公益財団法人 日本生産性本部は7月20日、2016年の余暇参加実態調査『レジャー白書』の概要を発表した。
16年の余暇市場は70兆9940億円で前年比2.0%減少。市場規模が大きいパチンコ・パチスロの落ち込みによるもので、パチンコ・パチスロを除いて集計すると前年比0.3%の増加となる。
パチンコ・パチスロの市場規模は21兆6260億円で前年比6.9%減少。パチンコ参加人口は推計940万人で前年より130万人減少した。
パチンコ・パチスロが含まれる娯楽部門全体の市場規模は23兆6310億円で前年比6.0%減少。前年比を下回った要因は、やはり市場規模が大きいパチンコ・パチスロの落ち込みによるもので、パチンコ・パチスロを除いて集計すれば前年比プラスとなる。
2017年7月21日金曜日
2017年7月20日木曜日
#訪日外国人旅行者の消費額 上半期で過去最高。しかし...
平成29年4-6月期の訪日外国人旅行消費額は四半期としては過去最高の1兆776億円。 前年同期(9,534億円)に比べ13.0%増加。
消費額は上半期の累計で初めて2兆円を突破した。
しかし、訪日外国人1人当たり旅行支出は14万9,248円で、前年同期(15万9,933円)に比べ6.7%減少した。国籍・地域別にみると、英国(25万1千円)、イタリア(23万3千円)、中国(22万5千円)の順で高い。
「中国人の爆買いが減ったのだろう」と思われるかもしれませんが、中国人旅行者の一人当たり消費額は前年並みです。消費が大きく減ったのは、ロシア、ベトナム、タイからの旅行者です。
外国人旅行者の消費額を費目別に見ると、買物代が平均5万7,420円であるのに対して、娯楽・サービス費は4,750円です。これはちょっと少ないのでは?と思います。
日本には外国人旅行者がお金を払ってまで体験しようという娯楽・サービスは少ないということなのでしょうか
神社仏閣を見たり町並みを見たりといのは、お金はたいしてかかりません。
もしかしたら、「日本て、お金使うところないね」と思ってたりして(笑)。
[参照]
p.s.
政府の発表によると7月に日本を訪れた外国人旅行者数は前年同月より16・8%多い268万1500人で、単月としては過去最高でした。しかし、1人1泊当たりの「娯楽サービス費」はわずか598円で、「買物代」の8%程度にとどまっているのです。
2017年7月19日水曜日
#カジノの客層とパチンコの客層はオーバーラップするのか?
カジノ識者の間では「カジノの客層とパチンコ・パチスロの客層は異なる」という考えが主流のようです。
では、日本にIR(統合型リゾート)ができたときにも、その施設内のカジノの客層はパチンコ・パチスロの客層とオーバーラップしないのでしょうか?
カジノ産業側から見たら、もしかしたら、「カジノの主なお客はパチンコ・パチスロユーザーではない。ごく一部に過ぎない」という結果になるかもしれません。
しかし、その<ごく一部>の人が、パチンコ業界にとって特に重要な客層だったら、パチンコ業界側としたら影響は小さくないですよね? では、そういう可能性はどのくらいあるのでしょう?
・
・
・
IR(統合型リゾート)ができてみないとわかりません。そのときに、どんな入場規制がされるのか、パチンコ業界がどうなっているのか、現時点ではわかりませんので。
ただし、もしもすぐに日本に(統合型リゾート)ができたら、その地域では「パチンコ・パチスロからカジノへの一定数の顧客流出が起こる」と思います。
こちらの記事には、根拠となる調査結果を挙げています。もちろん、異論もあるでしょうが。
では、日本にIR(統合型リゾート)ができたときにも、その施設内のカジノの客層はパチンコ・パチスロの客層とオーバーラップしないのでしょうか?
カジノ産業側から見たら、もしかしたら、「カジノの主なお客はパチンコ・パチスロユーザーではない。ごく一部に過ぎない」という結果になるかもしれません。
しかし、その<ごく一部>の人が、パチンコ業界にとって特に重要な客層だったら、パチンコ業界側としたら影響は小さくないですよね? では、そういう可能性はどのくらいあるのでしょう?
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IR(統合型リゾート)ができてみないとわかりません。そのときに、どんな入場規制がされるのか、パチンコ業界がどうなっているのか、現時点ではわかりませんので。
ただし、もしもすぐに日本に(統合型リゾート)ができたら、その地域では「パチンコ・パチスロからカジノへの一定数の顧客流出が起こる」と思います。
こちらの記事には、根拠となる調査結果を挙げています。もちろん、異論もあるでしょうが。
2017年7月16日日曜日
#人口密集地に住む人は遊びの選択肢が多い(当たり前か)
市場調査の結果の中には、「当たり前だろ!」「つまんない結果だな」とツッコみたくなるものがあります。そんなときは、「調査の精度が高かったってことさ、他の設問の結果も信ぴょう性が高いってことさ」と自分を納得させます。
娯楽系レジャーの参加状況の調査について書いた前回の続きみたいなものですが、この調査では全国を8つのブロックに区切り、それぞれのブロックの中で、性・年代ごとに一定の回収サンプル数を割り付けて、集計の際にウェイトバックしています。ですから、地域ブロック間の参加者率の違いを比較することができます。
パチンコ・パチスロの参加者率は、大都市圏では低いという結果です。
おそらく商業が集積していて娯楽がたくさんある。つまり、種目間の競争が激しい。容易に想像できますね。
では、首都圏や近畿圏以外の、人口密度が高くない県の中ではどうか? つまり、県の中で人口が集中しているとことろ、そうでないところでは、パチンコ・パチスロの参加者率に違いはあるのか?
結論から言うと、自分は、「違いはある」と思います。
そのものずばりの調査はないのですが、 総務省が5年ごとに実施している「社会生活基本調査」には、各種娯楽の行動者率(過去1年間にそれを遊んだ人の割合)の調査あり、「パチンコ」についても尋ねています。調査対象は全国の20万人です。かなり大掛かりな調査です。
この調査では、「人口集中地区」と「それ以外の地区」というブレイクダウン項目による集計結果を出しています。その結果、 全国レベルで見て、パチンコの行動者率は人口集中地区に住む人の方が低い。各都道府県でみてもやはり、人口集中地区に住む人のパチンコ行動者率の方が低い。
娯楽の少ない地域の人にとってのパチンコホールの存在感というのは、都市部の人にとってのそれとは異なるものなのでしょうね。
最新の 「社会生活基本調査」は昨年暮れに実施されました。パチンコの行動者率は8.5%(調査対象は10歳以上)で、5年前より1.5%ポイント減少。行動者率の減少幅が大きかったのは秋田県、島根県、静岡県、広島県、東京都、愛知県。
行動者率の減少のしかたは、地方も大都市も関係ないようです。
人口集中地区でない地区は、相対的に娯楽が少ないとはいえ、「パチンコ」の他にも何かしらの娯楽があるわけですからね。
近々、アミューズメントジャパンで記事にしてみようかと思います。
娯楽系レジャーの参加状況の調査について書いた前回の続きみたいなものですが、この調査では全国を8つのブロックに区切り、それぞれのブロックの中で、性・年代ごとに一定の回収サンプル数を割り付けて、集計の際にウェイトバックしています。ですから、地域ブロック間の参加者率の違いを比較することができます。
パチンコ・パチスロの参加者率は、大都市圏では低いという結果です。
おそらく商業が集積していて娯楽がたくさんある。つまり、種目間の競争が激しい。容易に想像できますね。
では、首都圏や近畿圏以外の、人口密度が高くない県の中ではどうか? つまり、県の中で人口が集中しているとことろ、そうでないところでは、パチンコ・パチスロの参加者率に違いはあるのか?
結論から言うと、自分は、「違いはある」と思います。
そのものずばりの調査はないのですが、 総務省が5年ごとに実施している「社会生活基本調査」には、各種娯楽の行動者率(過去1年間にそれを遊んだ人の割合)の調査あり、「パチンコ」についても尋ねています。調査対象は全国の20万人です。かなり大掛かりな調査です。
この調査では、「人口集中地区」と「それ以外の地区」というブレイクダウン項目による集計結果を出しています。その結果、 全国レベルで見て、パチンコの行動者率は人口集中地区に住む人の方が低い。各都道府県でみてもやはり、人口集中地区に住む人のパチンコ行動者率の方が低い。
娯楽の少ない地域の人にとってのパチンコホールの存在感というのは、都市部の人にとってのそれとは異なるものなのでしょうね。
最新の 「社会生活基本調査」は昨年暮れに実施されました。パチンコの行動者率は8.5%(調査対象は10歳以上)で、5年前より1.5%ポイント減少。行動者率の減少幅が大きかったのは秋田県、島根県、静岡県、広島県、東京都、愛知県。
行動者率の減少のしかたは、地方も大都市も関係ないようです。
人口集中地区でない地区は、相対的に娯楽が少ないとはいえ、「パチンコ」の他にも何かしらの娯楽があるわけですからね。
近々、アミューズメントジャパンで記事にしてみようかと思います。
文=田中 剛 (Amusement Japan 編集部)
#娯楽系レジャーへの参加者率 ~参加人口の定義のおさらい
アミューズメントジャパンは今年1月中旬に全国の18歳~79歳の男女を対象にアンケート調査を実施(※文末の調査概要を参照)し、主要なアミューズメント系レジャーの参加実態や今後の参加意向を調べました。
昨年1年間に主要な娯楽系レジャーに参加した(1回以上遊んだ)人の割合は下記の通りでした。
こうして見ると、いくら市場縮小傾向にあると言っても、パチンコ・パチスロの参加者率は高いですね。やはり全国に9900軒くらいありますので。たとえばボウリング場は全国に386軒(2014年)しかありません。映画館(スクリーン数ではなく施設数)はシネコン化により減少をたどり、現在では、全国に約600施設しかありません。全国の隅々にまで施設がある、すなわち「アクセスがいい」ということは、大きな参加人口を獲得するために必須のようです。
しかし今は、全国に9900軒あるレジャー施設よりもはるかにアクセスがいいレジャーがあります。インターネットを介したレジャーです。中央競馬の売上2兆6884億円のうち、「電話・インターネット投票」は実に64.8%を占めています〔下図参照〕。
さて本題ですが、遊技業界にとって重要な指標は下記です。
そして、昨年1年間に1回以上「パチンコ・パチスロを遊んだことがある」と回答した人の種目の内訳は下記の通り。
「パチスロのみ」という人が10.3%いるということは、パチンコを遊んだ人は89.7%ということです。つまり、昨年1年間に「パチンコもしくはパチスロ」を遊んだ人が全体の12.1%(推計1199万人)いて、その中の89.7%はパチンコを遊んだということですから、昨年1年間に「パチンコ」を遊んだ人は11.1%で推計1075万人となります。
上記が当方の推計です。
遊技業界が市場動向の目安としている『レジャー白書』(公益財団法人 日本生産性本部)の調査票は、以前このブログで書いた通り、「パチンコ」の参加状況を尋ねています。それを遊技業界は、<遊技参加人口>と捉えてきました。業界にとっては、参加人口を正確に推計することにさほど大きな意味はなく、増えているのか・維持しているのか・減っているのかを知る手掛かりにすることのほうが重要ですから、この推計で十分とえば十分なのです。
この『レジャー白書』によると、2015年の「パチンコ」の参加率は10.6%で、参加人口は1070万人です(2016年のレジャー活動を調査したレポートはまだ発表されていません)。
推計したパチンコ参加者人口の差は、わずか5万人です。かなりの近さだと思います。
〔注〕以前ご説明した通り、レジャー白書の調査対象は15歳以上、アミューズメントジャパンの調査対象は18歳以上なので、参加者率の分母が異なります。
ということは、もしも『レジャー白書』の調査票が、「パチンコ」ではなく、「パチンコもしくはパチスロ」となっていたら、遊技参加人口はいま発表されている数値よりも1割くらい増えるのではないかと思います。
とはいえ、前述のとおり、遊技参加人口が1075万人なのか、1199万人なのかは大した問題ではありません。横ばいか? 減ったのか? どのくらい減ったのか? ということです。
ただし、前述のとおり『レジャー白書』の調査では、「パチスロのみ」遊んだという人がカウントされない可能性が大きいので、パチスロ人気が高まって遊技参加人口が増えたり維持したとき、それが数値となって表れないという問題があります。
つまり、パチンコの遊技機の仕様が変更され、パチンコとパチスロを両方遊んでいたファンが「パチスロのみ」にシフトするようなことになった場合、 『レジャー白書』の調査では実態以上に大きくファンが減ったという数値がでるということです。
まあ、実態よりもいい数値が出て気を緩めるよりも、厳しい数値を前にして、危機感を強めて対策を考えるほうがずっといいような気がします(笑)。
最新版の『レジャー白書』は今月後半に概要版が発表されます。気になりますね。
[調査概要]
全国を8ブロックに分け、各ブロック内で性別、年代別に18歳~79歳の人数を割付け4732人から回答を得た。集計にあたっては、実際のブロックごとの性・年代の人口構成比に合うようにウエイトバック処理を行った。
【関連記事】
■統計データの読み方 レジャー白書とは?
https://tanaka-tsuyoshi-dts.blogspot.jp/2017/06/blog-post_30.html
昨年1年間に主要な娯楽系レジャーに参加した(1回以上遊んだ)人の割合は下記の通りでした。
- パチンコ・パチスロ……12.4%
- 中央競馬……9.3%
- 宝くじ・toto……28.5%
- ゲームセンター・ゲームコーナー……16.0%
- ソーシャルゲームなどオンラインゲーム(アイテム購入など有料プレイ経験者)……6.1%
- 海外のカジノ(オンラインを含まない)……0.9%
こうして見ると、いくら市場縮小傾向にあると言っても、パチンコ・パチスロの参加者率は高いですね。やはり全国に9900軒くらいありますので。たとえばボウリング場は全国に386軒(2014年)しかありません。映画館(スクリーン数ではなく施設数)はシネコン化により減少をたどり、現在では、全国に約600施設しかありません。全国の隅々にまで施設がある、すなわち「アクセスがいい」ということは、大きな参加人口を獲得するために必須のようです。
しかし今は、全国に9900軒あるレジャー施設よりもはるかにアクセスがいいレジャーがあります。インターネットを介したレジャーです。中央競馬の売上2兆6884億円のうち、「電話・インターネット投票」は実に64.8%を占めています〔下図参照〕。
さて本題ですが、遊技業界にとって重要な指標は下記です。
- 2016年のパチンコ・パチスロ参加者率は12.4%、参加人口は1199万人
そして、昨年1年間に1回以上「パチンコ・パチスロを遊んだことがある」と回答した人の種目の内訳は下記の通り。
- パチンコのみ……34.2%
- おもにパチンコ……15.5%
- パチンコ・パチスロそれぞれ同程度……21.8%
- おもにパチスロ……18.2%
- パチスロのみ……10.3%
「パチスロのみ」という人が10.3%いるということは、パチンコを遊んだ人は89.7%ということです。つまり、昨年1年間に「パチンコもしくはパチスロ」を遊んだ人が全体の12.1%(推計1199万人)いて、その中の89.7%はパチンコを遊んだということですから、昨年1年間に「パチンコ」を遊んだ人は11.1%で推計1075万人となります。
- 2016年のパチンコ参加者率は11.1%、参加人口は1075万人
上記が当方の推計です。
『レジャー白書』の推計値との違いは?
遊技業界が市場動向の目安としている『レジャー白書』(公益財団法人 日本生産性本部)の調査票は、以前このブログで書いた通り、「パチンコ」の参加状況を尋ねています。それを遊技業界は、<遊技参加人口>と捉えてきました。業界にとっては、参加人口を正確に推計することにさほど大きな意味はなく、増えているのか・維持しているのか・減っているのかを知る手掛かりにすることのほうが重要ですから、この推計で十分とえば十分なのです。
この『レジャー白書』によると、2015年の「パチンコ」の参加率は10.6%で、参加人口は1070万人です(2016年のレジャー活動を調査したレポートはまだ発表されていません)。
推計したパチンコ参加者人口の差は、わずか5万人です。かなりの近さだと思います。
〔注〕以前ご説明した通り、レジャー白書の調査対象は15歳以上、アミューズメントジャパンの調査対象は18歳以上なので、参加者率の分母が異なります。
ということは、もしも『レジャー白書』の調査票が、「パチンコ」ではなく、「パチンコもしくはパチスロ」となっていたら、遊技参加人口はいま発表されている数値よりも1割くらい増えるのではないかと思います。
とはいえ、前述のとおり、遊技参加人口が1075万人なのか、1199万人なのかは大した問題ではありません。横ばいか? 減ったのか? どのくらい減ったのか? ということです。
ただし、前述のとおり『レジャー白書』の調査では、「パチスロのみ」遊んだという人がカウントされない可能性が大きいので、パチスロ人気が高まって遊技参加人口が増えたり維持したとき、それが数値となって表れないという問題があります。
つまり、パチンコの遊技機の仕様が変更され、パチンコとパチスロを両方遊んでいたファンが「パチスロのみ」にシフトするようなことになった場合、 『レジャー白書』の調査では実態以上に大きくファンが減ったという数値がでるということです。
まあ、実態よりもいい数値が出て気を緩めるよりも、厳しい数値を前にして、危機感を強めて対策を考えるほうがずっといいような気がします(笑)。
最新版の『レジャー白書』は今月後半に概要版が発表されます。気になりますね。
[調査概要]
全国を8ブロックに分け、各ブロック内で性別、年代別に18歳~79歳の人数を割付け4732人から回答を得た。集計にあたっては、実際のブロックごとの性・年代の人口構成比に合うようにウエイトバック処理を行った。
文=田中 剛 (アミューズメントジャパン編集部)
【関連記事】
■統計データの読み方 レジャー白書とは?
https://tanaka-tsuyoshi-dts.blogspot.jp/2017/06/blog-post_30.html
2017年7月8日土曜日
#運用に失敗し5兆円もの資産を失ったGPIFのその後
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)ってご存知でしょうか?
厚生年金保険事業及び国民年金事業の運営の安定に資することを目的として、年金積立金の管理及び運用を行っている独立行政法人です。
丸1年前に「2015年度の損失が約4兆7000億円に上る」との試算をもとに「運用失敗!!」と民進党が大バッシングしてメディアも大きく取り上げていました。
しかしこれ、そんな短期的に一喜一憂するようなものではないのです。民間企業が4兆7000億円もの運用損を出したら吹き飛ぶでしょうが、GPIFは世界最大の年金基金です。繰り返しますが、世界最大です!
そもそも、「運用に失敗して約5兆円も吹き飛ばした」と批判された15年度の前年はどうだったかというと、約15兆円ものプラスです。
そして先日報道されましたが(どのくらい大きなニュースになっているのか自分はわかりませんが)、16年度の運用収益は黒字に転換し収益額は約7兆9000億円。そして、年度末の運用資産額は過去最高の144兆9034億円です。
整理しますとこうです。
・2014年度の収益額は約15兆円
・2014年度末の資産運用額は137兆4769億円(この時点では過去最高)
・2015年度の損失額は約5兆円 ←民進党、メディアが大騒ぎ
・2016年度の収益額は約8兆円
・2016年度末の資産運用額は144兆9034億円(過去最高を更新)
いくら運用額が過去最大といっても、年金受給者がどんどん増えてかつ昔よりも長生きですから、「資金は枯渇するのでは?」と思っている人は少なくないと思います。そして、「将来、年金なんて見込み通りもらえるかわからない。どうせ縮小されちゃうんだろ」と思ってる人も多いと思うのです。
ボクはこれ、ちょっと違うんじゃないかなと思うのです。つまり、「年金は、かなり予定通りに支給されるだろう」ということについて、昔FBに書いたことをもとに改めて書いてみます。
以前、居酒屋で年金の話になりました。相手の方から「キミはずいぶん国を信じてるんだね」と言われ、「国はいろんな手を使って帳尻合わせをすると思う」と答えたんです。増税とかね。そもそも、人口が減って社会保険料収入が減ってるから、すでに<国庫負担率の引き上げ>という手を打っているんです。「現役世代が上の世代を支える」という形(世代間扶養)は破綻してるといえば破綻してる。でも、将来にわたって給付するための仕組み(大量の税金を投入する)は作られてる、という感じですね。
居酒屋での議論の後日、半日かけて調べなおしました。ヒマだったんで。
年金給付の主たる財源は、現役世代の支払う年金保険料です。その現役世代の人口が減って、多勢の年金受給者を支えなきゃならないから、「年金制度は破綻してる」と表現されることがあります。しかし、先に書いたように、現役世代の負担だけで給付を賄うのは無理になってるので、とっくに税金(国庫負担金)が投入されてます。基礎年金給付の2分の1は税金です。※2009年に引き上げられました。
GPIFの積立金を取り崩しながら給付してるわけじゃないんです。年年金の主な財源はあくまでも、<現役世代が払う保険料+税金>です。
株価暴落で22兆円も吹き飛んでしまった公的年金積立金ですが(※16年1月に国会質問に答える形で政府は「年金運用の最大損失額は21兆5000億円」と発表した)、16年1月の資産の時点でさえ、残高はざっくり120兆円くらいでした。この120兆円くらいあるGPIF積立金の中から国民年金や厚生年金の給付にどれくらいを支出しているのかというと、年間約5兆円ある国民年金の給付に回してる(納付金)のは数千億円程度(2013年は1731億円)、約39兆円ある厚生年金の給付に対しては2兆円くらい(同1兆9384億円)です。
国民年金給付への国庫負担率は50%近いですが、厚生年金給付への国庫負担率はまだ21%くらい。
たしかに保険料収入は少くて、年金受給者への給付にまったく足りない。けど、「過去の積立金はすぐに枯渇しないように小出しにしよう。その代わりに、大量の税金を投入しよう」という仕組みを作ってある。ですから、意外と年金は予定通り給付されると思うんです。
その代わりに増税することは間違いありません! どうにもこうにも避けようがない(労働人口が増えれば話は別ですが)。
厚生年金の支給年齢引き上げが決まった(厚生年金保険法が改正された)のは1985年、バブル好景気真っただ中でした。支給開始年齢の引き上げはすでに終わりの段階にあり、これ以上の引き上げをするには法改正が必要です。ですが、法改正をすれば引き上げることができるわけですから、今後、支給開始年齢が引き上げられる可能性は十分ありますけどね。
厚生年金保険事業及び国民年金事業の運営の安定に資することを目的として、年金積立金の管理及び運用を行っている独立行政法人です。
丸1年前に「2015年度の損失が約4兆7000億円に上る」との試算をもとに「運用失敗!!」と民進党が大バッシングしてメディアも大きく取り上げていました。
しかしこれ、そんな短期的に一喜一憂するようなものではないのです。民間企業が4兆7000億円もの運用損を出したら吹き飛ぶでしょうが、GPIFは世界最大の年金基金です。繰り返しますが、世界最大です!
そもそも、「運用に失敗して約5兆円も吹き飛ばした」と批判された15年度の前年はどうだったかというと、約15兆円ものプラスです。
そして先日報道されましたが(どのくらい大きなニュースになっているのか自分はわかりませんが)、16年度の運用収益は黒字に転換し収益額は約7兆9000億円。そして、年度末の運用資産額は過去最高の144兆9034億円です。
整理しますとこうです。
・2014年度の収益額は約15兆円
・2014年度末の資産運用額は137兆4769億円(この時点では過去最高)
・2015年度の損失額は約5兆円 ←民進党、メディアが大騒ぎ
・2016年度の収益額は約8兆円
・2016年度末の資産運用額は144兆9034億円(過去最高を更新)
いくら運用額が過去最大といっても、年金受給者がどんどん増えてかつ昔よりも長生きですから、「資金は枯渇するのでは?」と思っている人は少なくないと思います。そして、「将来、年金なんて見込み通りもらえるかわからない。どうせ縮小されちゃうんだろ」と思ってる人も多いと思うのです。
ボクはこれ、ちょっと違うんじゃないかなと思うのです。つまり、「年金は、かなり予定通りに支給されるだろう」ということについて、昔FBに書いたことをもとに改めて書いてみます。
以前、居酒屋で年金の話になりました。相手の方から「キミはずいぶん国を信じてるんだね」と言われ、「国はいろんな手を使って帳尻合わせをすると思う」と答えたんです。増税とかね。そもそも、人口が減って社会保険料収入が減ってるから、すでに<国庫負担率の引き上げ>という手を打っているんです。「現役世代が上の世代を支える」という形(世代間扶養)は破綻してるといえば破綻してる。でも、将来にわたって給付するための仕組み(大量の税金を投入する)は作られてる、という感じですね。
居酒屋での議論の後日、半日かけて調べなおしました。ヒマだったんで。
年金給付の主たる財源は、現役世代の支払う年金保険料です。その現役世代の人口が減って、多勢の年金受給者を支えなきゃならないから、「年金制度は破綻してる」と表現されることがあります。しかし、先に書いたように、現役世代の負担だけで給付を賄うのは無理になってるので、とっくに税金(国庫負担金)が投入されてます。基礎年金給付の2分の1は税金です。※2009年に引き上げられました。
GPIFの積立金を取り崩しながら給付してるわけじゃないんです。年年金の主な財源はあくまでも、<現役世代が払う保険料+税金>です。
株価暴落で22兆円も吹き飛んでしまった公的年金積立金ですが(※16年1月に国会質問に答える形で政府は「年金運用の最大損失額は21兆5000億円」と発表した)、16年1月の資産の時点でさえ、残高はざっくり120兆円くらいでした。この120兆円くらいあるGPIF積立金の中から国民年金や厚生年金の給付にどれくらいを支出しているのかというと、年間約5兆円ある国民年金の給付に回してる(納付金)のは数千億円程度(2013年は1731億円)、約39兆円ある厚生年金の給付に対しては2兆円くらい(同1兆9384億円)です。
国民年金給付への国庫負担率は50%近いですが、厚生年金給付への国庫負担率はまだ21%くらい。
たしかに保険料収入は少くて、年金受給者への給付にまったく足りない。けど、「過去の積立金はすぐに枯渇しないように小出しにしよう。その代わりに、大量の税金を投入しよう」という仕組みを作ってある。ですから、意外と年金は予定通り給付されると思うんです。
その代わりに増税することは間違いありません! どうにもこうにも避けようがない(労働人口が増えれば話は別ですが)。
厚生年金の支給年齢引き上げが決まった(厚生年金保険法が改正された)のは1985年、バブル好景気真っただ中でした。支給開始年齢の引き上げはすでに終わりの段階にあり、これ以上の引き上げをするには法改正が必要です。ですが、法改正をすれば引き上げることができるわけですから、今後、支給開始年齢が引き上げられる可能性は十分ありますけどね。
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