2017年3月5日日曜日

#「コンパクトだけど駅近」物件への回帰

高齢化社会になって郊外の商業施設の集客力はだんだんと落ちていくと思うのです。

人口や消費の郊外化というのは、逆の言い方をすれば、中心部の空洞化です。駅に近い商店街の「シャッター通り」化が起こりました。

しかし、郊外に作られたファミリー向け一戸建て住宅、マンションから、子どもが巣立ち、残ったのは老人ばかり。クルマの運転に支障が出てしまえば、クルマでの移動を前提とした生活は、お年寄りにとって不便極まりない。「そんな人がこれからどんどん増えるだろうな」と思っていたわけです。

これは10年くらい前から思ってたことなんです。この兆候を示すはっきりとした統計は見つけていませんが。きっと、郊外の大型商業施設は、集客を落とさないよう、循環バスを走らせるなどの対策をしているからなのでしょう。イオンモールの場合、ほぼバス停があります。

イオンモールの出店地ですが、北海道エリアの最新店舗は「旭川駅前」(2015)。東北エリアの際新店舗は2018年開業予定の「イオンモールいわき小名浜」で、駅近くではないものの目の前に住宅地が広がるという場所。中部エリアの最新店舗「イオンモール長久手」(2016)はリニモという交通機関の駅前。近畿エリアの最新店舗「イオンモール堺鉄砲町」(2016年)は南海本線の七道駅前
中部エリアの最新店舗「イオンモール出雲」は...鉄道駅からも住宅地からも離れてますね(笑)。

ちなみにイオンは、2012年には「都市シフト」をスタートしていて、都心型小型スーパーマーケット「まいばすけっと」、都心型小型DS「アレコ」の出店加速の方針を打ち出し店舗を拡大中です。

人の動きから見ると、「定年後に一戸建ての持ち家からマンションへの住み替えが目立っている」という記事を2015年9月にYOMIURI ONLINEが掲載しています。一戸建ての場合、庭の手入れ、地域によっては雪下ろし雪かきが大変ですから。それに足が弱くなると、家の中にある段差が不便に感じます。かくいうボクの両親も数年前、駅から遠い郊外の一戸建て暮らしをやめて駅近くのコンパクトマンションに引っ越しました。

人が集まって暮らし、「小さな街」であったほうが、自治体としても助かるのです。補助金や税制優遇などを使って、商業施設や居住区を集約しようと誘導しています。

商業施設の出店地は、当然ながら人の動きに合わせてます。郊外から撤退する店舗もあるでしょう。撤退が起こると商業集積が崩れ(だんだんと"集積地"でなくなる)、エリアとしての集客力低下が起こります。


逆に言えば、いま駅前商店街の中で苦戦しているお店(業種にもよりますが)はたくさんありますが、少し長い目で見ると、実は今、追い風の中にあります。「追い風」というよりも、「揺り戻し」みたいなことでしょう。
商店街の中で廃業してシャッターを下ろしているお店、意外にもなかなか貸してもらえません。出店を考えてる企業は、早くからそういう場所で物件探しを始めています。ホール業界も、「コンパクトだけど駅近」という物件が見直される時期だと思います。

駅前商店街の復興は地域の人々が願ってることですからね。

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