2018年12月17日月曜日

遊技機1台当たり売上 2カ月連続減少

サービス産業の売上高等の経営動向を把握するために、経済産業省が毎月実施している「特定サービス産業動態統計調査」によると、10月度のパチンコホールの遊技機1台当たりの売上高は42万7433円で、1日当たりに換算すると1万4千円前後。月当たり台売上は9月より1万4574円減少、前年同月より8445円減少だった。

調査対象企業の10月度の総事業所数は1247店舗で、前月より1店舗減少。平均設置台数は531台で前月より3店舗増加。1店舗当たり売上高は2億2690万円で前月より670万円減少。

同調査は、特定のサービス業に属する事業を営む企業(又は事業所)のうち当該業種の全国(又は特定の地域)の年間売上高の概ね7割程度をカバーする売上高上位の企業(又は事業所)を調査対象にしているが、パチンコホール事業については、全国店舗の13%程度をカバーしている。


日本企業からも参加 マカオ大学「統合型リゾート経営管理学 短期訓練課程 #6」

マカオ大学工商管理学院は、IR産業関連企業の上級幹部を目指すビジネスパーソン向けの短期集中講座「グローバルリーダーシップ育成プログラム~国際統合型リゾート経営管理学(GLDP)」の第6回目を11月30日~12月3日にマカオで開催しました。
これに参加してきたわけです。
GLDPとは何か?ということについてはこちらの記事で説明しています。

ざっくりとした印象というと、長崎開催のModule5では「IRとは何か?」という説明から始めたのに対して、「レジャー産業への経済学の応用」で始まった今回のModule6(マカオ開催)は普段の大学・大学院の講義に近いのではないかと感じた。


「レジャー産業への経済学の応用」を講義したRicardo Siu教授

リカルド・シウ教授の講義では、余暇需要の決定要因を考える中で、「お金」と「時間」が重要だとして、「需要の価格弾力性」と「時間の貧困」について説明した上で、高給消費者にとっての「統合されたリゾート」というコンセプトの魅力を論じました。

4日間、30時間というプログラムの中では、座学だけでなく、グループディスカッション(そして深夜にホテルの部屋で資料探しやスライド作成)、IR関連施設の視察もありました。個人的には、ウィン・パレスのバックオフィス・ツアーが刺激的でした。事前に大学にリクエストしていたものをほぼ見せていただいたので。これについては機会があればまた後日書きます。


7つのグループに分かれた参加者は講義の合間に
議論を重ね、最終日のグループ発表に臨んだ

日本からの参加者にとって特に有益だったのは、マカオのレスポンシブル・ゲーミング公共政策についてのレクチャーだったかもしれません。

日本でIRの導入にあたり議論が活発化したのがギャンブル依存問題ですが、今回の教授陣のひとりデイビス・フォン教授はマカオ政府に協力し、この問題に10年以上取り組んできた専門家です。


レスポンシブル・ゲーミングなどマカオの
公共政策を説明したDavis Fong教授


公共政策としてのギャンブル依存対策

マカオではカジノ事業の1社独占体制が終わり、2004年5月、新たにライセンスを得た事業者のカジノ第1号「サンズ・マカオ」が開業しました。建設途中の開業半年の時点で投資を回収してしまったといわれる、すさまじい収益をたたき出しました。
これがマカオのカジノ産業の爆発的な拡大の始まりですが、同時にマカオ居住者のギャンブリング障害者数も増加することになりました。

しかし政府はこれに先立つ03年、マカオ大学内に「カジノ研究所」を設立し、初の全国調査である「マカオ住民のカジノ参加状況調査」を委託するなど本格的な実態調査を開始していました。
政府の委託を受けたデイビス・フォン教授らは、07年にレスポンシブル・ゲーミングの「指導原則」を提出。翌08年に政府は「責任あるギャンブリング政策」の推進を宣言、09年に政府社会工作局、博彩監察協調局、マカオ大学カジノ研究所が「責任あるギャンブリング推進」活動計画を発表しました。

04年から13年の間に相次いでカジノ施設が開業し、07年にはコタイ地区に「ベネシアン・マカオ」が開業しています。この9年間にマカオカジノ産業の市場規模は約9倍になりました。
しかし、産・官・学の連携によるレスポンシブル・ゲーミング政策の推進により、13年にはギャンブリング障害が疑われる成人の割合は、03年の水準を下回るほどに低下しています。



アメリカ精神医学会によるDSM4基準で「Pathological Gambling」(病理学的賭博=持続的で反復的な不適応的賭博行為。10項目中5項目以上に該当)の割合は、03年調査では1・8%、07年調査では2・6%、10年調査では2・8%、13年調査では0・9%と推移しています。
DSMの改訂版であるDSM5基準で集計された16年調査では、「深刻なギャンブル障害」の割合は0・5%、これより軽い「中程度のギャンブル障害」の割合は0・8%になっている。

日本は、マカオの産官学連携によるレスポンシブル・ゲーミング政策を、良い先例として大いに研究する必要があるはずです。 



田中 剛・Editor
Report by Tsuyoshi Tanaka

[KEY]UNIVERSITY OF MACAU Global Leadership Development Program – Module 6

2018年11月5日月曜日

インド洋の楽園のホットなカジノ BALLY'S COLOMBO

 ボリウッド・スターのSonakshi Sinha(中央)
この仕事をしていて、まさかスリランカ(Sri Lanka, Ceylon) に行くことになるとは、夢にも思っていませんでした。
日本国内のアミューズメント産業を取材したり、サーベイをもとにした消費者の態度分析をしたり、海外のカジノの取材をしたり...というのが日常ですから。
しかしながら、縁あって、スリランカ・コロンボに行ってまいりました。

まずは空港に迎えに来てくれ、丸3日間サポートして下さったfriends。
そしてコロンボの空港。スリランカには3つのカジノがあります。「バリーズ」「ベラジオ」「マリーナ」。米国のバリーズ、ベラジオとは関係ありません。
カジノ「BALLY'S COLOMBO」の広告がずらり
 以下、記事風に。

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スリランカ(スリランカ民主社会主義共和国)の老舗カジノ『BALLY'S COLOMBO』は10月19日から28日までの10日間、開業23周年を記念するイベントを開催した。同カジノのゲストはインドからの渡航者が大半を占めるため、このセレブレーション期間にはSonakshi Sinha、Sanjay Kapoor、Dino Morea、Urmila Matondkarなどインドのセレブリティ、Bollywood Stars(インド・ムンバイの映画産業界のスター)を招いたステージが連日繰り広げられた。インド国内では間近に見ることのできないスターを一目見ようと、通常時よりもさらに多くのインド人ゲストが訪れた。
インドのスーパースターの登場に、ステージ前に
詰めかけてスマホをかざすインド人客たち

カジノ内は多くの花によって飾られ、23周年を祝う巨大なケーキ、運営会社バリーズ・リミテッドのアヌラダ・ペレラ社長によるシャンパンタワーなど祝賀ムードに包まれた。カジノゲストも通常時よりも着飾った女性が多く、華やかな雰囲気。
 BALLY’S COLOMBOはスリランカ政府からライセンスを得て国内最大の経済都市コロンボで営業している3つのカジノのうち、もっとも歴史が古く、もっとも規模が大きい。ゲーミングテーブル約100台、ゲーミングマシン約100台で、テーブルゲームはバカラ、ブラックジャック、大小、ルーレット、テキサスホールデム、アジアンポーカー、スリーカードポーカーなど多彩。来場者の95%~97%が外国人で、その大半を占めるのがインド人。次いで様々な国籍を持つ中国系人。
海外からのゲストのほとんどは「パッケージ」と呼ばれるプログラムを購入している。これは、空港・カジノ間の送迎、5つ星ホテルの3夜宿泊、ホテル・カジノ間の送迎、カジノ内レストランの食事、プレイ用チップが含まれた商品で、最低価格が8000USドル(約90万円)から。プレイ用チップは同額のローリングチップが渡され、いくつかの条件(1日6時間以上のプレイ等)を満たすと、500USドルを上限に復路の航空券が贈呈される。

バリーズ・リミテッドは、ライフスタイル、金融、レジャー、アルミニウム、農業、消費財など幅広い企業を束ねるホールディングカンパニー、Vallibel ONE PLCの一員。レジャー部門では17軒のホテルを所有。このうち5軒が5つ星ホテルで、官邸、中央銀行、外資高級ホテルなどが集積する中心部にもKINGSBURY HOTELという5つ星ホテルを所有している。その強みを生かし、自社グループのホテルや提携ホテルでの宿泊をコンプとして提供しているというわけだ。
アヌラダ・ペレラ社長は、「当社のカジノはゲストに最大限楽しんでいただくために、おそらくアジアでナンバーワンの還元をしている。ホテル宿泊費や航空券の負担のほかにも、クルマなどさまざまな景品が当たる抽選会をたくさん行っている」と言う。
アヌラダ・ペレラ社長は、
「当社のカジノはゲストに最大限楽しんでいただくために、

おそらくアジアでナンバーワンの還元をしている」と胸を張る。

スリランカはインド南端のインド洋の島国で、かつてはセイロン島して知られていた。現在も紅茶や農作物の輸出は大きな産業だが、欧米人の間では美しいビーチを持つリゾート地として人気が高く、観光地としても日本に知られ始めている。BALLY’S COLOMBOは、入口でパスポートを提示すれば旅行者でもプレイヤーズカードを作ってカジノを遊ぶことができる。先述の「パッケージ」でなく、遊びたい分のチップをカジノ内で購入することもでき、ミニマムベットが130円程度のテーブルもあるので、観光のついでに運試しをするのにちょうどいいカジノだろう。

Text&Photos︰Tsuyoshi Tanaka(Amusement Japan)

Key 田中剛 アミューズメントジャパン スリランカ Sri Lanka  カジノ casino 
 
 

2018年9月15日土曜日

デザインされたギャンブル依存症(ADDICTION BY DESIGN)

これはマシン・ギャンブリングに焦点を当てたものです。
著者である文化人類学者のナターシャ・ダウ・シュール(ニューヨーク大学メディア文化コミュニケーション学科准教授)は、伝統的なテーブル・ゲームと、マシン・ギャンブリングを異なるものと捉え、マシン・ギャンブリングの際立った特徴として、
“たったひとりで連続的にすばやく賭けられる”
“ありとあらゆるギャンブル行為の中で最も集中的な発生頻度を伴う行為である”
を挙げています。

カジノゲーム機は、それに過度にのめり込んでいるプレイヤーに何をもたらしているのかについて、次の箇所は端的に説明していると思います。

“ひとりきりの、途切れることのないマシン・プレイの過程では、トランス状態にも似た安定状態が生まれがちで、その状態が、不安、憂鬱、退屈といった「内面や外部の問題をまぎらわせてくれる」。”
“マシン・ギャンブラーがやみつきになるのは、勝つチャンスにではない。マシン・プレイがもたらしてくれる、世界が溶けて消えていくような、主観が一時停止して感情が落ち着く状態に、やみつきになるのだ。”

プレイヤーは、テーブルゲームとは異なり、落ち着いた状態にある。
これは、パチンコも同じかもしれません。
以前、ボクが取材でお話を伺ったあるパチンコ好きの芸能人の方は、パチンコ店という、普通の人からしたら騒々しい空間の中で、パチンコに向かっているときに「静寂」を感じる言いました。そして、「茶室」だと表現していました。

そして著者は序章でこう書いています。
“ギャンブラーかギャンブリング・マシンのどちらかではなく、二者のあいだの動的相互作用の内にある依存症をつきとめたい。”

本のタイトル(の原題)である、『ADDICTION BY DESIGN』は、“問題のあるギャンブリングは、問題のあるギャンブラーだけの話ではない”という意味が込められています。
著者は、“問題のあるマシン、問題のある環境、問題のある商習慣の話でもあるのだ。”と言います。

2018年8月16日木曜日

宝くじネット投票 クレジット決済を導入

共同通信によると、総務省所管の「宝くじ」の2017年度の販売額が前年度比6.9%減少の7866億円にとどまった。
大きな要因として、人気商品である5種類ある「ジャンボ」の販売額が前年度より13.1%も落ち込んだことが挙げられている。

宝くじの販売額は2000年代前半がピークで1兆1000億円を超えていたが、以降は減少傾向にある。2015年度は前年を上回り9000億円を超えていたが、直近は2年連続して前年を下回っている。

総務省はこの状況の打開策としてかねてよりインターネット販売の拡大が議論されており、ついに今年10月から「ジャンボのインターネット販売が開始される。
宝くじ商品のインターネット販売は2014年1月から「ナンバーズ」で始められた。以降、2016年1月には「ロト」のインターネット販売が始められた。しかし、販売額全体の41.4%(2017年度)を占める人気商品の「ジャンボ」はインターネット販売されていなかったのだ。

もうひとつの販売拡大施策が、「クレジットカード決済の導入」だ。これまで宝くじのインターネット販売の決済手段は、インターネットバンキングによる口座引落しのみだった。クレジットカード決済の導入により、銀行口座に残高がない人が後払いで宝くじを購入できることになる。

「クレジットカード決済の導入」は、ギャンブル等への過度ののめり込みが社会問題として注目が高まっている中で、流れに逆行するようななりふり構わない販売拡大施策と言えないだろうか。