政府のIR推進会議(正式名称は特定複合観光施設区域整備推進会議)は7月31日に、これまで行ってきた有識者会議の議論を整理した「取りまとめ(案)~観光先進国の実現に向けて」を公表しました。
この概要を説明するとともに、個人・団体の意見表明を受け付ける場として、8月17日の東京を皮切りに29日まで、全国9都市で公聴会を行ってきました。
この取りまとめでは、日本人からはカジノ施設の入場に際して入場料を徴収すると書かれています。これはシンガポールの制度を参考にしてきたIR議員連盟がずっと提案として掲げてきたことでもあります。
そういうわけですので、日本にカジノができた場合、日本人に対してはシンガポールのように、7000円前後の入場料が課せられるでしょう。これをもって、「入場料を払わなければならないカジノとパチンコでは客層が異なるはずだ。客層はかぶらない」という意見もあります。
はたしてそうでしょうか?
勝つつもりでゲームに参戦するプレイヤーにとって、7000円という入場料は大きなハードルでしょうか?
例えば競馬は投票券の売り上げからまず25%を差し引き、残りの75%を投票者で分配するゲームです。月間に3万円の投票券を買うということは、7500円の参加料を払っているということです。そして、パチンコ・パチスロ参加者の30%-40%は競馬も遊んでいるというデータがあります。
つまり、一定数のパチンコ・パチスロ参加者にとって、7000円の入場料などたいした障壁ではない。自分はそんなふうに思います。
実際のところ、シンガポールのカジノで実施している入場料徴収は、依存防止対策として機能しているということが、医学的に確立されているわけではないのです。専門家の間ではむしろ、「入場料分を取り返そうという気持ちが働くので、むしろ危険性が高まるのではないか」という意見もあります。
もしかしたら、日本版IRのカジノ入場料は、もっと低く設定されるかもしれません。
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