2018年6月3日日曜日

#IR整備法案審議 ~佐世保は今でも有力候補地か?

先週の国会ではIR整備法案(IR実施法案)の審議され、6月1日は安倍総理も登場しました。
安倍総理の発言は次の機会に譲るとして、最近、仕事関係(アミューズメント業界関係であったりカジノ業界関係であったりメディア関係であったり)の会食や飲み会では、やはりIR実施法の話題、IR候補地の話題が必ずと言っていいほど出ます。

その中で選ばれる場所について、「やはり、大阪、横浜、長崎が有力ですか?」と尋ねられることが多々あります。「政治家方面から、そういう情報を聞いてます」と言う方もいます(へー、そうですか)。

裏でいろいろな駆け引きをしている人がいることは、もちろん承知しています。しかし、どの自治体が選ばれるかなど、いま分かるわけないと思うのです。不確定要素が多すぎます。
 

「あそこにほぼ確定している」と言う方が嘘つきかというと、それもわかりません。あと数年は結論がでないので、自信満々に「あそこに決まってる」と、情報通ぶることもできるのですよね(笑)。

現状で、公に文書や映像になっていることと、その方面の知見をもとに推測するほかはないのですが、当方は、ちょうど1年くらい前から、「いま横浜、長崎は有力候補地とは言えないだろう」と思っています。尋ねられればそう答えてきました。関心がある方は、これをぜひ魚拓に取っておいてください(笑)。

横浜は、2017年7月の市長選を前に、それまでIR誘致推進の立場だった林文子市長が、「白紙」と宣言しました。再選のために。そして7月30日に見事再選を果たしましたが、もうすぐ1年がたとうというのに、公式にはIR誘致の意向を表明していないはずです。
今年4月5日の毎日新聞の記事によると、林市長は4日の定例記者会見でもIR誘致の方向性について、改めて「現状では白紙」と慎重姿勢を示しています。

裏でどんなことを画策していようと、住民の合意を形成する活動がない自治体を<有力候補地>と呼ぶには無理があるというのが、当方の見解です。

佐世保が当方の中で<有力候補地>でなくなったのは、昨年5月上旬頃、IR推進会議での議論内容が漏れ伝わってきたからです。
ハウステンボスを活用する佐世保案は、既存施設群を活用し、少ない投資ですぐに統合型リゾートを作れることがセールスポイントでした。この、「カジノを付け足すだけ」的なものは、開業前の経済効果が小さすぎるとも言えます。
地域の既存施設の活用は、佐世保市以外の地方都市でも一度は検討されたものだと思いますが、取りまとめ案には地理的な「一体性」も要求されていました。飛び地ではダメなのです。

さて、ハウステンボス案が厳しいということは、6月1日の審議からもじゅうぶんにうかがえます。

6月1日の衆議院内閣委員会でのIR整備法案(IR実施法案)審議で、浦野靖人議員(日本維新)から、IR設置基準について、地域ある既存のMICE施設を活用した計画が認められるかとの質問がありました。IR誘致を目指している地域の中には、候補地に隣接するすぐ近くに、すでに国際会議場がある場合があります。そこに新たにMICE施設をつくれば供給過剰となりますから。

これに答えた特定複合観光施設区域整備推進本部の中川真事務局次長は、「事実上、カジノ施設単体の整備と変わらないような計画」は適当ではないと説明しました。

中川次長の具体的な発言は下記の通りです。

「区域整備計画の中で、既存施設を活用することは必ずしも排除されているわけではないが(ダメとは言っていないが)、カジノ施設以外のものはすべて既存施設の活用にとどまり、事実上、カジノ施設単体の整備と変わらないような計画について、国交大臣が認定することは適当ではないと考えている次第です。」

というわけで、長崎県・佐世保市がIR誘致をひきつづき目指すなら、大幅な計画の見直しが必要だと思うのです。すでにそうしていると思いますが。

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