まず、原則。
雇用保険の被保険者が離職して、基本手当(いわゆる失業保険、失業給付のこと)が支給されるのは以下の場合です。
- ハローワークに来所し、求職の申込みを行い、
- 就職しようとする積極的な意思があり、
- いつでも就職できる能力がある
- にもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない「失業の状態」にある。
ですから、次のような状態にあるときは基本手当を受けることができないのです。
- 病気やけがのため、すぐには就職できないとき
- 妊娠・出産・育児のため、すぐには就職できないとき
- 定年などで退職して、しばらく休養しようと思っているとき
- 結婚などにより家事に専念し、すぐに就職することができないとき
妊娠・出産・育児のため、すぐには就職できない場合、失業保険はもらえないのです。ずっともらえないわけではなく、上記に該当しない状態になった場合、すなわち、「働くつもり」になり、「就職できる」状態になり、それにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない「失業の状態」にあれば、支給を受けることができます。
給付が受けられる期限は、原則として、離職した日の翌日から起算して1年間です。 「働くつもり」になり、「就職できる」状態になったときに受給期間を過ぎていると、なかなか仕事が決まらない場合に、困ってしまいます。
そのため、本人の病気やケガ、妊娠、出産・育児、親族等の看護・介護等のために退職後引き続き30日以上職業に就くことができない状態の場合、受給期間の満了日を延長することができる制度があるのです。
注意点は、この「受給期間延長申請」は、申請できる期間が限定されているということ。離職から2カ月以内です。より正確にいうと、 「職業に就けない状態の31日目から1か月以内」です。
参考までに
以下、ハローワークインターネットサービスのQ&Aです。
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Q9.
出産や親族の介護、病気などにより退職したのですが、雇用保険は支給されないのですか。
A9.
雇用保険の基本手当を受けられる期間は、離職した日の翌日から起算して1年間で、これを「受給期間」といいます。実際の給付はこの受給期間中の失業している日について、所定給付日数を限度として支給されます。例えば、勤続年数15年の自己都合退職者の所定給付日数は120日ですので、受給期間中の120日分の基本手当が支給されることとなります。このため、退職してから求職の申込みが大幅に遅れた場合、所定給付日数分の基本手当がもらえなくなることがありますので、ご注意ください。
さて、この受給期間については、本人の病気やケガ、妊娠、出産・育児、親族等の看護・介護等のために退職後引き続き30日以上職業に就くことができない状態の場合、受給期間の満了日を延長することができます。これによって、本来の受給期間(1年)に職業に就くことができない状態の日数(最大3年間)を延長させることが可能となります。
延長の手続については、職業に就けない状態の31日目から1か月以内に、受給期間延長申請書に離職票(受給資格の決定を受けていない場合)又は受給資格者証(受給資格の決定を受けている場合)を添付のうえ、公共職業安定所に提出してください。
受給期間の延長申請は、公共職業安定所への来所、郵送又は代理人による申請も可能ですので、申請方法については公共職業安定所におたずねください。
参照 https://www.hellowork.go.jp/member/unemp_question02.html
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[補足]
雇用保険の失業給付を受けるには、いったん扶養から外れる必要があります。健康保険証(被扶養の)を返却し国民健康保険に加入し、国民年金は3号から1号に変更する必要があります。
※これは雇用保険の基本手当日額が3,611円を超える場合です。扶養に入る前にフルタイムで働いていた場合、たいていは超えます。
※国民健康保険料、国民年金保険料の支払いが発生します。しかし、受け取れる失業給付の額の方が多いので、たいていの場合はこの手続きをします。
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