2016年8月14日日曜日

#競合と繰り広げているのは「選好度」の争奪戦

「あるカテゴリーにおける購入時のブランド選択は、消費者のそれぞれのブランドに対するプレファレンスによって決まる確率に従い、その時点でどのブランドが選択されるかはランダムに決まっている」

これは2010年以降、60以上の施策を成功させ(成功確率は98%以上)、USJをV字回復させたマーケター、森岡毅氏が説く、「購買行動を支配する4つの法則」のひとつ。

消費者は誰しも「買ってもいいな」「どれにしようかな」と思ってる複数の候補(エボーク・セット)を持っています。その中からどれがランダムに選ばれると言っているのです。ここでいうランダムとは、すべての候補商品が均等に選ばれるという意味ではなく、「好き」の度合いを反映した、それぞれが持つ確率に基づいているという意味です。ですから、以下のことも4つの法則のひとつに挙げています。

「あるカテゴリーにおける消費者のブランド選択は、プレファレンスの順位が高ければ高いほど、購入確率がより高くなる傾向にある」

一見難しそうでいて、実は非常にシンプルですよね。自社商品が選ばれるには、認知されていて、買おうと思えば買える状態にあり、なおかつ「買いたい」「買ってもいい」と思ってもらっている(=ある程度の好意度がある)ことが前提です。でないと、選択の土俵に乗れません。

市場内における競合社、競合商品との競争は、本質的には、「延べ購入回数におけるシェア」の争奪戦、すなわち「消費者の購入意思決定の争奪戦」だと森岡氏は言います。
購入意思決定はプレファレンスによって決まるので、プレファレンスの向上なしに売上は向上しない。よって、プレファレンスの向上にこそ経営資源を集中するべき。

森岡氏は「数学マーケティング」の力でUSJの施策を成功させてきましたが、基本となる考えは、このように非常にシンプルなものなんです。


[備考]
プリファレンス/プレファレンス(preference)とは、好み、贔屓、選好、優先などの意味で、市場調査では選好度と訳される。

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