2014年2月17日月曜日

キャリア開発についての2つの視点

以前読んだ本を読み返していたら、HotchikissとBorrowという社会学者の見解が紹介されていました。(以前読んだ時には気にもとめなかった部分で、まったく記憶に残っていませんでした)
2人は「キャリア開発」について、心理学者と社会学者の視点の違いを3点挙げています。


第1 キャリアについて
心理学者は、個人に注目する。
社会学者は、職場で職階であったり、組織構造であったり、同僚グループのダイナミクスであったり、職務満足度と職場への貢献の関係など、より広い視点でキャリアを考える。

第2 意思決定について
心理学者は、個人はどのように自分自身で意思決定を行うかに関心を払う。
社会学者は、組織や社会の要請が個人の意思決定にどのような影響を与えるかに関心を持つ傾向にある。

第3 職務満足について
心理学者は、どのような人間の要素(例えば、興味、個人特性など)が、仕事の成果や職務満足に影響を与えるかに関心を払う。
社会学者は、どのような組織の要因や特徴、公式のまたは暗黙の組織内のルールが働く人に影響を与えるかに関心を持つ。


あくまでも「どちらかというとこういう傾向がある」ということで、なるほどと思います。
なるほどと思う一方で、社会学者の視点についての記述は、キャリア開発についての視点というよりも、組織開発についての視点なのではないかな、とも思います。
上記の「心理学者」という言葉を、「キャリア開発」もしくは「キャリアカウンセリング」に、「社会学者」という言葉を、「組織開発」もしくは「組織人事マネジメント」という言葉に置き換えても、しっくりくるように思います。


自分自身、キャリアカウンセリングを学んだ後に、ビジネススクールで組織人事マネジメント論を履修しましたが、教わった理論・議論したテーマは、上記ような視点の違いを感じました。

2014年2月9日日曜日

ビッグデータ活用で 「うつ休職」の前兆を発見できるか?

興味深い記事。
結論を言うと、勤務データの分析で、放っておいたら悪化してしまうメンタル不調の初期状態の社員に気づくことはできると思う。
実際にメンタル不調によって休職した社員の勤務データから、幾つかのパターンが見つかったのでしょう。

しかしちょっと気になるのは、「うつ」という言葉。メンタル面の不調をひとくくりに「うつ休職」とか「うつ病」と表現するのは、少し乱暴なのではないか? 
さらに、記事には"うつ病で休んだ人の性格の特徴や"とある。本当に統計的に、うつ病と病前性格の関連がに関連が見つかったのだろうか?

もちろん、ストレス耐性が弱い人はいるので、上司・会社がそれを把握する助けに、アセスメントを活用するのはいいと思う。ただし、頼りすぎるようになってはいけない。
また、どういう種類のことにストレスを感じるのかは、人それぞれだということも重要。

【関連】

仕事が減っている

本日の朝日新聞の記事。アメリカの失業率は下がってきているが、実際には「不本意な就業」を余儀なくされてている人々(不完全就業者)がたくさんいる。雇用の「質」が悪くなっていると。
アメリカ政府では雇用を増やすために「製造業重視」だったが、残念ながらもはや製造業は多くの雇用を産まない。


2014年2月2日日曜日

1日たった37分、3カ月の勉強でも国家資格を合格できます!

以前、ある勉強をしたときに、ついでにその所要時間を徹底的に記録してみたら、なかなかおもしろいデータを得ることができました。

そこで、その第2弾をやってみることにしました。
題材は、現代社会のビジネスパーソンにとっては「一般教養」の範疇にはいるようなIT関連の知識。はっきりいって、この試験に合格すること(資格を取る)ことは自分の仕事にはほとんど意味はありません。繰り返しますが、意味はありません
けれど、「一般教養」の範疇のものなので、体系的に学習して基礎(の基礎)を理解しておくのは無駄ではないかもねーと思いました。※ボクは「資格コレクター」ではありません。


【試験結果】
結果から言うと、880点/1000点で、合格!
ただし、終盤にすごく難しい問題があって、脳みそから汗をかくほど考え、ものすごく疲労した。


【学習時間】
テキストを書店で買って、基本的には通勤時間を使って学習。土日はほとんどやらない。これをちょうど3ヶ月(学習時間の集計をしやすいように)。1日の学習時間の目標はとくに掲げませんでした。「なるべくがんばろー」といった感じ(笑)。

3ヵ月のトータル学習時間は57時間で、1日平均は37でした。

この数字を使うと、「IT関連じゃない文系ビジネスマンでも、1日たった37分、3カ月の勉強で880点取れます!」という表現は嘘ではない。

しかし、過去に時間の計測をやったことがある自分は、「1日平均たった37分」という表現を見ても、決して「ラクだな」とは思いません。そういう感覚が分かったのが収穫のひとつ(笑)。“平均”という言葉にダマされてはいけません。

ボクの通勤時間のうち、電車に乗っている正味の時間は往復約90分ですが、その通勤電車内の時間を、毎日毎日きっちりと学習に当てることはかなり困難なのです(自分の場合)。


【学習時間の分析】
結論: 習慣ができるまで2カ月かかった。
推論: スタート間もない頃に、「無理して飛ばすよりも毎日継続」を実行できれば、早く習慣化できるかもしれない。※「習慣ができる」とは、学習0分の日が減ることなので。
〔図1〕日々の学習時間のグラフ(上)
これを見れば、「3ヶ月間の平均学習時間と、各月の学習時間は異なる」ことがお分かりだと思います。

最初の1ヶ月間は、学習してない日が明らかに多い。
特に、学習が習慣になっていないスター間もない頃は、ある日に頑張って1日1時間やったとしても、翌日サボってしまうと、2日間の平均はたちまち30分になってしまう。次の日もサボると、その3日間の平均は20分になってしまう。
では、4日目にどれだけ学習を頑張れば、この4日間の平均学習時間を37分にすることができるか?
 ↓
 ↓
 ↓
答えは、
1時間半! (正確には1時間28分)
これはちょっとツライ。
でも、学習が習慣になっていない頃は、実際にこのようなことがしょっちゅう繰り返されます(自分の場合)。
ツライから、「やったつもり」になってしまう。けど、ほんとは全然やってない(笑)。
学習時間を計測すると、この「やってるつもり」が錯覚だということが、ハッキリとわかります。

2ヶ月目になって、「短時間でも、毎日コツコツ」という変化が起こります。
つまり、習慣になるまでには2ヶ月くらい要するということ(自分の場合)。

3ヶ月目になると、「短時間でも、毎日コツコツ」をベースとしながら、「2日に1回くらいは、もうちょっと頑張る」という感じになる。
〔図2〕日々の学習時間のグラフ2
このグラフに追加した橙色の折れ線グラフは、7日間の学習時間の移動平均です。


【備考1】
この試験は「ストラテジー系」「マネジメント系」「テクノロジー系」の3分野で構成されており、出題は100問。合格ラインは、1000点満点で600点以上の総合評価かつ、3分野のいずれも300点以上(1000点満点)の得点。受験者の合格率は約50%。
*個人的には「3分野のいずれも300点以上」という合格基準は甘すぎると思う。「苦手分野が3割しか得点できてなくても、他の2分野で点数を稼げばOK」では、3分野必須で構成している意味がない。せめて、「3分野のいずれも500点以上」にすべきと思う。ちなみに、自分の分野ごとの得点は、870点、825点、865点


【備考2】
学習時間の計測に使ったのは、例によって「aTimeLogger」です。
 〔参考記事〕本当のところ時間はどこに消えているのか?
 http://tanaka-tsuyoshi-dts.blogspot.jp/2013/02/blog-post_7.html
 〔参考記事〕けっこう頑張ったな~。で、いったい何時間やったの?
 http://tanaka-tsuyoshi-dts.blogspot.jp/2013/06/blog-post_22.html
暗記学習に使ったのは、例によって、「Everword」です。
 〔参考記事〕暗記学習に適したアプリは?
 http://tanaka-tsuyoshi-dts.blogspot.jp/2013/04/blog-post_19.html
 〔参考記事〕やっぱり暗記学習にEvernoteを使う
 http://tanaka-tsuyoshi-dts.blogspot.jp/2013/04/evernote.html
以上。