2020年10月22日木曜日

消費者起点 vs 製品起点 視座の違いかな?

都道府県ごとに病床(入院ベッド)の数はけっこうちがいます。東京には約13万床、鳥取県には約1万床。

鳥取県、少ねー!

まあ当然ですよね、人口が違うんですから。

東京都と鳥取県を直接比較することには、あまり意味がないですよね。

じゃあどうするのかというと、「単位量当たり」という考え方があります。これは小学校の算数で習います。

例えば、人口1,000人当たりとか。


ちなみに、東京都の病床数は9.5床/千人で鳥取県は16.0床/千人。何かあったとき、すんなり入院できそうなのは鳥取県の方のようですね!


もし住みやすさを比較するときには「安全」もひとつの要素かもしれません。どっちの県のほうが犯罪が多いのか、とか。

それなら、人口当たり刑法犯認知件数、人口当たり交通事故件数といった統計情報が指標になるかもしれません。


どれくらい便利なのかを比較したければ、人口当たり飲食店数とか人口当たりコンビニ店舗数などが指標になるでしょう。

ちなみに、人口当たりコンビニ店舗数が最も多いのは北海道で10万人当たり57.0店。2位は山梨県、3位は東京都。

自家用乗用車の普及状況は、1位は群馬県で1人当たり保有台数は0.677台。47位は東京都で1人当たり保有台数は0.231台。

住人1人当たりの図書館数、蔵書数といったデータもあります。


いろんな省庁や業界団体が、こういった「単位量当たり」の数値を公表してますが、多く用いられているのは「人」を分母にした「人口当たり」です。それを見れば、居住者にとってのアクセスの良さや、居住者のニーズの大きさを比較できます。

要するに<人を起点とした見方>です。


繰り返しますけど、「人口当たり」で見ると、居住者にどれだけ供給されているかとか、どれだけ普及しているかを比較できます。


単位を逆にとると、他の指標との比較が見にくくなります

どういうことかというと、「人口1人当たり自家用自動車保有台数は○○台」と「コンビニ1軒当たり人口は△△人」というデータが並んでいるとき、分母に使っている単位が異なるので、比較するにはどちらかを変換する必要があります。

そもそも(これのほうが大きな問題だと思うのですが)、「自家用自動車1台当たりの人口」とか「スマートフォン1台当たりの人口」というのは製品起点の見方であり、『居住者にとっての~』という視座ではありませんよね。

だから大抵の場合、こういった統計は「人口当たり」で表現されます。

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しかしですね、思いっきり例外なのがパチンコ産業です。

これまでいろんな団体や会社が作った資料を見ましたが、ほぼ「遊技機1台当たり人口」という表現です。

それを見るたびに、視座というか、考えの起点があくまでも遊技機なのだな、と思います。



良い、悪いという話ではなく、「発想の違いを感じる」という話です。

付け加えると、人口のように短期間で変動しないものを分母におけば、単位量当たりの数値の増減を見たときに、「分子」に増減があったのだろうと直感的に分かります。



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