2015年5月23日土曜日

企業は残業代をきっちり出すべきと思う。

ボクはいま雑誌の編集という、一般的には「残業代」とは縁のない仕事をやってます。ですが、「みなし残業(固定残業)や打ち切り残業」には反対です。特に若手については。

二つ理由があります。
ひとつは単純に、使用者は長時間労働をさせてはいけないからです。やむを得ず長時間労働をさせる場合は、対価を払わねばならない。これは法律であり、そもそもは長時間労働を抑制するためのもの。過度の長時間労働は心身の健康に悪影響を与えます。

「オレが若い頃は」とか言う人は、たまたま過酷な長時間労働を耐え抜いた人であり、潰れていった人の存在を忘れているのかもしれません。統計の世界には「生き残りバイアス」という言葉があります。

もう一つの理由、これが本題です。
残業代がつかないとダラダラ残業が許容され、それを誰もとがめなくなります。会社や上司からすれば、残業代を払ってないのですから、とがめる理由がないのです。
この弊害は、「仕事が速くならない」ということ。仕事の遅れは自分のプライベートを削ってやればいいや、となります。制限時間を設定して取り組むから、速くこなせるようになるんです。
自分の前職のマーケティングリサーチ・ファームではきっちり残業代が出ましたが(管理職でなかったので)、プロジェクトごとに仕事に投じた時間を記録し、それにもとづいて採算を管理してました。つまり、速く終わらせれば利益を多く残せる。チンタラやれば、残業代はもらえるけど、プロジェクトの採算は悪化する。採算が悪化すれば、査定は下がるわけです。ですから、チンタラやって残業代をもらおうという発想になりにくかったんです。
仕事が速いと査定は上がるし、困ってるプロジェクトの応援にも入れますからね。

そんなわけで、特に若手には、「残業代を出す代わりにスピード感を持たせる」という育て方の方が、会社にはメリットがあると思うのです。
だって、「残業代を出しすぎたな」と納得いかなければ、ボーナスをバサッと削ればいいじゃないですか。

[余談]
そして働き手の我々(特に若者)は、ときどきでもいいので、自分が仕事に投じている時間を計測するといいと思います。「思いのほか時間がかかった」というのが、当初見込みのいったい何倍なのかがはっきりわかります。また、「全然時間を割くことができなかった」ということもわかりますね。ボクは少し前までこんな(↓)アプリをつかって、役割ごと(人は仕事の上でも複数の役割を持ってますよね)やフェーズごとの時間を計測していました。


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