それは経営者だって従業員だって同じでしょう。
この本『不安があってもくじけない』(中央公論社)は、知り合いの経営者が、「従業員に薦めたい本」として紹介して下さいました。
著者Mark A. Reinecke氏は精神医学、行動学博士。原文のタイトルに近いのは、サブタイトルの『心を落ち着けて前に進むための20のレッスン』です。
不安というのは、脳が発する「警報」ですから、もしかすると起こるかもしれない脅威や危険を回避するのに役立つことがあります。
でも、度を超えて絶え間なく不安を抱いていると、精神的にも肉体的にもすり減ってしまいますよね。
著者は、不安を感じたら、
“何よりも重要なのは正確な事実を把握し、正確な評価を下すことです。”と言います。
そうは言われても、正確な事実を把握するなんて...って気がしますが。
具体的には、次の質問を自分に問いかけるように言っています。
人生において最も気がかりな問題は何か? それがどのような結果を招くことを最も心配しているのか?
それが実際に起きる可能性は、現実的に考えてどれほどか?
それが実際には起きない可能性があるとしたら、その理由は?
把握しているすべての事実に基づいて考えると、最も可能性の高い結末は?
その結末に対処するにあたって、自分にはどのようなスキルがあるか?
“最も可能性が高い結末”については、なるべく詳細にノートに書きだすことを薦めています。現実的でないことは線を引いて消してしまいます。
この作業をやるだけで、「漠然とした不安」がけっこう減るように思います。
他にも、知っておくべきこととして、
“将来何が起こるかをあらかじめ知ることはできない。よって保証などというものはない”ことが挙げられています。
これは厳しい現実です。危険や未知の出来事に直面しすると、安心感を得ようとして、「大丈夫だ」という確証を得ようとしますが、それを得ることはできないのです。どうやら、「確証を得たい」という欲求を手放すほかないようです。
本書は、「20のレッスン」と名付けられているように、各章の末尾に問いかけがあります。「何について考えるべきか?」を提示してくれているわけです。これは、モヤモヤとして不安状態から脱する助けになりそうです。
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