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2017年1月2日月曜日

#40代後半から50代前半の懐は超キビシイ

第一子出生時の男性(男親)の年齢の平均は1995年には30歳でしたが、徐々に上がり、2010年時点では32歳です。1995年に生まれた子どもはこの春、四年生大学の4年生でしょうか。お父さんの平均年齢は52歳。社内でそれなりのポジションになっている年齢とはいえ、子どもが大学に入った年からは、家計はかなりキツかったはず。

子どもを大学に行かせる4年間の費用というのは、私立文系で675.9万円、私立理系で818.4万円もかかります。
特に初年度は、約100万円の「入学費用」がかかるため、「在学費用」と合わせて私立文系で249万円、私立理系で284万円もかかります。

これは「教育」にかかる費用であり、一人暮らしの場合の住居費、光熱費、食費などは含んでいません。一人暮らしの大学生に対する仕送りの金額の平均は およそ9万円/月だそうですから、親元を離れて大学に通う場合には上記のほかに4年間で平均432万円がかかります。初年度にはもちろん、引っ越し費用も掛かります。

40代後半から50代前半にかけて、こんなに多額の出費があるのです。

この教育費ねん出のために親が節約している支出のトップ(複数回答)は、「旅行・レジャー費」(67.8%)、次いで「外食費」(63.8%)、「衣類の購入費」(43.4%)の順。

*クリックで拡大


4円パチンコなんてできるワケがない!


現在の40代後半~50代前半というのは、団塊世代に次いで人口が多い世代です。その世代がちょうど、子どもの大学進学の時期にあたり、レジャーにお金を使えなくなっていたのです。もちろん、子どもの進学費に備えて、その前から節約を始めてきたことでしょう。

上記のような事情は、ホールの若い店長(やリッチな経営層)にはピンとこないかもしれません。しかし、まさにこういうジャスト・タイミングで、アミューズメント業界は1/399のMAX機メインの営業形態を突き進めてきたのですから、この世代のプレイヤーの多くが4円パチンコから離反するのも無理のないことでした。

同時期に低貸営業も広まりましたが、プレイヤーの一定数は「仕方なく」低貸しを打っており、そういうプレイヤーは満足度が低く、離反することになります。

参加人口減少は、「若年層がやらなくなった」という要因よりも、人口ボリュームが多い、現在の40代後半~50代前半の離反だと、自分は思います。

これは、業界が中長期的な視野に立っていれば、ある程度は防げたことではないか。少なくとも、予測はできたのではないか。そんな気がします。


2016年12月16日金曜日

#富はたしかに一部の富裕層に集中しているが

本日の日経に野村総研のレポートが紹介されています。株高などにより、富裕層の資産が膨らんでいるそうです。
純金融資産の保有高により5階級に分けていて、3000万円未満が「マス層目」(=最下層)です。
超富裕層と富裕層の世帯数の合計は121.7万世帯で保有する純金融資産の合計は272兆円。全世帯数の上位2.3%が、純金融資産の19.4%を保有しています。

さて、有名な「パレートの法則」は、「2080の法則」とも呼ばれます(ボクはそんな呼び方はしませんが)。
上位20%の◯◯が、全体の△△の80%を占める、と説明されます。

本当でしょうか? 

この野村総研のレポートによる階級分けでは、超富裕層からアッパーマス層(3000万円~5000万円未満)までの世帯数の合計が21.1%となります。つまり純金融資産保有額の上位21.1%の世帯です。この世帯の純金融資産の合計は799兆円です。
 
 
 
60.0です。

微妙ですね。「80%」とは言い難いですね。

つまり、「20%のなになにが、なになにの80%を占める」というのは、ものの例えです。

そもそも、パレート自身が「2080」と記した文献は見つかっていと言われています。

2016年11月8日火曜日

#パチンコorパチスロの参加人口は?

「レジャー白書」(日本生産性本部)は、過去1年間に1回以上参加した(遊んだ)ことがある人を参加者と定義して、性・年代別に様々なレジャーへの参加状況を調べています。また、同白書は各産業の市場規模も調べています。
そんな白書を眺めていてふと不思議に思ったことがありました。というか、すぐに「もしや...」と思い当たることはありましたが。

各産業の市場規模をレポートしている章では、遊技産業を「パチンコ・パチスロ」市場と表現しています。2015年の市場規模は23兆2290億円。これは日本生産性本部が、各種の資料をもとに推計しているもので、推計の根拠のかなりの部分がDK-SISであることは、業界にかかわる方ならご存知でしょう。

問題は、日本生産性本部が市場調査会社に依頼し独自に実施している「参加実態調査」の部分。調査対象者に108種目のレジャーを提示し、「過去1年間に1回以上参加した(遊んだ)ことがあるもの」を答えてもらう調査です。
この、生活者の余暇活動をレポートしている章では、「パチンコ」について参加率を10.6%としています。「過去1年間に1回以上パチンコを遊んだことがある」という人の割合です。

お気づきですか?
産業の市場規模をレポートする章では「パチンコ・パチスロ」と表記し、生活者の余暇活動をレポートする章では「パチンコ」と表記。なぜ違うのか?



なぜかというと、生活者に対して実施しているアンケート調査の質問票のワーディング(文言)が「パチンコ」となっているからです。※日本生産性本部に問い合わせて確認しました。

さて、「自分はパチスロしかやらない」という人はどう回答するでしょう? パチスロしかやらない人が、「この中から過去1年間に遊んだことがあるものを選んでください」と合計108種目ものレジャーを提示されたとき、「パチンコ」を選ぶでしょうか?

もしかしたら、気を利かせて「パチスロもパチンコと似たようなものだから、遊んだものとしてパチンコを選んでおこう」と考えるかもしれません。
でも、パチスロとパチンコは別ものですから、「自分はパチンコはやっていない」とスルーするかもしれません。むしろ、実際には遊んでいないパチンコを「遊んだ」と答える人のほうが少数だと思うのです。



パチスロ人気時には分母が小さくなる


こう考えると、過去のパチンコ参加人口の減少の推移の見方も変わってきます。これまで、市場規模の減少率よりも、パチンコ参加人口の減少率が多い現象を、「ヘビーユーザー化」「ヘビーユーザー依存度が高まった」と解釈してきました。ユーザー1人の売上貢献度合いが大きくなったということですから。
そういう面も、当然、あったでしょう。
しかし、繰り返しますが...、

  • 市場規模はパチンコ・パチスロの総売上の推計値。
  • 参加人口はパチンコユーザー(PS両方ユーザーを含む)数で、パチスロのみユーザーは除外されている。
つまり、「パチンコからパチスロにシフトしたユーザーがいた」ということによる1人あたり数値の変動もあったのではないか、と思うのです。パチスロのみユーザーが増えると、分母が小さくなりますから。
 

しかし、同じワーディングで長年やってきたので、いまさら変更されると連続性が途切れてしまいますから、従来通りのワーディングで続けていただきたいものです。


[補足]
このエントリーの趣旨から外れるので上記には書きませんでしたが、「レジャー白書」を見る際には調査対象者が「15歳以上」という点も留意する必要があります。白書の中の図表には「10代」と書かれていていますが、正確には15歳~19歳を指しています。ですから10代男性のパチンコ参加率は6.1%と書いてあっても、15歳~19歳男性の~と読み替える必要があります。パチンコは18歳未満は遊ぶことができません。

2016年10月28日金曜日

#業績向上のために何に取り組むか?

かつて勢いを誇っていた某法人さんの稼働の落ち方がヒドイという話を聞いていました。頭どりによる着席客数を調べている会社のデータにも表れています。

ところが、粗利はそんなに落ちてない。利益は確保できている。この状況、業界の方なら何を意味しているかわかりますよね?

すでに、お客さんが減っていく負のスパイラルに突入しているのかもしれません。

短期的な視点に立って行動すれば、目の前のお客様から、以前よりも多く利益をいただこうとする。すると、将来の利益をもたらしてくれる、再来店意向者が減っていく。

しかし、機械がどれだけ稼働したかというデータと頭どりによる着席数データだけでは、ユニークな客数がどれだけ減っているのかはわかりません。


客数が減っているのは間違いないでしょうが…
[1] 来店頻度が落ちた顧客(今でもたまには来る)がどれだけいるのか?
[2] 離反してしまった顧客(ある一定期間来ていない)がどれだけいるのか?
[3] 新台導入や新たな広告の導入によって、普段来ていないお客さんがどれだけ来店しているのか?これらによる集客の力がかつてと比べてどうなって(低下)いるのか?
…がわからない。

ユニークな客数がわからないと、
[4] 一人当たりの遊技時間がどのような分布になっているのか?
もわからない。
一人当たり遊技時間について言えば、勝ってる人は長く滞在するでしょうが、すぐに予算を使い果たした人は長く滞在しないでしょう。ですから、全体平均の時間よりも、分布と絶対数(ユニークな客数)の両方の変化を見る必要あります。


これらがわからないということは、重要な課題がわからないのと同じで、
[1] 既存客の来店頻度を上げる(離反者を出さないことを含む)
[2] 新規客を増やす(スリープ客に再来店してもらう、離反者に再来店してもらうことを含む)
[3] 客単価を上げる
のどれに取り組むのかが曖昧なままです。

「すべて大事だ!」というのは間違いではないと思いますが、来店履歴のデータがないと、施策の効果測定ができないと思うのです。



ユニークな客数がわかると...


逆に言えば、ユニークな客数がわかれば、上記3のアウトカム(=目的変数、KGI)を設定し、自店の様々な施策を数値化した説明変数との分析により、「何がどのKGIにどれだけ効果があったのか」を推計できます。

もちろん、誤差はあるでしょうが、
◇何を優先して頑張ればいいのか?
◇取り組み量の割にKGIに結びつかない施策は何か?
についての、合理的な指標の一つになるはずです。


もし、「長年の勘」がうまく機能しているのであれば、こんな分析・推計をする必要はないでしょうが。

なぜ、くどくど「ユニークな客数が分かれば...」といったことを書くのかというと、それをかなりの精度で把握する方法があり、 すでにテスト導入して分析に着手している法人さんがあるからです。

2016年9月13日火曜日

#小学4年生が習うクロス集計分析


調べた結果をすべての対象者について集計したものを「単純集計」といいます。例えば、ホール来店者に「よく打つ機械のタイプ」を尋ねた場合に、MAXタイプが何人、ミドルタイプが何人、ライトミドルが何人と、回答者数もしくは割合が一覧できる表です。しかし、幅広い年代の客を「全体」で一括りにして得られた集計結果は、「誰に」を絞り込めていませんので、具体的なアクションをとりにくいと思います。

そこで大抵の場合、回答者をある条件で絞り込んで集計して、回答(意識や行動)にどのような違いがあるかを比較します。もっとも基本的な絞り込み条件は、男性か女性かという「性別」、20代か30代か40代か……という「年代別」です。ホール来店客の調査であれば、「最もよく遊技する機械別」(パチンコ派/パチンコ・パチスロ半々派/パチスロ派)もよく使う条件です。このような集計方法を「クロス集計」と呼びます。

クロス集計によって、月間の遊技予算、普段よく打つ機械のタイプ、店舗選びで重視する項目等々の質問項目を、「20代」の回答結果、「30代」の回答結果、「40代」の回答結果……という具合にそれぞれ算出します。同様に、「パチンコ派」の回答結果、「パチンコ・パチスロ半々派」の回答結果、「パチスロ派の回答結果」という具合にそれぞれ算出します。こうして回答者を様々な切り口によって分類し、その回答の差異を見ることで、属性ごとの傾向をつかむことができ、「この種の人たちに向けては、○○○をしたらよいのではないか」と施策を検討することができます。

施策を考えるためには、データの全体(単純集計)を眺めるのではなく、データを整理すること(クロス集計)が有効だということは、実は小学4年生の算数で教えています。
教科書の設定はこうです。ある小学校の児童3人が、学校内でのケガを減らすにはどうしたらいいかを考えるために、「保健室にある記録を整理しよう」と思いつきます。記録にはケガをした児童の名前のほかに、保健室に来た日付、曜日、学年、組、ケガの種類・症状、ケガをした日時、場所、理由といったことがあります。
集計の結果「打撲」が最も多かったとして、学校中で「打撲に気をつけましょう」と注意を促すとしたらどうでしょう? 校庭でも体育館でも廊下でも教室でも同じように「ぶつからないように注意!」とポスターを掲示するのは効果的でしょうか?




教科書の中の児童は、保健室の記録からケガの種類とケガをした場所を抜き出して整理します。どんなケガがどこで起こっているかをわかりやすく整理する工夫をして、表頭を場所、表側をケガの種類にした表を作り、それぞれのマス目に正の字を書いて数え上げました。できあがった表はまさしく「クロス集計表」です(そういう言葉は使っていませんが)。
児童は「2つのことがらがひと目でわかる表にできたね」と言います。縦に見れば「教室で一番多いケガの種類」がわかり、横に見れば「切り傷が一番多い場所」がわかります。こうすると、ケガを減らすためには、場所ごとに注意喚起する内容を変えたほうがよさそうだと考えつきます。
問題解決のためにデータを整理することは、小学4年生で教わることの延長なのです。(編集部・田中剛)

2016年9月8日木曜日

#人工知能はマーケティング職の仕事を奪うのか?

マサチューセッツ工科大学の研究者、エリック・ブリニョルフソンとアンドリュー・マカフィーが2011年に出版した『機械との競争』は、テクノロジーの進化が速すぎることが、雇用が回復しない真の原因だと指摘しました。もちろん、著書のタイトルにある「機械」がさしているのは、現代ではコンピュータです。
工場では文字通り「機械」が人間の仕事を奪ってきましたが、マーケティング領域の仕事もコンピュータによって奪われ始めるかもしれません。

マーケティング従事者向けのWebサイト「Marketing Research Camp」が行った意識調査によると、「企画・マーケティング、広報・PR、市場調査・アナリスト」に従事しているビジネスパーソンの約3割が、「人工知能に仕事が奪われるのではないか」という不安を抱いています。

将来、自分の仕事が人工知能に置き換わると考えている人は全体で43・5%。そう考えている人の割合が最も高いのは「企画・マーケティング」職で57・2%。次いで「金融関連業務」職で53%。「販売・接客」職では43・8%でした。

また、67・6%が「人工知能に使われる側にはなりたくないと思う」と回答し、62・9%が「所得の格差が広がると思う」と回答しました。

パチンコホールの店長は接客職というよりも、接客業における企画・マーケティング職です。営業戦略上の判断という役割の何割かの部分が、人工知能に置き換わる日は、近い将来にやってくるでしょう。その時に成果を上げる店長とは、人工知能を最大限に活用できるリテラシーを備えた店長か、人間である部下をモチベートし組織力を高めることに長けた店長の、いずれかのタイプに分かれるように思います。

調査はジャストシステムのインターネットリサーチ「Fastask(ファストアスク)」で20歳~69歳の男女を対象に行われ、有効回答は1106人。実施機関は8月5日から8日。右記設問の回答者率は人工知能の認知者802人をベースに算出した。
〔田中剛/アミューズメントジャパン編集部〕

2016年8月15日月曜日

#どっちが正しい? 統計をめぐる攻防

2014年の増税後、日本経済は停滞し、14年度の実質GDPは前年度より0.9%減少したーー。しかし、内閣府によるこのGDP推計は正しいのだろうか?
実は日銀が内閣府とは異なる推計方法によって同じ時期のGDPを試算したところ、14年度の実質GDPは前年度に比べ2.4%増加。
いったい、どちらが本当の日本の姿を表しているのか?

7月下旬に総務省で開かれた会合で、日銀の調査統計局長が、日銀の試算方法を説明したそうだ。日銀の方法は税務情報を使うもので、内閣府の方法より捕捉率は高いものの、(税務情報を使うため)速報ができない。

8月15日の日経新聞がわりと大きなスペースを割いて、このGDP統計の課題について記事にしているが、いい議論だと思う。内閣府も日銀もさらに工夫をしていただきたい。
また、この話題に大きなスペースを割いた日経新聞も、「さすが日経新聞だ」と思う。

2016年8月14日日曜日

#競合と繰り広げているのは「選好度」の争奪戦

「あるカテゴリーにおける購入時のブランド選択は、消費者のそれぞれのブランドに対するプレファレンスによって決まる確率に従い、その時点でどのブランドが選択されるかはランダムに決まっている」

これは2010年以降、60以上の施策を成功させ(成功確率は98%以上)、USJをV字回復させたマーケター、森岡毅氏が説く、「購買行動を支配する4つの法則」のひとつ。

消費者は誰しも「買ってもいいな」「どれにしようかな」と思ってる複数の候補(エボーク・セット)を持っています。その中からどれがランダムに選ばれると言っているのです。ここでいうランダムとは、すべての候補商品が均等に選ばれるという意味ではなく、「好き」の度合いを反映した、それぞれが持つ確率に基づいているという意味です。ですから、以下のことも4つの法則のひとつに挙げています。

「あるカテゴリーにおける消費者のブランド選択は、プレファレンスの順位が高ければ高いほど、購入確率がより高くなる傾向にある」

一見難しそうでいて、実は非常にシンプルですよね。自社商品が選ばれるには、認知されていて、買おうと思えば買える状態にあり、なおかつ「買いたい」「買ってもいい」と思ってもらっている(=ある程度の好意度がある)ことが前提です。でないと、選択の土俵に乗れません。

市場内における競合社、競合商品との競争は、本質的には、「延べ購入回数におけるシェア」の争奪戦、すなわち「消費者の購入意思決定の争奪戦」だと森岡氏は言います。
購入意思決定はプレファレンスによって決まるので、プレファレンスの向上なしに売上は向上しない。よって、プレファレンスの向上にこそ経営資源を集中するべき。

森岡氏は「数学マーケティング」の力でUSJの施策を成功させてきましたが、基本となる考えは、このように非常にシンプルなものなんです。


[備考]
プリファレンス/プレファレンス(preference)とは、好み、贔屓、選好、優先などの意味で、市場調査では選好度と訳される。

2016年7月12日火曜日

#白衣の天使は統計家

フローレンス・ナイチンゲール、ご存知ですよね? マザー・テレサと並ぶ女性偉人で、子ども向けの偉人伝シリーズには大抵、選出されていると思います。

自ら志願し看護団を率いて、クリミア戦争の戦線に赴き、負傷兵たちを献身的に介抱し看取りました。たしか34歳くらいだったと思います。当時、病院のディレクター職にありましたから、「率いて」という形なんです。写真からも伝わってくるように、ものすごく意志が強い人だったようです。

子ども向けの偉人伝にどう書かれているか、実は知らない(忘れている)のですが、この当時のイギリスでは看護職はかなり地位が低く見られていたのです。ですから社交界デビューも果たした良家の出身である彼女は、看護の道に進むことを親からものすごく反対され、周囲からは「お金持ちのお家の不思議ちゃん」扱いだったことでしょう。

まあ、たしかに不思議ちゃんかもしれません。

ご存知の方は少ないと思いますが、現在、ナイチンゲールは統計学者と見られています。
イギリスでは「統計学の先駆者」と評されていて、後年にはアメリカの統計学会の名誉会員にも選ばれています。

戦地の後方基地の病院で傷病兵の看護をしながら、戦死の本当の原因に気づきます。「衛生状態」ですね。

彼女たちのチームは戦地の病院の膨大な報告書の分析に取り掛かり、仮説の裏付けを行いました。

彼女のすごいところは、「こうすれば死亡率を下げられる」という衛生状態向上の提言をするために、データの分析結果を、専門家でないヴィクトリア女王でも理解できるよう視覚化したことです。

まだ棒グラフも円グラフもない時代に、独自のグラフを考案したんです。時計のように円形に時間軸をとった、円グラフと積み上げ棒グラフが混ざったような不思議なグラフです。
すごいことを考えついたものだと思います。


2016年6月4日土曜日

#2人に1人が癌になる。では30歳の人が60歳までに癌になる確率は?

「2人に1人が癌になる時代」と言われるそうですが、これは四捨五入された数字なので、もう少し正確に言うと、「男性の1.6人に1人が生涯でがんに罹患する」「女性の2.2人に1人が生涯でがんに罹患する」ということ。

表現を変えると、生涯でがんに罹患する確率は、男性62%、女性は46%です。

がんは年齢が上がるほど罹患率が増える病気で、長寿社会になればなるほど罹患率が高まります。

罹患者が増え始めるのは男性の場合、40代後半から。
増え始めると言ってもごくわずかで、現在30歳の男性が50歳までにがんと診断される確率はわずか2%。60歳までだと7%に上がり、70歳までだと21%、80歳までだと42%になります。


保険は、万一のことに対して、自分の蓄えで備えきれない部分を補うものだと思うのです。
そもそも、「保険をかけておこう」というのは、そういう意味ですよね?

医療保険を検討するときには、「2人に1人が癌になる」というざっくりした数字ではなく、30代の方であれば、「30歳の自分が60歳までにがんになる確率は7%」という数字をもとに考えるべきだと思います。

「でも、自分は7%に該当するかもしれない。その時の出費に備えて保険に入ろう」
かもしれませんし、
「60歳までにガンになる確率は低いが、それ以降は心配だ。でも60歳のときにはガン治療費くらいの貯蓄はできてるだろう」
かもしれません。


「万に一つ」に備えるのが保険だと思うので、ボク個人の考え方を言えば、それが心配な方は、安心料として保険に入るのがよいと思います。さほど心配でないなら、入らなければよい。

ただし、がんに関していえば、70歳までに罹患する確率は21%で、「万に一つ」とは言いにくい確率に上がります。80歳までだと42%ですから、罹患してもまったく不思議でない。

「だから、備えておかなきゃ!」ということですよね。

しかしですね、このように 「かなり起こりうる」ということに対して、<保険>で備えるのが本当に合理的なのでしょうか?  

そもそもの<保険>というものの利用の仕方の趣旨に反しているような気もするのです...。

保険は「安心」を提供している商品ですから、何が正解かは人それぞれです。 ですが、家計に関する不安の種は癌だけではないはずなので、バランスが必要となります。




文=田中 剛
エディター/月刊アミューズメントジャパン元編集長
キャリアコンサルタント/GCFD-Japan(CCE, Inc)
 ファイナンシャル・プランニング技能士2級/AFP(日本FP協会)

2016年4月23日土曜日

#福井県ってどんなトコ?

福井県について、娯楽に関連がありそうな統計を拾ってみました。
福井県は人口あたり遊技機設置台数が全国8位です。
けっして低貸台数は多くない。つまり4円・20円貸しの設置比率は中位より上なんです。そして意外とホールが大型化しています。
サラリーマン年収は全国のほぼ中央ですが、労働者に占める正社員比率が非常に高く非正規雇用率が非常に低いことから、雇用が安定していると考えらえます。
そして1世帯あたり貯蓄額は全国8位です。
その要因として考えられることの第一は、県の人口に占める「三世代世帯」の人数が全国トップレベルであること。第二は、「持ち家率」の高さが全国トップレベルであること。よって、住居費負担が少ない労働者が多いと言えそうです。


パチンコ店舗数(15年末) 
:77店

パチンコ台数、パチスロ台数(15年末)
:24,660台、11,034台

1店舗当たり平均設置台数(15年末)
:全国8位、463.6台

1000人あたり遊技機台数(15年末) ※1
:全国8位、61.3台

低貸パチンコ台数割合(15年末) ※2
:全国29位、46.1% 

低貸パチスロ台数割合(15年末)
:全国36位、21.8% ⇒低スロはまだ少ない

人口100人あたり正社員数(12年) ※3
:2位 ⇒雇用が安定している

非正規雇用率(13年) ※4  
:47位(32.73%)

県民賃金平均 ※5
:全国25位、271.1千円

1世帯あたり貯蓄額 ※6
:全国8位

サラリーマン年収 ※7
:24位

生産年齢人口100人あたりの製造業従業者数(13年) ※8
:11位
※1:20歳~79歳人口をもとに計算した15年末の台数
※2:ピーワールドインサイト調査
※3:総務省「就業構造基本調査」 、(正規の職員・従業員)+(会社などの役員)-(起業者)=正社員
※4:総務省「就業構造基本調査」
※5:労働省「平成26年賃金構造基本統計調査」
※6:総務省「家計調査」
※7:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
※8:経済産業省「工業統計調査」



2016年3月14日月曜日

#人をあるタイプに分類する (その3 共通因子を抽出した!)

<続き>
前回は、ライフスタイルやレジャーに対する志向、お金の使い方など20以上の質問の回答を分析し、そこから、複数の質問(=測定項目)の背後に隠れている、共通する<共通因子>を抽出するという話でした。

質問項目は以下です。

==質問項目==
  • 平凡に暮らすより何か変わったことがしたい
  • 運の要素を楽しむレジャー(余暇活動)が好き
  • 勝ち負け、点数がはっきりしたレジャー(余暇活動)が好きだ
  • みんなでわいわい騒ぐことが好きだ
  • 別の人格を演じたり、物語を楽しむレジャー(余暇活動)が好きだ
  • 身体を動かすレジャー(余暇活動)が好きだ
  • 好きなことに費やすお金は惜しまない
  • はまったらとことん突き詰めるタイプだ
  • モノを作ったり絵を描いたりする創作活動が好きだ
  • 自分は思い切りがよいと思う
  • 一人の時間を大切にしたい
  • 平穏やリラックスできるレジャー(余暇活動)が好きだ
  • 平穏な生活が一番だと思う
  • 個人で楽しむレジャー(余暇活動)が好きだ
  • 毎日が楽しければそれでよいと思う
  • 自分は人生を楽しんでいる
  • ストレスをためない自分なりの方法がある
  • 日常生活でストレスを感じることが多い
  • 時間に余裕がある方だ
  • 自分は倹約家だと思う
  • したいこと・買いたいものを決めて計画的にお金を貯めていくほうだ
  • 将来の計画を立てて準備をしている
  • ついつい予定よりも多くお金を使ってしまうことがある
========

上記の質問の測定値から、
・少数の
・直接には観測することができないが
・複数の項目の背後に潜む共通の因子

を抽出しました。


それが以下です。


【第1の因子】は「平凡に暮らすより何か変わったことがしたい」と最も相関が強いものでした。この次に相関が強い項目は、「運の要素を楽しむレ ジャー(余暇活動)が好きだ」「勝ち負け、点数がはっきりしたレジャー(余暇活動)が好きだ」です。つまり、これらの志向の背後に潜む、共通する<何か> です。


【第2の因子】は「一人の時間を大切にしたい」と最も相関が強い。この次に相関が強い項目は、「平穏やリラックスできるレジャー(余暇活動)が好きだ」「平穏な生活が一番だと思う」「個人で楽しむレジャー(余暇活動)が好きだ」です。


【第3の因子】は「自分は人生を楽しんでいる」と最も相関が強い。この次に相関が強い項目は、「日常生活でストレスを感じることが多くない」「ストレスをためない自分なりの方法がある」です。


【第4の因子】は「自分は倹約家だと思う」と最も相関が強い。この次に相関が強い項目は、「したいこと・買いたいものを決めて計画的にお金を貯めていくほうだ」「将来の計画を立てて準備をしている」です。


この4つの因子を抽出できたことによって、23の質問項目個々の結果でなく、各因子のスコアによって回答者を説明することができるのです。

分析がぐっと容易になります。

つまり、4つのモノサシで回答者をハカって、その値によって<似ている人>のグループを作っていけばいいのです。


<似ている人>のグループをどうやって作るのか、ということについては、またいずれ。

=== Research & Solutions!===

【前回】
#人をあるタイプに分類する(その2)共通因子を抽出する

【前々回】
#人をあるタイプに分類する(その1)共通因子とは何か?

#人をあるタイプに分類する(その2 共通因子を抽出する)

<続き>

分類するための第一歩は、どういう視点でハカるのかを見つける、決めること。
しかも、なるべく少ない視点でハカりたい。そうでないと大変ですから。


今回のテーマは、複数の測定項目の背後に共通する<共通因子>を抽出するという話です。

誰もがイメージしやすいのは、生徒の学力を「理系能力」と「文系能力」という2つの軸(因子)で説明するという方法でしょう。


主要な科目の学力を、「理系能力」「文系能力」という視点(因子とか軸とか呼ぶ)に集約することで、理系能力が高い・低い、文系能力が高い・低いで4分類することができ、生徒の学力の説明が容易になるんです。


もし理系・文系という概念を持っていなかったらどうなるか。
仮に、実施された試験が英語、数学、現代文、物理、地理、公民の6科目だった場合。各科目の得意・不得意のみで生徒を能力を見ようとすると、視点が6つもあります。「英語の得意・不得意という視点からは....、数学の得意・不得意という視点からは...」を繰り返していくほかはなく、個別の科目のことはわかっても、生徒の学力の概要を理解することは非常に難しい。

消費者の理解も同様です。「ブランドイメージ」「レジャーの志向」「日ごろの買物行動の志向」「職業の志向」などを知るためにアンケートで様々な質問をしても、質問項目(測定項目)が多くなればなるほど、そのままでは処理できません。

ボクは昨年暮れに実施した約4700人を対象に行ったアンケートの中に、ライフスタイルやレジャーに対する志向、お金の使い方など様々な質問を盛り込みました(26問)。その回答結果から、レジャーの志向・価値観・興味関心の違いによって、生活者を分類しようと試みました。まずは、もっと少ない分析視点に集約する必要があります。

第一歩は、観測された個々の質問の結果(=変数)の背後にある、<直接には観測することができない潜在的な因子>を抽出して、分析の視点(軸)を減らした上で、回答者のことをどういうモノサシでハカり説明するかをを決めることです。これが[STEP1]です。

問題は、、どうやって、複数の測定項目の背後に共通する<ある何か>を見つけるのかということです。

また理系能力、文系能力で説明します。
各科目の試験の得点を分析すると、科目どうしの相関関係が見えてきます。さらに、それらの科目とは別に、直接は観測できない<何か>(=共通因子)が潜んでいると仮定します。その<何か>があるとすると、それぞれの科目の得点との相関はどのくらいかと算出します。※この時点ではまだ、「理系能力」とか「文系能力」という言葉はついていません。
見つかったこの<何か>がどの科目の得点と相関が強いかを見ます。
1つは、数学、物理の点数と相関が強いけれど、国語や公民の点数とはほとんど相関がない。
もう1つは、現代文や英語の点数と相関が強いけれど、数学や物理とはほとんど相関がない。
これが分かった後、数学や物理の学力の背後に潜む共通する何かを「理系能力」と名付け、後者を「文系能力」と名付けたのです。

ひょっとしたら、実際にはこれとは異なるプロセスだったかもしれません。
経験的に「理系能力」「文系能力」と呼べる能力が存在するという仮説があって、それを検証するために、「じゃあ、いろんな各科目のテスト結果を分析にかけてみよう」と検証したのかもしれません。
つまり、仮説を先に持ち、統計解析によってそれを検証することも可能なのです。



では、次回でいよいよ、「レジャーの志向」についての具体例に進みます。

<続く>
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 【続編】
#人をあるタイプに分類する (その3) 共通因子を抽出した!
http://tanaka-tsuyoshi-dts.blogspot.jp/2016/03/blog-post_2.html

 【前編】
#人をあるタイプに分類する(その1) 共通因子とは何か?
http://tanaka-tsuyoshi-dts.blogspot.jp/2016/03/blog-post_10.html

2016年3月10日木曜日

#人をあるタイプに分類する

いろんな人がいます。
外向的で営業が好きな人もいれば、1人でコツコツとやる事務仕事が好きな人もいる。親切な人もいれば、意地悪な人もいる。

でも、「レジャーへの志向」と場面を絞ったら、人のタイプは、「十人十色」よりもさらに集約できるように思います。

例えば、ロジェ・カイヨワは遊びを4つに区分しました。有名な、アレア、アゴン、ミミクリ、イリンクスです。このなかのどのタイプの遊びを好むかによって、人を分類できそうです。
これら遊びはさらに、制約(自由⇔制限)や参加人数(1人で⇔大勢で)といった軸で区分できますので、遊びはもっと多くの区分が考えられます。
さらに人は、レジャーに関連するお金の使い方の態度(思い切りよく使う⇔計画的に使う)や流行からの影響度などの気質でも分類できるでしょう。分類するための軸は、他にももっと挙げられるでしょう。

すると、「どんどん細かくなっていくから、とてもじゃないが<タイプ分類>などできない」と思うかもしれませんが、そうでもないんです。

複数の項目の背後に共通する<何か>を抽出できる場合があるのです。

例えば、学校のたくさんの科目の中で、数学、物理、プログラミングのテストの得点に相関がみられたとします。これらの背後には「理系センス」と呼べるいう共通の感覚・スキルがあると考えられる。
この「理系センス」が数学、物理、プログラミングという科目に大きな影響を与えています。別の言い方をすると、数学、物理、プログラミングの得点の大部分は「理系センス」の程度で説明できる、ということ。

こういう、複数のことの測定値(=変数)の背後に共通する<何か>のことを、「共通因子」と呼びます。

レジャーへの志向に話を戻しますと、生活者にレジャーやライフスタイルについて20問、30問と質問を投げかけても、それらの中からいくつかの「共通因子」を抽出できれば、ぐっと少ない分析視点で回答者を分類することができます。
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<続く>

【続編】
#人をあるタイプに分類する(その2) 共通因子を抽出する
http://tanaka-tsuyoshi-dts.blogspot.jp/2016/03/blog-post_14.html

#人をあるタイプに分類する (その3) 共通因子を抽出した!

http://tanaka-tsuyoshi-dts.blogspot.jp/2016/03/blog-post_2.html


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