうがいいですよ」という言外のメッセージを感じるのは私だけでしょうか?

職業能力開発促進法はもちろん、企業にも従業員の能力開発に関する措置を要求しています。今年の改正で事業者の責任にいくつかの項目が盛り込まれました。そのひとつが以下です (第 10 条の3第1号)。

事業主が必要に応じ講ずる措置として、労働者が自ら職業能力の開発及び向上に関 する目標を定めることを容易にするために、業務の遂行に必要な技能等の事項に関し、 キャリアコンサルティングの機会の確保その他の援助を行うこと。

要するに、「労働者と、仕事のスキルを教える上司なり研修講師との間に、キャリアコンサルタント(キャリアアドバイザー、キャリアカウンセラー等)を入れるべきですよ。会社は社員のためにキャリアコンサルティングの機会を作りなさい」と言っているのです。
その目的は条文にあるように、「労働者が自ら職業能力の開発及び向上に関 する目標を定めることを容易にするために」です。


従来、企業が目的達成のために必要な従業員の能力の向上に責任を持ち、教育・研修を行ってきました。
上記の法律の文言の変化からも読み取れるように、今後の流れは、
  • 従業員自身が「自らの職業生活の設計の目標を立て、その達成に必要な能力開発に責任を持つ」
  • 企業は、従業員を「キャリアコンサルティングを受ける機会を提供する」という形で支援しなさい
と明確化されました。そのための法制化です。

「何をいまさら」と言う人もいるかもしれませんが、“先進的”とは言い難い国が、ここまで明確な方針を打ち出したということを、我々労働者はよくよく考える必要があると思います。


今年、この他にもいろいろと改正された部分がありますが、そもそもは、青少年の雇用の促進等に関する法律の改正の流れです。この中で、勤労青少年福祉法や職安法の一部も改正されていて、部分的には今年10月から施行されています。


[関連記事]
#キャリアコンサルタントという資格の現状
「キャリアコンサルタント」という資格について質問を頂いたので、少し調べてみました。質問のきっかけは、キャリアコンサルタントの国家資格化を盛り込んだ『勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律』が9月11日に成立し9月18日に公布された


#キャリアコンサルタントが国家資格になる。2016年4月から
来年4月にキャリアコンサルタントという国家資格が新設されます。ポイントは以下の3点。1.「キャリアコンサルタント」は名称独占資格になります。2.5年ごとに更新される登録型の免許制になります。 3.2016年3月末までに標準レベルキャリア・




文=田中 剛 Amusement Japan前編集長
キャリアコンサルタント/FP技能士2級

2015年11月25日水曜日

#勘に頼らずに科学的な根拠で決断を下す

少し前にダイヤモンドオンラインで「トヨタと日産、強さの秘密は社員の“ある特性”」という記事を見ました。

これは非常に興味深い内容でした。

ハーバードビジネススクールのフォレスト・ラインハート教授は、トヨタと日産の社員へのインタビューを通じて、「社員は勘や感覚で物事を判断しない傾向がある」と感じ、こうした企業文化が強さの源泉になっていると推測しています。

「とても印象的だったのが、社員が皆、非常に“分析的”であったということです。何を質問しても、客観的な事実やデータに基づいて話をしてくれました。勘に頼らずに科学的な根拠で決断を下すように訓練されていること。それが日本の自動車メーカーが成功している秘訣ではないかと思います」

両社は、市場(消費者)の分析も製造プロセスの分析も、みっちりやってる感ありますからね。そういうデータを活用するよう、社員はトレーニングしているのかもしれません。もしくは、そういう社員しか要職に上がれないのかもしれません。

さて、アミューズメント業界はどうでしょう?

「娯楽業と製造業は違う」という意見もあるでしょう。しかし、そんなに違いはないかもしれません。

「高性能なものを作れば売れた」という時代はとうに終わっています。いまやモノづくりは、どれたけユーザーの「心」を満たすことができるか?がテーマです。「旅行を一回我慢して、新たに買うクルマのグレードを上げる」というように、製造業とレジャーの競合は起こってます。

視野を広げれば、レジャー業界の周辺には、世界と戦っている強豪がうようよいるんですよね。

〔参照〕
http://diamond.jp/articles/-/81518?display=b

2015年11月6日金曜日

#ヒントは現場にある


リーダーシップ コンサルティング代表の岩田松雄さん(元スターバックスコーヒージャパン代表取締役最高経営責任者)にお話を伺いました。

正確に言えば、自分はカメラマンとして同席したのですが。

印象的だったのは、
「大抵の経営者は素晴らしいミッションを持っている。それが現場に浸透していないことが問題。明文化し浸透させ、それを体現している社員を評価することで会社は良くなる」
というお話。

もう一つ、印象深かったのは、低迷している会社・店舗を立て直さねばならないという状況でリーダーがすべきことのなかで触れられた、「低迷の原因も、その解決のヒントも現場(社内)にある」というお話。岩田さんが何を、どのように行ったのか、聞かせていただきました。

インタビュアーのあまりにも漠然とした質問に、根気強く、誠実に答えてくださいました。

#住宅ローンの返済期間はできるだけ長く?

WEBでたまたま見かけたあるFP(ファイナンシャル・プランナー)の提案に驚いた。

「繰上返済するな。借りるだけ借りて返済期間はできるだけ長くせよ。繰上返済したり月々の返済額を増やすお金の余裕があったら、資産運用に回すべき」というのです。
住宅ローンの借入期間を短くすれば総返済額は少なくなる。ただし、そこにお金を投じていては資産を増やすことはできない、というのがその先生の主張。

この考えに基づいて、頭金300万円からのマイホーム購入をサポートしているそうです。
ずいぶんと刺激的です。正直なところ、「バカなこと言ってんじゃないよ(笑)」というのが第一印象。

たしかに、考えようによっては住宅ローンの借入金利というのは非常に低い。けれど、普通の個人にとっては額が大きいし返済期間が長いので、結果的に払わなければならない金利が大きくなる。ざっくりいうと、3000万円借りて総返済額は4000万円といった感じ。

先生の理屈は、例えば月10万円返済できるなら、7.3万円を返済に、2.7万円を資産運用に充てる。この月々2.7万円を積み立てていき複利で運用すると、30年後にはすごい額になって、返済金利の分を上回る。よって資産は増えていますよ、と。繰上返済して総返済額を減らすより増えるんですよ、と。

具体例を示しましょう。
= = = = = = = = = = = =
2000万円を固定金利1.835%で借りるとします。
【プランA返済期間30年・元利均等払いで毎月の返済額は7.3万円、総返済額は2,603万円。
【プランB返済期間20年・元利均等払いで毎月の返済額は10万円、総返済額は2,391万円。
= = = = = = = = = = = =

もしも毎月10万円を返済できるのであれば、それで10万円の返済をしないで、返済期間が長く毎月の返済額が少ないプランAを選べ。そして差額の2.7万円を積み立てて運用して資産を増やせ、ということ。

馬鹿馬鹿しいと思いながら、計算してみました。すると、改めて「複利」のパワーに驚きました。「ローン返済額は少なめにして、早いうちから運用を始める」というのは、理屈の上ではアリかもしれません。そういう視点があることを知っておくのはいい。

しかし…。これには大きなハードルがあります。先生はコラムの中で、「借入金利が1.7%であっても、月々の返済額を抑えて、余力のお金を年利3%で複利運用すれば〜と」と書いています。そう、30年にもわたるローン返済期間中、借入金利を上回る金利で運用し積み立てし続けるということが前提。

「頭金は300万円しかないけどマイホームがほしい」という方に、これから30年間にわたって毎月(もしくは毎年)一定額の積み立てを続け、リスクをとって年利3%の複利運用をしなさい、と。

上記のプランAの場合、30年間に支払う金利は約600万円ですが、毎年32.4万円(毎月2.7万円の12カ月分)の積立を年利2%の複利運用ができると30年後の運用益が約600万円になります。毎月2.7万円の積立なら1.92%の複利運用でほぼ同等の運用益を出せます。つまり、年利2%より高いパフォーマンスで運用できれば、「住宅ローンはのんびり返せ」のほうが、30年後の資産額は大きくなるということです。

「無理言ってんじゃねーよ」
って気もしますが、
自信がある方は、どうぞ(笑)。

〔参考〕こつこつ積み立てて複利運用するとどうなるか計算してみました。
[KEY/マネー、ライププラン、住宅購入

2015年11月3日火曜日

#接客で重要なのはスピード感!

少し前に、あるパチンコホール企業の方から、相談が寄せられました。
社内研修の一環で「接客の向上は必要か不要か」をテーマに、ディベート大会」が行われることになっていて、その方は肯定側(接客向上は必要)チームで、論理構成をするために助言がほしいというのです。

その会社のホールスタッフのレベルは業界の平均的な水準を超えています。そんなこともあり、「これ以上の接客レベルの向上は必要」という肯定側は、このディベートにおいては不利な状況だというのです。

社内ディベート大会、とてもユニークな取り組みだと感心しつつ、思いついたいくつかのデータをお送りするとともに、ハーズバーグの「動機づけ要因-衛生要因理論」もご紹介させていただきました。

ディベートがどんな結果になったのかは、守秘義務の関係上、ここには書きません(笑)。

さて、「パチンコ・パチスロファンの接客に対する意識」を調査したデータには、こんなものもあります。以前、アミューズメントジャパンで記事にするために実施したもので、調査は18歳~59歳の男性パチンコ・パチスロプレイヤー104人にから回答を得たものです。

記事を探すのは手間だったので、 元の調査データから、ささっと集計しなおしました。

結論めいたことを先に書きますと、以下の通りです。

「接客態度がいい」とは何か?
それは、
スピードがあり、礼儀正しく&丁寧であること。


[実施概要]マクロミルのインターネット・アンケートモニターからパチンコ・パチスロプレイヤーを抽出し、パチンコのみプレイヤー50人、パチスロのみプレイヤー20人、PS両方プレイヤー30人を割り付けて2011年1月に調査を実施。有効回答数それぞれ52人、21人、31人。

この調査では、「パチンコホール・スタッフの接客態度・サービスとして、あなたが望むものを3つまでお選びください」という質問をしています。提示した選択肢は下記の12。

1 元気である
2 そっとしておいてくれる
3 楽しそうに働いている
4 一生懸命働いている
5 会話や雑談に応じてくれる
6 礼儀正しく丁寧である
7 正確である
8 気さくな感じでフレンドリー
9 ホテルのような高級感がある
10 スピード感がある
11 その他
12 とくにない

これに続いて、「あなたはホールスタッフとコミュニケーション(会話など)を取りたいですか?」と尋ね、「とりたい~その時々~とりたくない」の5段階スケールから回答してしもらいました。

コミュニケーションの意向に対する回答者の割合は以下の通り。
◇「とりたい」+「どちらかというと~」……21.1%
◇「その時々」………………………………45.2%
◇「とりたくない」+「どちらかというと~」……33.6%

各グループの意向の違いをレーダーチャートで表してみます〔下図〕。


この2つの質問をクロスさせ、上記それぞれのグループが、ホールのスタッフに対してどのような接客態度・サービスを望んでいるのかを分析してみました。

すると、下記の項目が上位になりました。

「コミュニケーションをとりたい」+「どちらかというと~」グループが望む接客態度は、
(1)元気である
(2)礼儀正しく丁寧である
(3)スピード感がある

「その時々」グループが望む接客態度は、
(1)礼儀正しく丁寧である
(2)スピード感がある
(3)一生懸命働いている

「コミュニケーションをとりたくない」+「どちらかというと~」グループが望む接客態度は、
(1)スピード感がある   
(2)礼儀正しく丁寧である   
(3)一生懸命働いている

いずれのグループも共通して「礼儀正しさ」「スピード感」を求める割合が高い。
一方で、「ホテルのような高級感」や「気さくな感じでフレンドリー」はほとんど求めていない。
コミュニケーション意向のあるプレイヤーにおいても、「気さくな感じでフレンドリー」「会話や雑談に応じてくれる」の回答率は低く、「そっとしておいてくれる」の回答率のほうが高い。

これらのことから考えるべきは、プレイヤーの考えている「コミュニケーション」とは何かということ。

コミュニケーションとは、意思疎通のことです。来店客が求めているのは、「自分の意志を伝えたい、自分の意志を受け止めてもらいたい」ということなのではないか。そうだとしたら、その要望に応えるには、積極的なお店都合の声掛けよりも、お客の<意思を伝えたいというそぶり>に気づく力を向上させることが重要だと言えそうです。

文=田中 剛(アミューズメントジャパン元編集長)

2015年11月1日日曜日

#時間やお金の行き先

ハーバード・ビジネススクールのクリステンセン教授は、「あなたが望みどおりの人生を送れるか、意図したものとはかけ離れた人生を送るかは、自分の資源をどのように配分するかによってきまる」といいます。

そして、ハーバード・ビジネススクールの、一部の同級生のその後の人生について、こんなことを書いています。

「同級生たちは昇進や昇給、ボーナスなどの見返りがいますぐ得られるものを優先し、長い間手をかける必要があるもの、何十年も経たないと見返りが得られないものをおろそかにした」

「知らず知らずのうちに中身のない不幸な人生を築いていった同級生たちは、資源を配分する方法が間違っていたからこそ、苦境に陥ったのだと思わざるをえない」

資源とは我々が持つ、時間、労力、能力、財力のこと。

だから、自分が心から実行したいと考えている人生の戦略を、実際に実行しているかどうかを確かめるには、これら「資源」が何に費やされているかに目を配る必要があります。

我々は、はっきりと目に見える成果がすぐに得られるような活動に、自分の資源を注ぎ込んでしまいがちですから。

2015年10月22日木曜日

#アナタはなぜチェックリストを使わないのか?

外科医のアトゥール・ガワンデ氏は世界金融危機の後、3人の「バリュー投資家」から話を聞いた。3人ともウォーレン・バフェットを信仰し、丹念に下調べして株価が割安な企業を探しだし、長期的に投資するというスタイル。3人の共通点は、成功を収めていることと、“チェックリスト”を使っているということ。

儲かりそうな投資先が見つかると、いくら冷静でいようとしても脳が飛びついてしまう。誘惑に負けて細部の確認を怠らないよう、“頭の中”だけでなく、実物のチェックリストを使っている。そう、彼らは言う。

ガワンデ医師が投資家たちの話を聞いて驚いたことの一つは、ファイナンスの世界でチェックリストの普及が遅いこと。

<投資家たちは常に周りを出し抜こうとしている。誰かが成功したと聞けば、ハイエナのように群がり、成功の秘訣を聞き出そうとする。少しでも儲かりそうなネタにはあっという間にみんなが飛びつく。だが、なぜかチェックリストだけはそうならない>

3人の投資家の一人、世界でも有数のファンドのディレクターに、「人々はあなたのやり方に興味を示さなかったのか」とガワンデ医師は尋ねた。

彼はこう答えた。
「何を買っているのか、どうやって投資先を選んでいるのか、は熱心に聞いてくる。だが、『チェックリスト』という言葉を発した途端、みんなどこなへ行ってしまう」

彼が言うには、中にはチェックリストについて聞いてきた者もいたが、実際に試してみた者は一人もいないそうだ。

ガワンデ医師は、WHO(世界保健機構)の「手術の安全性を安価に・大幅に・測定可能な形で低減させる」ためのプロジェクトに招聘され、チェックリストの開発と世界中の医療機関への導入に携わってきた。航空業界や建設業界のようにチェックリストが徹底して使われている業界もあれば、ほとんど使われていない業界もあるが、医療業界は後者に属していた。

プロフェッショナルの人々の間にチェックリストがなかなか普及しない原因は、面倒臭いという理由だけではないようだと、ガワンデ医師は考えている。

<私たちは、チェックリストを使うのは恥ずかしいことだと心の奥底で思っているのだ。本当に優秀な人はマニュアルやチェックリストなんて使わない、複雑で危険な状況も度胸と工夫で乗り切ってしまう、と思い込んでいるのだ。『優秀』という概念自体を変えていく必要があるのかもしれない。>

~『アナタはなぜチェックリストを使わないのか?』(著=アトゥール・ガワンデ)

2015年10月15日木曜日

#値下げしたのにまだまだ高いと思われているパチンコ

パチンコ・パチスロを長年やっている方なら、ご自身の体験に基づいて、「昔よりもお金がかかるようになったな」「勝ちにくくなったな」と思っていることでしょう。

では、そのような実体験のないノンユーザーはどう思っているのか。

自身は体験していない。もちろん、DK-SISなんて見てません。業界誌も読んでません。

にも関わらず、「お金がかかる」というイメージを強くしているようです。

何を根拠にこんなことを言っているのかというと、AJでは、PSプレイヤーの方々に、「遊技を始める前に(=まだノンユーザーの時点で)パチンコ・パチスロに抱いていたイメージ」を尋ねました。約20の項目を提示して複数回答してもらい、その結果を、遊技開始時期(何年前に始めたか)でクロス集計しました。

すると、近年始めた人ほど、「お金がかかる」との回答率が高かったのです。

いま大学生がパチンコをやっていると、ノンユーザーの同級生からは、「セレブ(笑)」と言われるそうです。“カッコ笑い” が付いているところ、重要ですね。

なるほどと思う反面、少し意外でした。こんなに低貸し営業が広まっているのに、「安く遊べる」というイメージは形成されていない様子。

1玉4円で貸していたものを1円にすれば、たしかに提供価格は4分の1。

しかし、遊技を通じて、また、PSプレイヤーであることを通じて得られる価値が、4分の1よりも低下しているということでしょう。

念のため書き添えますが、ここでいう“得られる価値” とは、単純に“賞品” を指しているわけではありません。

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しかし、マクドナルドって、安いですね。驚異的です。コーヒーとソーセージマフィンで200円! で、立ち食いじゃないんですから。


2015年10月14日水曜日

#不満が解消されても満足は高まらない

ハーズバーグの動機付け要因と衛生要因(二要因説)と呼ばれる理論があります。

臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグが提唱した、仕事における満足と不満足を引き起こす要因に関する理論で、「人間が仕事に満足感を感じる要因と不満足を感じる要因は全く別物」という考え方。

不満要因を取り除いていけば、不満は減る。しかし、満足感につながるというわけではない。あくまでも、不満足感を減少させるだけ。こういう要因を「衛生要因」と名付けました。

例えば、「会社の方針」。これは不満の要因になる割合が約35%に対して、満足の要因になる割合はわずかに3%。

逆に、「達成」の体験は、満足の要因になる割合が高く、不満の要因になる割合は低い。つまり、満たされれば満足につながるが、満たされないと不満になるわけではない。

“満足感を感じる要因(動機付け要因)と不満足を感じる要因(衛生要因)は別物” ということは、職場以外の場所、場面にも当てはまるのではないか?

店舗営業において、お客様のある種の「不満要因」を取り除けば不満は減る。しかしそれで、満足が増えるとは限らない。そういう、衛生要因的なものがあるはず。

もしかしたら、「清潔さ」がこれに該当するかもしれません。汚ければ不満につながる。綺麗にしていけば不満は減るけれど、満足が高まる(店舗選択の強い動機になる)わけではない。

これは、「満足度向上への影響度が大きい要因は何か?」「不満度向上への影響度が大きい要因は何か?」の両方を調べて、重回帰分析をすればわかるのではないか。

きっと、「評価が低いと不満足につながりやすいが、評価が高くても満足にはあまりつながらない」という項目があるはずです。

#人は、製品・サービスそのものを買っているわけではない。

クリステンセン教授は、こんなことを言っています。

“成功している製品やサービスは、片付けるべき用事をもとに構築されている。どんなに興味をそそっても、片付けるべき用事と結びつかなければ成功するのは難しい。”

製品・サービスを購入する直接の動機となるのは、「自分の“用事”を片づけたい、そのためにその製品・サービスを雇いたい」という思いだということです。

我々は、製品・サービスそのものを求めているわけではなくて“用事”を片付けるための手段を求めているのだ、ということです。

“用事”とは、解消されることを望んでいる何らかの問題であったり、何かが欠けているという欠乏感と同義のように思います。すなわち、コトラーが定義した“ニーズ”。

2015年10月7日水曜日

#住宅ローン残高の1%分、税金を減らしてもらえます。が、

住宅ローン控除制度ってありますよね、年末の融資残高に応じて、所得税額から一定額が控除される制度。要するに支払う税金が少し減るのです。

なんとなく、「住宅ローン残高の1%分、所得税が減る」ってことが頭の片隅にあると思います。

先日、会社に置きっぱなしだった確定申告の書類を眺めていて、「あれ?」と気になり、調べてみました。

昔のことなんですっかり忘れていましたが、住宅購入の時期によっては、控除期間を10年間か15年間か選べたんですね。しかも、全期間「1%」というわけでもなかった。

ですが、ここ数年の住宅購入の場合は、「10年間 1%」です。

仮に今年ローンを組んで住宅を購入し、年末のローン残高が3000万円だったら、30万円が税金から控除されます。けっこう、大きいですね。
で、仮に、来年の年末にローン残高が2880万円だったら、28.8万円の控除。という具合に10年間、控除されます。

「たくさん控除された方が得(払う税金が少なくなる)だよね。
年末残高が多いとたくさん控除されるよね。
それなら、慌てて繰上返済しない方がいいんじゃない?(年末残高が減ってしまうから)」

こんなふうに考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、トータルで支払うお金を少なくしたいなら、可能な限り早い時期に繰上返済して、ローン残高を減らす方が賢明です。

借金(住宅ローン)には金利がかかりますからね。

それに、繰り上げ返済の効果は、早ければ早いほど大きいですから!


2015年10月4日日曜日

#キャリアコンサルタントが国家資格になる。2016年4月から

来年4月にキャリアコンサルタントという国家資格が新設されます。

ポイントは以下の3点。
1.「キャリアコンサルタント」は名称独占資格になります。
2.5年ごとに更新される登録型の免許制になります
3.2016年3月末までに標準レベルキャリア・コンサルタントの試験に合格している人は、キャリアコンサルタント国家試験の合格者として取り扱われます。


それぞれ何を意味するのか、考えてみました。

まず、(1)ですが、業務独占資格ではないので、資格がなくてもキャリアコンサルティング/キャリアアドバイザー/キャリアカウンセラー等の仕事をすることはできます。しかし、「名称独占資格」ですので、「キャリアコンサルタント」を名乗れるのは当該国家資格の保有者のみとなります。

名称独占資格は、類似するまぎらわしい名称の使用を禁じています。キャリアアドバイザー、キャリアカウンセラー、キャリアコーディネーター、キャリアプランナーなどが、「紛らわしい名称」とみなされるのかどうか、現時点ではわかりません。もしも、これらが「類似するから使ってはならない」とされると、人材紹介会社などは大きな痛手となるでしょう。どこまでが「紛らわしい名称」となるか、これは注目したいところです。

次に(2)ですが、一定の継続学習が課せられることになるでしょうから、多少はコンサルタントの「品質維持」の効果が見込めるでしょう。一方で、「キャリアコンサルタント」を名乗りつづけるには維持費用がかかることになります。

(3)は、すでにこの資格のホルダーの方には朗報です。それよりなにより、現在、厚生労働省からキャリア・コンサルタント能力評価試験として指定されている試験を実施している10機関にとっても朗報です。きっと受検者が増えるでしょうから、資格ビジネスにとってはこれ以上ない追い風です。しかし、「国家資格を取ってしまえば民間団体の資格は不要」と考える人も出てくるでしょう。そうなると、既存の民間団体は会費や更新手数料といった収入源を失うので、死活問題です。
各団体は、国家資格保有者となったキャリアコンサルタントたちに、「民間の団体(自分の出身団体)の資格も継続する」と思ってもらえる、価値を感じてもらえるような施策を打ち出してくるでしょう。


さて、キャリアコンサルタント系の職業はすでにあるのに、なぜ、わざわざ国家資格を新設し名称独占資格としたのか?
ひとことでいえば、キャリアコンサルタントの活用を促進するためです。

民間資格である「標準レベルキャリア・コンサルタント」の保有者は全国に39,851人(平成26年3月現在:キャリア・コンサルティング協議会調べ)います。この資格を保有していなくても、キャリアコンサルタントとして活躍している方が大勢います。〔参考〕http://new.career-cc.org/library/download/hyoujun20140331.pdf
一方で、「標準レベルキャリア・コンサルタント」を保有していながら、キャリアコンサルタントの仕事をしていない、もしくは仕事に結びついていない方も大勢います。

このことを考えると、供給が足りないというよりも、(潜在的な需要はあるけれど)顕在的な需要が少ないのだと思います。
国としては、雇用の流動化、人材の再配置を進める中で、企業や労働者に、キャリアコンサルタントを活用してほしい。しかしながら、活用が進まない。
活用が進まない原因を、厚労省は、現状は玉石混合であまり信頼されてないからだと考えました。だから、キャリアコンサルタントの質を担保する必要があるだろうと、国家資格化しようということになったわけです。
これは原因の半分にすぎないと思います。もう半分の原因は、「キャリアについてカウンセリングを受ける」という選択肢があることを知らない、思いつかないということにあると思います。経営者も、従業員に「キャリアについてのカウンセリングを受けさせる」なんてことは思いつかないでしょう。要するに、存在がマイナー。

キャリアコンサルタントの国家資格化を盛り込んだ「勤労青少年福祉法等の一 部を改正する法律」が平成27年9月11日に成立し、9月18日に公布されたことを知っている人は少ないでしょう。検索しても大手メディアでこのニュースを見つけることはできません。
大国家プロジェクトである「マイナンバー制」ですら認知が全然進まないのですから、キャリアコンサルタントの知名度が一気に高まる可能性は低いように思います。とても残念なことだと思います。




【補足】以下は、背景をもっと知りたい方だけ読んでください。

平成26年度規制影響分析書(RIA)http://www.mhlw.go.jp/wp/seisaku/ria/26/ というページに、「勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律案(青少年の雇用の促進等に関する法律)」に関連して、下記の9つの政策(主として規制)について、規制の内容・目的、効果、検討すべきこと等が報告されています。

○ 公共職業安定所における労働関係の法律の規定に違反する求人者からの求人不受理
○ 若者の職業の選択に資する情報の提供
○ 基準に適合する事業主の認定
○ 中小事業主団体が労働者の募集に従事する場合の職業安定法の特例
○ 報告の徴収並びに助言、指導及び勧告
○ キャリアコンサルタント試験の創設及び試験事務を担うための登録法人制度の創設
○ キャリアコンサルタントの登録制度の創設及び登録事務を担うための指定法人制度の創設
○ 有資格者に対する守秘義務等の義務付け
キャリアコンサルタントの名称独占化 http://www.mhlw.go.jp/wp/seisaku/ria/26/dl/ria26_270311_09_01.pdf

これを読むと、「キャリアコンサルタントの名称独占化」の背景について、次のように説明があります。
“現状においては、キャリアコンサルティングの専門性を有することを示す国家資格は存在していないことから、知識・技能に関わらず「キャリアコンサルタント」と称することが可能になっており、キャリアコンサルタントの資質等が担保されず信頼が高まらないためにキャリアコンサルタントの活用が進まず、労働者の適職選択や適切な職業能力開発機会の確保の観点から逸失利益が生じているものと考えられます。”

そして、規制の目的はこうです。
“労働者や事業主がキャリアコンサルタントを活用したい場合に、キャリアコンサルティングに関する専門的な知識・技能を有した者が明確でなければ社会的な混乱を招くおそれがあり、当該混乱を避けるために必要最小限度の規制として、キャリアコンサルタントでない者は、キャリアコンサルタント又はこれに紛らわしい名称を使用してはならないこととします。また、キャリアコンサルタントでない者がキャリアコンサルタント又はこれに紛らわしい名称を使用した場合には、罰則を適用します。”

[関連記事]
#キャリアコンサルタントという資格の現状
「キャリアコンサルタント」という資格について質問を頂いたので、少し調べてみました。質問のきっかけは、キャリアコンサルタントの国家資格化を盛り込んだ『勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律』が9月11日に成立し9月18日に公布された

#能力開発は労働者の自己責任
 職業能力開発促進法という法律があります。その一部が今年9月に改正されました。施行は来年(2016年)4月1日。まず、この法律の基本理念が改正されました。改正された理念はこうです。


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[KEY]国家検定/国家資格/技能検定/キャリア コンサルティング技能士/キャリア コンサルタント/キャリア カウンセラー/養成講座

#キャリアコンサルタントという資格の現状

キャリアコンサルタント」という資格について質問を頂いたので、少し調べてみました。

質問のきっかけは、キャリアコンサルタントの国家資格化を盛り込んだ『勤労青少年福祉法等の一部を改正する法律』が9月11日に成立し9月18日に公布されたからです。
来年4月から「キャリアコンサルタント」という新たな国家資格が生まれます。つまり、現在は「キャリアコンサルタント」という国家資格・技能検定はないのです。




国家資格とは、国の法律に基づいて、個人の能力、知識を判定し、特定の職業を営む資格を与えるものです。

国家資格は、法律で設けられている規制の種類により、次のように分類できます。
(A)業務独占資格:弁護士、公認会計士、司法書士のように、有資格者以外が携わることを禁じられている業務を独占的に行うことができる資格。
(B)名称独占資格:栄養士、保育士など、有資格者以外はその名称を名乗ることを認められていない資格。
(C)設置義務資格:特定の事業を行う際に法律で設置が義務づけられている資格。
(D)技能検定:業務知識や技能などを評価するもの。
〔参照〕http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shougai/014/shiryo/07012608/003.htm



Webでいろいろ調べてみましたが、ちゃんと説明されていることが少ないのが、(D)技能検定です。

上記(D)の技能検定を、厚生労働省は、「労働者の有する技能を一定の基準によって検定し、これを公証する国家検定制度」と説明しています。根拠法令は、職業能力開発促進法。労働技能の認定は厚生労働省が所管します。技能検定に合格した人に「技能士」の名称が与えられます。

都道府県職業能力開発協会が実施する職種は113職種、国が指定した民間の試験機関が実施する職種は15職種。※国は実施しません。
この中に、ファイナンシャル・プランニング技能士やキャリア・コンサルティング技能士などがあります。資格として有名な「日商簿記」は公的資格であり、国家資格ではありません。


さて、「キャリアコンサルタント」についてですが、現在はそういう名称の国家資格はありません。内容的に該当するのは、上記の国家検定の中にある「キャリア・コンサルティング技能士」です。

国家検定ではない、民間資格では多数のキャリアコンサルタント系の資格(類似名称を含む)がありますが、それらはの中には、国家検定ではないけれどこれに準じる扱いのものがあります。どういうことかというと、(大多数の人にとっては)その民間資格を保有していないと、国家検定を受検できないというものがあるのです。

具体的には、国家検定である「キャリア・コンサルティング技能士」の試験を受けるには、民間資格である「標準レベルのキャリア・コンサルタント」を保有していなければならないのです。「標準レベルのキャリア・コンサルタント」は民間資格ですが、その養成モデルカリキュラム(内容や学習時間)は厚生労働省が示した内容に基づいているのです。

厚生労働省は、「標準レベルのキャリア・コンサルタント」を次のように説明しています。
“「標準レベルのキャリア・コンサルタント」になるためには、一定の要件を満たすキャリア・コンサルタント養成講座(厚生労働省で示した養成モデルカリキュラム(140時間)に準拠したもの)を受講する等して、キャリア・コンサルタント能力評価試験に合格すること等が必要です。”
例えば、特定非営利活動法人キャリアカウンセリング協会が開設している講座は全12回で、このほかに指定のホームワークがあり、カリキュラムの総時間は140時間になります。当然ですが、その時間だけで試験に合格できるはずはないので、もっと多くの時間を学習に投じます。

厚生労働省がキャリア・コンサルタント能力評価試験として指定している試験の一覧はこちら です。現在はちょうど10機関が実施しています。つまり、この機関(会社、財団法人、特非など)が開設している講座を受け試験に合格すると、キャリアコンサルタント系民間資格を得ると同時に、国家検定の受検資格を得ることができるのです。

「団体が10もあるなら、どれを選んだらいいんだ?」と思うかもしれませんが、上記の理由により、各団体のカリキュラム自体には大きな違いがないと考えられます。※養成カリキュラムは厚生労働省が示しているし、国家検定「キャリア・コンサルティング技能士」の受検が視野に入っているから。

選ぶ際には、通いやすい場所か、代替授業が受けやすいか(都合で欠席せざるを得ない場合)で決めしてまっていいと思います。


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#能力開発は労働者の自己責任
 職業能力開発促進法という法律があります。その一部が今年9月に改正されました。施行は来年(2016年)4月1日。まず、この法律の基本理念が改正されました。改正された理念はこうです。

#キャリアコンサルタントが国家資格になる。2016年4月から
来年4月にキャリアコンサルタントという国家資格が新設されます。ポイントは以下の3点。1.「キャリアコンサルタント」は名称独占資格になります。2.5年ごとに更新される登録型の免許制になります。 3.2016年3月末までに標準レベルキャリア・・・


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[KEY]国家検定/国家資格/技能検定/キャリア コンサルティング技能士/キャリア コンサルタント/キャリア カウンセラー/養成講座

2015年10月3日土曜日

#時間を記録すると密度が濃くなります

年に何度か仕事の時間を計測してます。
仕事の種類を分類して、例えば直接的に自分がアウトプットを作る作業、部下のアウトプットを「監修」する作業、特定のアウトプットのためでない全社的な間接作業等々に分類し、どれにどれだけの時間を投じたかを記録してます。

メリット1:時間配分を客観的に自覚できる。=偏りを自覚できる。
メリット2:自分はいま何をやっているのか強く意識するようになる。=目の前の仕事に集中できる。

こうして見ていると、目先の作業に追われず、まずまず先の仕事に着手できてます(自画自賛)。

というわけで、オススメです。

なお、これはFathmというアプリです。

[関連エントリー]
やってるつもりに陥らない工夫
ある分野のインプットに投じた時間を記録してますが、可視化すると「やってない」ということもよくわかります。...


そのToDoの所要時間、意識してますか?
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何にどれだけの時間を使っているか
春ごろのことなんですが、久々に「使ってみたいなー!」と思う時間計測アプリを見つけてしまったので、しばらく使ってました(このアプリのことは書いてませんでしたね)。...

2015年9月27日日曜日

#日本では「ひたむきさ」が過大に評価されている?

ローランド・ベルガー創業者のインタビュー記事(日経ビジネスONLINE)を読んだ。
日本を知る外国人経営者やアナリストは口を揃えて同じことを言う。いま取材申込中の外国人経営者の方も、どこかのメディアの取材の中で「日本は経済大国といっても、一人当たりの生産性は低い」と言っていた。

欧米と比較したら、実際のところ日本企業には、まだまだ滅私奉公的な働き方を讃えることカルチャーが色濃く残っているのでしょうね。


以下、ベルガー会長の発言抜粋です。
“統計データが正しければ、日本の労働1時間当たりGDP(国内総生産)について、米国を100としたら、62.5にしかならない。”


“日本人が自問すべきなのは、この国では仕事に対する「ひたむきさ」が、やや過大に評価されているのではないか? ということです。”

“日本には長い間、会社に長時間いて働くのがカッコイイと見なすようなムードというか、その方が正しいと言うような社会的な慣習があったのでしょう。”

世代間で仕事観、価値観に違いがある。経営者がそのことを理解し、意識を変えないとどうなるのか?

ベルガー会長は、結局のところ、「有能なハイパフォーマーを雇うことができない」と言います。

【日経ビジネスONLINE】
キーパーソンに聞く


2015年9月26日土曜日

#回復力、打たれ強さ、適応力

ちょっと興味を持った「レジリエンス」についての本を読み始めました。


以前、セミナーを聞いたときにも思いましたが、これは論理療法(Rational Emotive Behavior Therapy)をベースにしているように思います。
使っている言葉は違えども、意味はほぼ同じ。「役に立たない思い込み」とは、論理療法でいう「イラショナル・ビリーフ」。

提唱しているメソッドは、他にも先人の研究に基づいたものが取り入れられているので、信頼感があるように思います(根拠が説明されてないものもあるが)。

「レジリエンス・トレーニング」というのは、そういった先人の研究を、わかりやすい言葉に置き換え、自分で実践できるよう簡易化して提示しているのでしょう、きっと。

とはいえ、(まだ読み始めたばかりですが)おそらくは、言うは易し行うは難しということもあるのだろうと思います。


アルバート・エリスが提唱した論理療法は、その名の通りに論理的に、“自分の情緒を混乱させている非論理的な思い込み” を見つけて論駁していくもの。
「自分が強くこだわっている考えは、現実的で事実に基づいているか?」「自分が強くこだわっている考えは、論理的か?」と自問していきます。
よって、論理的に考えることが苦手な人は、自分一人で実践するのは難しいのでは。この点は「レジリエンス・トレーニング」にも言えることだと思います。


また、レジリエンスを高める技術の一つに「自己効力感を高める」が挙げられていますが、これはある意味で当然のことです。自己効力感self-efficacy)とは、心理学者のアルバート・バンデューラが提唱した概念で、彼は「障害に面したときの粘り強さなど様々な行動に影響を及ぼす」と説明しましたので。
バンデューラによると、自己効力感の源泉で最も強いものは「達成体験」。人から「あなたならできる」と言われるよりもなによりも、小さくても良いから成功の実体験をする必要があるのです。
自己効力感が低い人が、第一歩を踏み出し、(小さくてもよいから)成功体験を積むには、周囲のサポートも必要ではないかと思います。


読み始めたばかりでこんなことを書いていますが、そろそろ読書に戻ります。先を読み進めるのが楽しみです。

p.s.
どうでもよいことですが、エリスもバンデューラも、「アルバート」なんですよね。

2015年9月23日水曜日

#贈与には年間110万円の基礎控除がある

節税方法っていろいろあるもんなんですね。これじゃあ格差が広がるわけです。

たまたまネットで見かけた記事が気になったので調べてみたら、保有している金塊(インゴット)を、相続や贈与のために小分加工してくれるサービス(というか商売)があるんですね。たいていは100グラムのバー(約50万円)にするようです。

贈与には年間110万円の基礎控除があるので、毎年2本を非課税で子どもに渡すことができます。1キロの金を贈与するのに5年もかかるわけですが、税金の支払いを避けることができます。

では一度に1キロ(500万円)を贈与するとどうなるかというと、受贈者が成人の場合(特例贈与財産)、基礎控除の110万円を引いた390万円に対して税率15%、控除額10万円。つまり、贈与税は48万5000円。納税額、ばかになりませんよね。「避けられるものなら避けたい」って考えるのが人ですよね。
〔参考〕https://www.nta.go.jp/taxanswer/zoyo/4408.htm

ただし、その記事には書いてありませんでしたが、毎年コツコツと計画的に贈与するというのは、「連年贈与」とみなされて基礎控除額を利用できない場合もあるようですので、実際には、ちょっとした手間をかける必要がありそうです。


中には、「そんな面倒なことしないで、ホイって渡しちゃえばいいじゃないか」と思う方もいるかもしれませんが(いない?)、その金塊を現金化するとき(売却時)にやっかいなことになります。



ちなにみ、金を売却した場合、得たお金は所得税の対象となります(譲渡所得)。正確には、「売却価額-取得原価-特別控除額」の額が、そのほかの所得と合算されて、所得税の計算の対象となります。つまり、売って得たお金がまるまる所得税の対象になるわけじゃなくて、手に入れるのに要した額との差益がどれだけあるか。この差益が小さければ非課税になります。

問題は、「手に入れるのに要した額」が分からない場合や明らかにできない場合。そういう場合、取得費用は、「売却価額の5%」とみなすルールがあります。
ずいぶんと安く手に入れたことにするものですね。このルールに従うとどうなるかというと、計算上、売却によって得た差益が大きくなります。
1キロの金塊が475万円で売れた場合、取得価額は23万7500円とみなされますから、特別控除後の譲渡所得は401万2500円です。
譲渡所得が大きくなった結果、所得税が増えるというわけですね。

2015年9月15日火曜日

#すごく悔しい思いをしたのでメモしとく

新しいことを覚えられないのは、たしかに悔しい。しかしそれ以上に悔しいのが、ケアレスミス。試験の設問中の一文の見落とし、見誤り。知ってることを(すでに記憶していること)を活用できなかったとき。猛烈に悔しい! そういう思いをしたことを忘れないよう、これを書くわけです。

例えば、択一問題で「誤っているもの」を1つ選べという設問なのに、「適切」なものを選ぶようなミス。練習問題に取り組み始めた頃には、しばしばこういうミスをした(たいていは頭が疲れていた)。
実はこの手のミスは、学習が進めばほぼなくなります。なぜかというと、「誤っているもの」を1つ選べという4択の設問(=正しいものが3つある)で「適切」なものを探したら1つに絞り込めない。ですから、おかしいなと気づけます。

回答の単位を間違えるというのも、絶対にやっちゃいけないケアレスミスです。「円」で答えるべきなのに「万」の数字で答えるとか。小数点以下の扱い(どこで四捨五入or切り捨てするか)も同様ですね。

仕事で部下がこんなミスしたら、「ちゃんと読めよ!」「人の話、ちゃんと聞いとけよ!」と叱りますから、練習問題でこういうミスをする自分が情けなくなりました。知らないこと(まだ記憶してないこと)で失点するのは、ある意味、仕方がない。でも、練習問題をやっていて、こういうケアレスミスを連発したとき「オレはバカなんじゃないか?」と悔しくて身悶えしましたね。

 © タイトル:ブラックジャックによろしく 著作者名: 佐藤秀峰
早とちりも非常にもったいないですね。実際に自分がケアレスミスで失点したものに、以下のような問題がありました。
シャープレシオ(投資の効率性を示す指標の説明として、適切なものを選べという問題です。シャープレシオとは投資の効率性を示す指標で、リスクの度合い(=標準偏差)が異なるポートフォリオ間の比較をするときに用いられます。4つの選択肢のうち2つはすぐに「違う」と除外でき、残った2つ(下)は、どういう数値のときに投資効率がいいと判断できるか?という説明。
============================================
 (a)標準偏差の数値が大きいほど効率がいい
 (b)標準偏差の数値が小さいほど効率がいい
============================================

頭の中に「シャープレシオの数値は大きいようがいい」ってことがぱっと浮かんでしまい、(a)を選んでしまいました。不正解です!

悔しいです。
シャープレシオを求める式は、
============================================
(ポートフォリオの収益率ー無リスク資産の収益率)
÷ ポートフォリオの標準偏差
============================================
です。

ちゃんと覚えてました。標準偏差は分母です。シャープレシオの値が大きくなるのは、分母が小さいほう。当然ですよね。


知ってることも、ケアレスミスしたり、活用できないとテストで得点できません。それは仕事においても同じ。
知識を実生活で役立てないと、かなりもったいないですよね。
※知識コレクションという趣味を否定する意図は全くありません。

2015年9月14日月曜日

#転職経験者の8割以上が「話と違う!」を経験

先週、森永卓郎先生に「転職」をテーマにお話を伺ってきました。

森永先生、専売公社入社後にけっこう職場を変わってるんです。ただし、一貫していたのは、経済分析の仕事。その仕事を続けるために、民間シンクタンクに転職し、さらに別のシンクタンクに転職し...。
移った先ではトップ交代によって森永さんのいる部門の廃止の方針が下されたり、親会社の合併によって森永さんのいる会社の企業カルチャーもがらっと変わってしまったり...。

最近、「転職経験者に転職を振り返っていただく」という取材を立て続けに3本やってます。これ、続きそうです。

森永先生も含め、3人とも、多少は「思ってたこと違った!」という経験があるそうです。

ある人材サービス会社のアンケート調査によると、転職経験者の8割以上が、事前に説明されたことと入社後の実態に(ネガティブな)ギャップを感じた経験があるそうです。

そして、この「(ネガティブな)ギャップを感じた」という人の、実に75%が、そのことが再転職する(=その会社を辞める)ことにつながったそうです。

ちなみに、ボクが最近取材した3人の転職経験者の方は、この75%には入っていない少数派です。

2015年9月13日日曜日

#学習した日の就寝前の過ごし方と睡眠の質ってかなり重要だった

昼間、難しい問題に取り組んでいて、その場で解決の糸口が見えなかったことが、翌日には有効なアプローチが見えた。なんてこと、ありますよね。
頭が疲れすぎてもうろうとしている状態よりもフレッシュな状態の方が、考えが冴える。そういうこともありますが、実は、睡眠中の脳の働きにも関係があるそうです。

睡眠には、脳に蓄えた知識を整理整頓して使える状態にする役割があることがわかっています。知識の量が変わるのではなく、知識の質が変わる。

新たな知識のインプットをして(講義を受けたり)、その場ではいまひとつ理解できなかったことも、ある程度は、帰り道や帰宅後にあれこれ考え、寝ている間に整理されるようです。

そういうわけで、池谷裕二・東京大学大学院薬学系研究科准教授は、
就寝前の1~2時間というのは、記憶の質を高め、ひらめきを与える睡眠というバックアップ装置が付いた、きわめて学習効率が良い時間帯
だと言います。


これが、「良質な睡眠」が必要な理由です。
それは必ずしも長時間の睡眠を意味しません。

インプットした夜、どんな睡眠をとるか。
インプットしてから寝るまで、どう過ごすか。
それによって、インプットの成果(知識の整理、定着)はまったく異なるということ。


教わった知識を整理して、自分の仕事でつかえるように再構築して...という作業を脳にさせたいと、本気で思っているなら、インプットの後にお酒を飲んで“楽しい時間”を過ごすことは(残念ながら)効果的とはいえないみたいですね...。

写真著作者:Novafly

2015年9月10日木曜日

#何にどれだけの時間を使っているか

春ごろのことなんですが、久々に「使ってみたいなー!」と思う時間計測アプリを見つけてしまったので、しばらく使ってました(このアプリのことは書いてませんでしたね)。

「Fathm」というヤツですが、集計の表示のさせ方が何種類かあり、特に円グラフがイカしてます。内訳を表示できるのがいいです。




しかし、とにかく使いにくかった!(笑)
慣れるまで時間がかかった!

そんなとっつきにくいアプリでしたが、グラフ(使った時間の内訳)を見てみたい一心という、ちょっとアレな理由でなんとか使い方を理解したように思います。

時間がたったので、そろそろ測ってみようかと思ってますが、きっと使い方を忘れているでしょうね。

2015年9月8日火曜日

#メモは手書きしたほうがいい

会議の場などでPCでカチカチとキーをたたいてメモをとる人、いますね。
セミナー、勉強会でもPCでメモを取っている人を見かけます。
ごく簡単なメモならそれで用が済むんでしょうけど、何かを学ぼうというときにはお勧めできないです。

だいたい、人はそんなに合理的に理路整然としゃべりませんから、話が前後することもある。そういうとき、紙に手書きなら、隙間に書き込んだり、矢印をひっぱったりして、「この話はさっきの話から派生している」とか「この話はさっきの話の根拠を説明している」という関連を表現できる。

けど、時系列に一直線に文字を書き連ねるような、PCでのメモにはそういうことができない。

それに、ここからが重要。
人の話を聞きながら手書きでメモをとろうとすると、3つのことを同時にしないといけない。話を聞き、内容を理解し、短い文章にまとめる。
そんなふうに頭を使うから、記憶に残るんですよね。


日経ビジネスに掲載されているこの横山信弘氏のコラム(↓)に同感。

『どうして「パソコンでのメモ」を繰り返していると脳力が落ちるのか?』

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/258310/090400013/?P=1