ビックサイトで開催されていたフランチャイズショーの会場で、教育産業のフランチャイジーの出展数の多さを不思議に思いました。去年も不思議に思っていました。
「すでに少子化が進んでいるのに、今さら教育事業に?」と。
教育産業の市場規模はすごい勢いで縮小してるはず。
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と、思い込んでいたんです。
2年続けて不思議に思ったので、いくつかのブースで話を聞きました。
そして、ネットで調べてみました。
矢野経済研究所は次のように状況を説明しています。
「少子化の進行によって当該市場の対象人口は減少を続けており、限られた顧客層を奪い合う形で、業績を伸長させる事業者とそれ以外の事業者において、明暗が分かれている」
そして、こう続けます。
「2015 年度も、参入事業者間の業績に両極が見られることが考えられ、これらが相殺される形となって、学習塾・予備校市場規模は横ばい基調になるものと予測する。」
そう、横ばいです。縮小ではないんです。
同社のレポートによると、学習塾・予備校の2015年度の市場規模予測は9,420億円で、2011年比で見ると1.9%増です。
さらに、ベネッセコーポレーションが作成した資料を見ると、上記の「学習塾・予備校市場」に「通信教育(未就学児向け/小学生から高校生向け)」「その他(幼児教育/学習参考書・問題集/家庭教師派遣)を加えた校外学習市場は、過去数年でほとんど変化がありません。
これは意外でした。
要因はいくつか考えられます。
1.親の教育熱の高まりで、教育費支出の優先度が高まった。
2.世帯の子どもの人数が減ったことで、1人にかけられる教育費も増えた。
両家のおじいちゃん・おばあちゃんからの援助が1人の子どもに集中する(=6ポケット)ということも起こっているはずです。
2013年から、「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」がスタートしたことも影響しているのかもしれません。
この制度は、教育資金に充てるために直系尊属から贈与を受けた場合、1500万円までは贈与税の課税価格に算入されないというもの。
そもそも、孫の教育費を祖父母がその都度、直接支払うような場合は、原則として贈与税はかかりません。でも、この新制度によって、祖父母から孫に非課税でまとまったお金を贈与することができるのです。※非課税の限度額は受け取る側1人につき最大1500万円。“贈る側1人につき”ではない。
もちろん、教育産業は好環境にある有望な産業だと言うつもりはありません。激しい競争が繰り広げられています。
学習塾を大別すると、集合型授業型と個別指導型に分けられ、シェアを拡大しているのは後者です。
今回のフランチャイズショーで目についたのは、「明光義塾」など2137教室を展開する明光ネットワークジャパン、「城南予備校」など300教室を展開する城南コベッツ、「Class Benesse」塾事業に本格参入を始める“最後発”のベネッセコーポレーション。偶然かもしれませんが、これらはいずれも個別指導塾です。
こうして見ると、横ばいの市場の中で、これから企業間の明暗が分かれていき、伸びる会社もあるのだろうなと思います。
個人的にはやはり、ベネッセが面白そうです。現在、わずか13教室。そして生徒の学習状態をリアルタイムで把握して、教室の指導員(先生)をサポートする最新のIT技術。
「これなら、さほど熟練した先生でなくても、一人一人の子どもに目が行き届くはず!」と感心しました。
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