2020年5月6日水曜日

パチンコ業界の広報は十分だったのか

アメリカのカジノ産業(※)が創出してる雇用は180万人、経済波及効果は2610億ドル、納税額は410億ドル(約4兆1000億円)──。


政府の緊急事態宣言が出された後も営業を続けている店舗があるとして、パチンコが激しく非難されているけど、100%いや95%以上休業していることが確認されている業態はあるのだろうか? 飲食業界に対するバッシングは起こっていないようだけど、20時以降も営業している飲食店はゼロなのだろうか?

パチンコ業界もカジノ業界のように、「雇用○万人」「経済効果○兆円」「納税○億円」と掲げて、「我々には存在意義がある!」「大きな納税貢献をしている」って感じの広報をしてきたら、世間からのバッシングはもう少し小さいもになっていたのではないかと思う(カジノ業界だってそれぞれの国で批判はある)。
いまなお20兆円産業であり90%以上の組合加盟店率を誇る業界団体があるにもかかわらず、残念ながらパチンコ業界について正確な統計が集められていないし、世間に向けた正しい情報発信・広報活動も目につかない。また、ゲーミング税がないため、上記のような納税額のアピールができない。

「パチンコ税を課せばよいではないか」と考える人もいると思うが、それが適切なのかという疑問もある。
世間の多くの人は混同していると思うけど、カジノや公営ギャンブルが「本来は刑法上は違反だけど特別に許可している」というものであるのに対して、パチンコ事業はそもそも違法ではない(当然、刑法や風営法に違反すれば取り締まりの対象となる)。法律上、パチンコは賭博ではあるけど、“一時の娯楽に供する物を賭かけたにとどまる” ため、刑法違反の範疇には入っていない。風適法で許可された事業であり、風適法を守ってる限り違法ではない。
このようなそもそも違法でない娯楽事業に対して一方的に特別な税を課すのは無理があるというか、理由がないように思う。


ちなみに、パチンコホール業界(全日遊連、各都府県方面遊協、各支部組合、各パチンコホール)が2017年1月から12月までに行った社会還元拠出の総額は14億1202万2421円(1万1383件)。「20兆円産業」と呼ばれる業界が社会貢献として、総売上高の0.007%(粗利の0.04%)を拠出していることを、世間はどれだけ評価してくれるだろうか? 声を大にして言ったほうがよい額なのだろうか?

注:ここでいう「カジノ産業」とは、ゲーミング売り上げだけでなくカジノ施設が有するF&B施設や宿泊施設、調達先や外注先事業者を含む。総雇用者数や経済波及効果も同様に、カジノ産業を非常に広く定義した数値。

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