2017年5月30日火曜日

#オンラインカジノが日本に広まったときパチンコ店は?

庶民のギャンブル的娯楽の主戦場は間違いなく、オンラインに移行するな。


その兆しはすでに顕在化していて、JRAの売上に占めるインターネット投票の上の割合の高さ。※昨年JRAを取材したけどいま手元でその数値はわからない。


また、競輪が2014年度から導入した無観客レースは、運営コストの削減だけでなく、「時間の制約」から脱したことが成功の要因だと思う[観客を入場させないから遅い時刻のレースを組める)。大前提は、オンラインできるのかも投票できるインフラがあったこと。


こういうのは市場統計として表に出てきているけど、表に出ないところで大きくなっていると思われるのが、オンラインカジノ。日本からの参加は明確に違法だけど、取り締まりは非常に難しいと思う。


日本だけの問題でなく、世界的にオンラインカジノは成長していると思う。フィリピンPAGCORは昨年、オンラインカジノ運営事業者にライセンス発給を始めたところ、いまオフィス需要がものすごく増えているそうだ。ライセンスを得たオンラインカジノ事業者(Philippine Offshore Gaming Operators)はオフィスを置き、サーバーを置かなければならないから。


ある記事では、フィリピンはではオンラインカジノ事業者によるカジノ売上は年間22億円を見込んでいるといいます。


In the Philippines, PAGCOR forecast an additional P10 billion in annual revenues from Philippine Offshore Gaming Operators (POGO) licenses.


フィリピンがどうこういうわけではないけど、オンラインカジノはどこかの国でライセンスを得てしまえば、世界中のユーザーを相手にカジノゲームを提供できる。中には、日本からの参加は法律違反なのに、明らかに日本人を対象にした(日本語の充実や営業時間の設定)サービスを提供する事業者もある。


先にも書いたように、オンラインカジノの参加を取り締まるのは非常に難しい。それゆえ、「それならば、国の監視・管理のもとで認めた方がよいのでは」という議論がいつか出てくるでしょう。


メリットは、「過度ののめり込み対策ができる」「反社会的勢力の資金源を断つことにつながる」「課税できる」など言いようはある。


個人的には、日本ではオンラインカジノはあまりに危険な気がします。スマホゲームにこれだけ熱中する国民ですから、はまり込んで社会問題化するのは必至です。


それゆえに、身分証明書と紐付いた会員制にして、全ユーザーの履歴を管理するような仕組みが必要だと思います。


シャットアウトできないなら、管理する方がいい。


ギャンブル的娯楽の主戦場がオンラインに移行したとき、ランドベースであるパチンコ店はどうなっているでしょうか? というより、どうなっていたいという絵(ビジョン)を描いているのでしょうか?

2017年5月27日土曜日

#英ゲーミング産業 オンラインカジノ総収益が前年比7%増加

英国ギャンブリングコミッション(UKGC)によるゲーミング業界統計は、年に2回(5月と11月に)発行され、UKゲーミングコミッションが監督する対象の各セクターの最新情報を提供している。ここには英国の顧客に提供されるオンラインギャンブルサービスを含んでいる。最新の統計である、2015年10月から2016年9月の期間の市場統計が5月25日に発表された。

イギリスのゲーミング産業の総収益(GGY)は138億ポンド(約177億ドル)で前年より2.9%増加。
拡大を牽引しているリモートセクター(オンラインの betteing, bingo, and casino games)の総収益は前年より7.1%増加し45億ポンド( 58億ドル)。産業総収益の32%を占めた。リモートセクターのうち、カジノゲームによる総収益は24億ポンド(31億ドル)で、その過半数の15.8億ポンドをスロットゲームが占めた。
成長が見られなかったセクターはビンゴと全国宝くじ。


なお、英ゲーミング産業の主要指標は下記の通り。
  • 総従業員数……10万6678人(2016年9月時点)
  • ランドカジノ……147施設(〃)
  • ライセンスを得たアーケード……1729店(〃)
  • ベッティング・ショップ……8788店(2017年3月時点)
  • ビンゴ場……583店(〃)
  • ランドカジノのマシン総数……17万6410台(2016年9月時点)

ビンゴ場が1年間に5.7%減少している反面、ベッティング・ショップ数は1.4%増加している。

#ダイナム 低貸業態化進め減収減益 2017年3月期

ダイナムなどのブランドでパチンコホールを展開するダイナムジャパンホールディングスは525日、20173月期の業績を発表した。
年間の貸玉収入は、前期比3.2%減の81777700万円。
営業収入は前期比 0.6%増の 156869 00万円。
税引前利益は前期比14.8%減の1482500万円。

なお、2017331日現在の店舗数は446店舗。(20163月末は442店舗) 
期中には低貸玉店舗 5 店舗を新規出店し、低貸玉店舗を 1 店舗閉鎖。 また、高貸玉店舗5店舗を低貸玉店舗へ、低貸玉店舗1店舗を高貸玉店舗へ業態変更を実施。低貸業態へのシフトを進めている。

貸玉収入を「売上」とするパチンコ業界の慣習にもとづくと、20173月期は減収減益だった。

営業収入は貸玉収入から景品出庫を引いたもので、カジノオペレータの「売上」に相当する。

[参考]http://www.dyjh.co.jp/ir/archives/quick/JW06889_17-010.pdf

2017年5月26日金曜日

社員の借金問題を放っておくと会社の損失につながるかも。

広島中央署の会計課内の金庫に保管していた詐欺事件の証拠品である現金8,572万円が盗まれたという事件について、月刊AJで連載コラム執筆中の、元刑事で人事コンサルタントの森透匡(もり・ゆきまさ)さんは、やはり「内部犯行だと思う」とおっしゃっています。

そして、この捕まる可能性が非常に高く一生を棒に振るような行為に及んだ強い動機は、「多額の借金」だろうと推測します。

警察組織の中でさえ、このような犯行に及ぶものが一定数いるわけです。当然、民間企業にもいます。

内部不正、横領はどんどん膨れ上がります。企業が気づいてないところで、損失が生まれ、どんどん膨らんでいるということです。

森さんはこう言います。
「民間組織の場合、不正(横領が多い)を早く見つけることは売上を上げることと同じ効果があります

不正社員を見抜くノウハウは、このような実利に繋がるということです。

もうひとつ大事なのは、社員を不正に走らせないことでしょう。ひとつは厳重な仕組みによって防ぐ。もうひとつは、借金問題を大きくしないことではないでしょうか?

借金問題は社員のプライベートなことだと放っておくと、不正に繋がりかねないわけです。

社員が借金苦に陥らないために、もしくは借金問題を早めに専門家などに相談できるように、社員教育の一環として「マネーリテラシー教育」の機会を提供することも必要なことだと思います。

2017年5月22日月曜日

#外国人専用カジノの依存対策

いまP業界でも議論されている「レスポンシブル・ゲーミング」という考え方ですが、ここ、外国人専用カジノであるパラダイスシティではどんな注意喚起がされているのでしょうか?


キョロキョロと探しているのですが、ヘルプラインの電話番号を記したリーフレットや名刺大のカード類は見当たりません。もちろん、自己排除プログラムの申請用紙も、見当たりません。

外国人専用カジノですから


韓国ではカンウォンランドができるまで、全てのカジノが外国人専用カジノであり、ギャンブル依存症対策など考えもしなかったのです。相談機関、回復支援機関、予防のための啓蒙活動などなどの対策も知見もないまま、自国民が入れるカジノを開業してしまったのです。社会問題になって当たり前です。


シンガポールは韓国の様を見てますから、カジノが開業する前から実態調査を始め、対策のための機関を作りました。で、カジノが開業する前から、ギャンブル依存症のリスク者の数が減っていって、開業後にはさらに減っていったのです。


今の日本の状況は、IR推進法施行(これまで国による対策はゼロ)を機に、一気に依存対策が進められているわけですから、まさにシンガポールのような状況です。韓国のカンウォンランドを引き合いに出すのは不適切なのです。


パラダイスシティは立派な、高級ホテルです。

2017年5月17日水曜日

#統合型リゾートを誘致したい自治体・地域経済会がいまやるべきこと。

JGCのセッションに参加する前に関係者と議論した際に、「日本のIRはどういうIRがのぞましいのか?」と問われ、見た目・表面的なデザインはどうでもいいので、「IR施設の中だけで完結しないもの、その地域で人の回遊・消費が起こるものになってほしい」とだけ答えた。当たり前のことであり、構想でも何でもないのだが。

しかしこれは、IR施設の外のことなので、よく考えると、IRオペレーターに求めることではなく、誘致する自治体・地域経済会がプランを考えるべきことなんじゃないか。そんな企画力があるのだろうか??
と思っていたら、国際カジノ研究所の木曽所長さんの講演(at 幕張新都心MICE・IRを考える会 )をいま聞いていたら、その解決法はすでにあるということを知った。ニューヨークのカジノライセンス入札要件を見ると、「入札要件」の進化が見える。
確かに! IR施設の外側、地域経済とのクロスマーケティングのデザインの提案も要求している。

誘致しようとしている自治体・地域経済団体がいま考えることは一次交通および二次交通の便の整備と、地域が恩恵を受けるような入札要件を考えること。

2017年5月14日日曜日

#世界からゲーミング関係者が東京に集結

先週、5月10日から11日まで、グランドハイアット東京で開催されていた、ゲーミング業界のシンポジウム「ジャパンゲーミングコングレス/japan Gaming Congress(JGC)」に参加しておりました。前夜祭的なオープニングパーティも含めれば3日間です。

シンポジウム初日の午前中は、萩生田光一内閣官房副長官の挨拶のほか、IR議連6人の方のパネルディスカッションなど、いま政府が何を考えているか、IR議連が政府に何を働きかけようとしているかということが聞きどころでした。


自分は午後、「Opportunities for local prefecture community and firms from various sectors」というテーマのセッションに登壇させていただきました。主催者もしくはモデレーターの方は、IRがオープンしたときの、既存のパチンコ産業との競合・顧客のオーバーラップ、もしくは、ゲーム機の融合による共生の可能性などについても聞きたかったようです。
パネリストは日本人3人、外国人3人。日本側は谷岡一郎学長(大阪商業大学)、石川耕治弁護士(Greenberg Traurig LPP)とそうそうたる顔ぶれ。外国からの参加者は、Eric Persson氏(General Manager and Senior Advisor of Product Development, Aruze Gaming)、Raymond Chan氏(Co-Founder and CEO, TGG Interactive)、Adam Pliska氏(President, World Poker Tour)。

モデレーターの方の仕切りのテンポが良く、話は遊技機の可能性についても及び、いろいろな角度からの見解を聞くことができる面白いセッションになったのではと思います。

個人的な見解ですが、パチンコ・パチスロ機とスロットマシンなどのカジノのゲームマシンは似て非なるものなので、カジノ内に設置することは無理があると思います。しかし、5年後にカジノ側のレギュレーションがどうなっているのか、現時点で確実なことはありません。
遊ぶための遊技機はともかく、日本文化の「展示コーナー」に体験機を置くことは何の問題もないでしょうから、ぜひ置いていただきたいですね。

このシンポジウムには、アメリカの大手カジノオペレーターをはじめ、世界各地から様々なゲーミング業界関係者が集まっていました。いろいろと感じることがありましたので、おいおい書いていこうと思います。

2017年5月3日水曜日

#サイパンに新規開業したカジノが尋常じゃない売上を上げている!

University of Macauの教授が作ったカジノ施設ごとの売上高の資料を眺めていたら、大手有名施設の5倍くらいある図抜けたトコがあった。どこかとおもえば、サイパンに新しくできたカジノ。
教授も苦笑いし、「誰もこの売上高を説明できない」と言っていた。
数日前、カジノ業界の知人からもサイパンにできた香港系のカジノが尋常じゃない売り上げを叩き出しているという話を聞いたが、これか。

たしかに異常な棒グラフだった。

字が小さくてグラフの文字を読めなかったが、Best Sunshine(香港取引所上場のImperial Pacific International Holdings Limitedの現地子会社)が開発を進めていた、Grand Mariana Casino & Hotel Resortのことかな?