おせっかいにも、このことを説明してみようと思います。
第1の理由は、いま現役の我々が払う年金保険料は、いまのお年寄りの年金のためだからです。そういう、「世代間扶養」の制度なんですよ。お年寄りへの「仕送り」みたいなものです。
ですから、「まあ、頑張れば払えるけど...、国民年金保険料を払いたくない」というのは、「お年寄りに仕送りしたくないよ!」ということになっちゃうんです。そもそも、損得の話じゃないんです。日本で暮らしてる以上、仕方ない“会費”みたいなものです。
公的年金は、自分の将来のために積立する民間の保険とはちょっと違うんです。
ご存知の通り、お年寄りが圧倒的に多くなり、現役世代が少なくなってます。1960年には、16.5人の若者が1人の高齢者を支えている状態でしたが、2015年には2.3人で1人を支えていることになります。
単純計算すると、いま国民年金保険料が16,260円/月で、16,260円×2.3人=37,398円ですね(実際には未納者がいるのでこの額に達しない)。一方、現時点で老齢基礎年金(=国民年金)の受給権を持つ人の平均年金月額は、平成26年度で54,414円。足りてないですよね?
ということで、「国の制度なんてあてにならない。どうせ自分は納めた分の給付をもらえないんだから、年金保険料を払いたくない」という考えが間違っている第2の理由を説明します。
年金は国庫負担金からも支払われている
現役世代によるお年寄りへの仕送りが37,398円(より少ない)なのに、年金受給者は54,414円を受け取ってる…。なんかヘンですよね。
どうしてこれが成り立っているかというと、「世代間扶養の仕組みの破綻は明らかだから、集めた税金で補充入しよう」とだいぶ前に決めてるんですね。で、いまお年寄りが受け取ってる年金の何割かは税金(国庫負担金)から出してるんです。
では、現役世代はいくら年金を受け取れるのか?
たしかに国民年金保険料の月16,260円は安くはないですが、20歳から60歳まで納めたとして、65歳から受給が始まり75歳になった頃には、納めた額と同じくらいの給付を受ける計算になります。そこから先は、簡単にいえば「払った分より多くもらえる分」ということ。
いま20歳の男性の平均余命は60.9年なので、平均的には80.9歳まで生きます。75歳~80.9歳で、ざっくり6年ですから、78万円×6年=468万円プラスです。平均ですから、もっとプラスになる方もいるわけです。女性ならもっと“プラス”になります。寿命が長いですから。
お年寄りへの世代間の「仕送り」をしない/できない人が増えると、年金制度を維持するために、税金で賄う部分も増やさざるを得ない。なおかつ、いま「仕送り」をしなかった人は、将来自分が老人になった時に、下の世代から「仕送り」をもらえないというルール。これが公的年金の仕組みです。
払った方がいいですよ。
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