8月8日の日経新聞(WEB)が「観光公害、マチュピチュやイースター島で広がる 」というタイトルの記事を配信しています。
◆世界の有名観光地で観光客の滞在を規制したり、流入に地元住民が抗議したりする例が相次いでいる。
◆観光客の増加で、観光地の受け入れ体制整備が追いつかず、環境汚染(ゴミの処理が追い付かない)や地元住民との摩擦が「観光公害」として表面化してきた場所がある。 というもの。
日本でもすでにその兆しはあると思います。
自分が昨年、京都を訪れたときにもそれを感じました。
錦市場はまるで東京の通勤電車内のような混雑ぶりで、その多くは明らかに観光客。この市場通りは「市民の台所」の役割も担っていたので、いまでもここで日常の食材を買いに来るお年寄りは多い。しかし、とてもじゃないが今、地元の人が錦市場で買い物をする気にはならないでしょう。
伏見稲荷大社も大変な賑わいっでした。正確に言えば、そこに向かうJR奈良線から千本稲荷までずっと、大勢の観光客がいた。
外国人観光客を観察しながら、駅と千本稲荷を往復しましたが、彼らは全然お金を遣っていない。せいぜいソフトクリームを買ってるくらい。千本稲荷のトンネルを歩くのにお金はかかりませんので。
観光客が増えればその町は潤うと期待しているわけですが、お金を使わない観光客は町にとってはむしろ負担になります。
どうすればよいかは、2つの考え方があります。
ひとつは、お金を遣ってくれる観光客にフォーカスして誘致活動をする。
もうひとつは、お金を遣ってくれるような○○○を作る。
後者は、「滞在時間を延ばすために宿泊施設を作る(その地でのFB売上も増える)」「外国人観光客向けに新サービス(着物・忍者・瞑想体験etc.)を提供する」など。
現状、訪日外国人旅行者の、<体験>への支出である「娯楽サービス費」は1人1泊あたりたったの600円です。これは「買物代」の8%に過ぎません。
TDLやUSJやロボットレストラン(笑)に来ている外国人観光客が大勢いるのも事実ですが、そこに行かない外国人観光客が圧倒的多数であり、平均したら娯楽サービスにはたったの600円/日しか遣っていないのが現実なんです。お金を払ってでも体験したい魅力的なコンテンツが日本にないのかもしれないですね。
昨年1年間に日本を訪れた外国人は約2800万人でした。政府はこれを2020年に4000万人に、2030年に6000万人にするという目標を掲げています。数を増やすと同時に、1人あたり消費額を上げるという戦略が必要でしょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿