フローレンス・ナイチンゲール、ご存知ですよね? マザー・テレサと並ぶ女性偉人で、子ども向けの偉人伝シリーズには大抵、選出されていると思います。
自ら志願し看護団を率いて、クリミア戦争の戦線に赴き、負傷兵たちを献身的に介抱し看取りました。たしか34歳くらいだったと思います。当時、病院のディレクター職にありましたから、「率いて」という形なんです。写真からも伝わってくるように、ものすごく意志が強い人だったようです。
子ども向けの偉人伝にどう書かれているか、実は知らない(忘れている)のですが、この当時のイギリスでは看護職はかなり地位が低く見られていたのです。ですから社交界デビューも果たした良家の出身である彼女は、看護の道に進むことを親からものすごく反対され、周囲からは「お金持ちのお家の不思議ちゃん」扱いだったことでしょう。
まあ、たしかに不思議ちゃんかもしれません。
ご存知の方は少ないと思いますが、現在、ナイチンゲールは統計学者と見られています。
イギリスでは「統計学の先駆者」と評されていて、後年にはアメリカの統計学会の名誉会員にも選ばれています。
戦地の後方基地の病院で傷病兵の看護をしながら、戦死の本当の原因に気づきます。「衛生状態」ですね。
彼女たちのチームは戦地の病院の膨大な報告書の分析に取り掛かり、仮説の裏付けを行いました。
彼女のすごいところは、「こうすれば死亡率を下げられる」という衛生状態向上の提言をするために、データの分析結果を、専門家でないヴィクトリア女王でも理解できるよう視覚化したことです。
まだ棒グラフも円グラフもない時代に、独自のグラフを考案したんです。時計のように円形に時間軸をとった、円グラフと積み上げ棒グラフが混ざったような不思議なグラフです。
すごいことを考えついたものだと思います。
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